Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

カメラにも適材適所がある。

2015年10月03日 | カメラ&写真
カメラにも適材適所がある。
言い換えればカメラに万能は無い!

昨夜遅く、昔の悪友から電話が来た。
僕の東京時代、毎日の様に六本木で遊んでいた友達だ。
当時はバブルの真っ最中で、彼の父親がある取引で大儲けして、
20代だった息子の彼も金の使い道に困り、
ターボ付きの最新ポルシェを買って夜の東京を二人で走った。
しかし金はあるが才能の無い彼は、車の運転も下手で、
半年の間に、ポルシェを3度も傷だらけにした。
「この車は俺に向かない、買い替えるよ!」
彼はそう言ったが、
「良く考えろ! 」
僕は友人としてこれまでに何度もこの言葉を吐いた。
「その車が君に向かないのではなく、君に車の運転が向かないんだ!」
「酒を飲むんだから、運転手を雇えよ!」
僕がそう言ったら、
「分かったそうする。」そう答えた。
…そして次の日から僕が運転手になった。
おかげ様でポルシェの運転は上達した。
そして誰もが僕の車だと思った。
それほど彼はポルシェの似合わない男だった。
(#^.^#)
その彼の父親はバブルが崩壊しても生き残り息子に金を残した。
生活に困らない彼は、「おれは何をしたらいいかな?」ある日そう僕に訊いた。
軽ーい気持ちで、
「写真家になったら良いよ。売るほどカメラ持ってるんだし、僕がアドバイスしてやるから。」
そう言ったら3日後、
『写真家・・・』と書かれた名刺を持ってきた。
愛すべき素直な男だ。
・・・・・
そして30年近くたった今も一応プロ写真家だ。
自費で建てた素晴らしいスタジオを持っている。
もっとも写真など撮らなくても生活は全く困らないが・・・。
・・・・・
さて、そんな友人が電話で話した事が面白い。
「物撮りにSONYα7RIIを買ったけど、使えないわこのカメラ!」
そう言った。
彼はそもそもライカを持っていた。
単に金持ちが皆そうである様に彼もアクセサリーとして持っていたにすぎないが…。
しかし彼のライカM6を僕がタダみたいな金額で買って、もっぱらストリートを撮り腕を磨いた。


「札幌駅前」Sapporo JR Station
M6で練習したおかげでこんな撮影が簡単に出来る様になった。

さて彼は、その後もハッセル、ブロニカ、マミヤ・・・etc。
色々買ってデジタル時代に突入。
最近はPhaseOneで遊んでいたらしい。
そんな男が「SONYは物撮りには向かない!」
そう言って夜中に電話を寄こし、僕にその理由を説明した。
・・・・・
まずカメラが小さ過ぎる。
彼の手は大きく操作ボタンが小さくて使い辛いそうだ。
またシステムの拡張性が良くない。
常時PCにつないで使う訳だが、まだもろもろ環境整備がされていない。
そしてとどめはEVF(電子ファインダー)に対する不満だ。

いずれも彼の言う事は間違ってはいない。
殆どその通りだ。
ただ彼が間違っているのはスタジオでそのカメラをメインに使う事だ。

貧乏人が一台しかカメラを買えないなら話は別だが、
金持ちでスタジオまで自分で持っている男が、
なぜそんなカメラを使う必要があるのか?
もし僕が彼なら、スタジオでα7RIIは使わない。

スタジオでは小さなカメラを使うメリットはない。
それどころか操作が少しでもしずらくなるのは問題だ。
またCanonやNikonのような長い歴史のあるカメラメーカーに拡張性では勝てない。
それは当然だ。
ただし4Kムービーをスタジオで撮るなら話は別だ。
CanonやNikonでは4Kを撮る事さえ出来ない。
しかし彼は最先端を走る写真家ではない…。
(#^.^#)
そして極めつけはEVF。
スタジオでEVFが必要か???
太陽を撮影する事も無いだろうもちろん。
しかも物撮りなら、ずっと眼の前に被写体の色が見えている。
その場でPCで確認して現像さえも出来る。
それなら光学ファインダーで、あるがままの色を見て撮影した方が良いに決まっている。
EVFを気に入っている僕でさえ、
まだ今の現状のEVFなら、スタジオで使う場合は光学ファインダーを選ぶだろう。
・・・・
結論:
カメラに万能はない。
カメラにも適材適所がある。


「良く考えろ!」
僕は彼に十数年ぶりにこの言葉を言った。
「α7R2が君に向かないのではなく、君の仕事にそのカメラが向かないんだ!」
そして続けて話した。
「そのカメラが欲しい者はたくさんいる。すぐに売った方が良いよ。」
・・・・・
そして思ったとおり、来週僕の手元に来る事になった。
本当に昔と変わらない、愛すべき素直な男だ。
(#^.^#)

人がカメラを選ぶように、
カメラも使い手次第だ。
どんな素晴らしいカメラであっても、
その価値を知らない者が使うなら、ただのおもちゃにしかならない。


"October early morning"
Biei in Hokkaido,Japan.
I crop the original photo.
Camera:SONY α7R II (ILCE-7RM2)
Lens  :SONY Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA
『太陽のある紅葉』
10月、早朝、北海道美瑛町。
写真は殆ど撮影現場で完成して、3 : 4にトリミングしただけです。
PhaseOneではこんなスナップ撮影は出来ない。というより撮る気も起きない。
外では小さくて軽い高性能なカメラが役に立つ。
そして太陽を撮るならEVFは絶対に必要だ!

彼のα7R2は僕が使う事でその能力を発揮する。
それは間違いないでしょう。
(#^.^#)
追伸:
例によって「意見」が来ました。
予想どおりです。ははは。
「私はスタジオでSONYを使っております。
何か問題のある様な書き方をされていますが、快適に使用しております…。」
あと二人、同じ様な内容のメールを頂きました。
快適に使用されているなら宜しいじゃないですか!
少しでも多くのプロが使うようになるのは良い事ですから…。

ただ僕個人の意見としては、
上でも書きましたが、もし4K撮らないなら、スタジオで物撮りには使いません。
現時点では間違いなく、Canon 5Dsまたは5DsRを使います。
きっともう今頃とっくに買って使ってるでしょう。
(#^.^#)
僕の考えはハッキリしています。
スタジオで物撮りするなら、ISO 3200以上の高感度は必要ない。
通常物撮りは三脚を使用する。よって5軸手振れ補正も必要ない。
小さなカメラは操作がしづらい。
そして極めつけはEVFなどいらない。
変化しない近くの物を撮る場合、しかもその色の表現が重要な際に、
優れた光学ファインダーを使えるのに、意味無くわざわざEVFは使いたくない。
しかもCanonはレンズや周辺機器に優れており、機能性も高い。
逆に尋ねたい位です。
「なぜCanonの5,000万画素機を使わないのか?」
不思議ですね~~~
このカメラの解像力は素晴らしいですよ!!
まあどうでもいい話ですけどね…。

ちなみに上で書いた僕の友人は言いました。
「ガールフレンドがたくさんいる男が、たまにタイプの全く違う女性と付き合ってみたかった!」
ただそれだけの理由でSONYを買ったそうです。
今はいつも付き合う女性と同じタイプ、すなわちCanon 5DsRを使っています。
HaHaHa
僕は個性的、ユニークな女性が好きなんで、
現時点で付き合いたいカメラはSONYだけです。
(#^.^#)
ケント白石
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