Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

世界で通用する写真家になるために学ぶ!意識編

2014年07月23日 | 世界で通用するArtistになるために学ぶ!
世界で通用する写真家になるために学ぶ!意識編
プロとアマチュアの違いは意識の差。

約一週間、右目の調子が悪く休んでおりました…。
その間に、「世界で通用する写真家になるために学ぶ!」
この続きを書いて欲しいという方数十名からメールやメッセージを頂きました。
意外にも人気がある事に僕自身驚いています。
(#^.^#)
ところで「モニター」についての執筆はまだ途中ですが、
今回は気分を変えて番外編として「意識」について書いてみます。

実は、僕はこの春から「写真術講座」を始めましたが、
「ケントさんの様に世界に出たい!」
そう仰る方が相当います。
このこと自体はとても嬉しく思っています。

ガラパゴス諸島化した日本の写真界から、
世界に出て行かれる事には大賛成です。
一人でも多くの日本人が、
僕に続いて世界で活躍されるよう僕も応援したいです。

ただ、そういう皆さんと話していて一つ気になる事があります。
それは漠然と「世界に出たい!」と言われていますが、
そのためには「意識」を高く持たなければいけない事を、
まだまだ理解されていない方が多いのです。

写真の世界では「プロ」と「アマチュア」という言葉で区別される事が多いですが、
僕は基本的にそういう区別はしません。
写真だけで食べている「プロ」はたくさん知っていますが、
僕は必ずしも彼らを一流だとは思っていないからです。
畑に入り撮影マナーの悪いプロも多々いますし。
そんな連中と自分は一緒にされたくないと思っています。

そもそも僕は写真だけで食べている訳ではありません。
ご存知の様に宿業もしています。
そのおかげで「撮りたくない写真」を撮らずに済んでいます。
要するに僕は自由なんです。

僕が思うに、写真の世界においては、
プロとアマチュアの差は稼ぐかどうかではなく、
「意識」が決定的に違うのです。

アマチュアの皆さんと話すたびに、
その「意識」の差をとても感じます。

僕の写真術講座を受ける方の中には、
プロ顔負けの素晴らしい写真を撮る方が多数います。
そういう方は自信満々で来るのですが…。

例えば、そういう自信家で、
「ケントさんの様に世界に出たい!」
そう言われる皆さんに、
「撮影テーマは何ですか?」
そう尋ねますと、殆どの方が言葉に詰まります。

そういう方は一年に一枚か二枚、
世界に出せる様な写真が撮れたらOK!
それだけで満足しています。

しかしもし皆さんが撮られた一枚の写真が、
運良く世界で掲載されるチャンスを得た時、
その一回限りで終わるか?
あるいは、
その後も世界で取り上げられてどんどん有名になるか?
その大きな違いは、
自分の中で世界に通用するテーマを持ち、
長い期間世界中で掲載され続ける様、
「戦略」を持てるかどうかが大切なんです。

これは今までの日本人に欠けているポイントです。
いくら芸術家を気取っても、戦う相手は世界です。
世界で通用するテーマを持たずに戦える訳がありません。

ただ良い写真を撮りたい!
そう考えているだけなら、
僕のこのブログなど読む必要ないと思います。
巷には素晴らしいテキストも出回っています。
そういう本を読めば済む事です。

でも僕は風景写真に関しては、
日本人が書いた本は殆ど読みませんでした。
世界に出て行くための指南書にはならなかったからです。

「世界で通用するためにはテーマが必要!」
こんな事を書いている本は日本には一冊も無かったからです。

ここまで書きましたが、
もし僕が偉そうに書いていると思われるのなら、
これ以上読まれない方が宜しいでしょう。

世界に出て行くのは簡単です。
誰でも海外旅行と同じ様に出て行けます。
しかし世界で通用する、認められるのは大変です。
これはその世界を経験していなければ理解出来ないかもしれません。

例えば、僕の宿に泊まる外国人で僕を知らない方はいません。
100% 僕を知っています。
また先日青い池で偶然会ったフランス人と話しました。
英語で「何故ここを知ってるの?」
そう尋ねると、
僕の写真が掲載されている下記サイトを見せてくれました。

そのサイトを見て頂ければ良く分かると思いますが、
すでに世界では「青い池」が有名なのは当然で、
今は「緑の池」まで有名になりつつあります。
要するに「この池は青色から緑色まで変化して驚く様な景色を見せる」
そう書かれているのです。

それこそまさに僕の狙っていた展開です。
テーマの大切さがお分かり頂けると思います。

フランス
Blue Pond Hokkaido Japon par Kent Shiraishi : Merveilleuse Nature Turquoise
オーストラリア
Why This Magical Lake Changes Colour With The Weather
ブラジル
Por que esta lagoa muda de cor de acordo com o tempo?
スペイン
The Wow
New York City
Spoon & Tamago
そして香港で最も人気のある写真家のためのサイト
Photoblog.hk

また世界で人気のSNS 「tumble」では数カ月で、
7万件を超えるアクションがありました。

上で紹介しましたように世界で広まったのは、
僕が「戦略」として「池の色」をテーマに選んでいたからです。

そもそも青い色した池や湖など世界中にたくさん存在するのです。
それ自体は何も珍しくありません。
僕は初めからそれを知っていました。

ただしかし、池の中に立ち枯れの木があり、雪が降り、
そして青色から美しい緑色まで日々変化する池は、
世界中で美瑛町の「青い池」ただ一つなのです。

そのテーマがなければ、
青い池の人気はここまで来なかったでしょう。
アップル社の広告に採用されただけでは無理です。
同じく採用された作品は世界中に多々ある訳ですから…。

結論として、
世界に出ようと思う写真家なら、
優れた芸術写真が撮れるのは当然であり、
それにプラスして、
常に世界に向けてアンテナを張り、
テーマを吟味して、何を自分が世界に出していくか?
その答えを自分で見つけなければいけません。

そういう「意識」が持てるかどうか?
それが「プロ」と「アマチュア」の違いではないでしょうか。
僕はそういう気がしています。

またアマチュアであれプロであれ関係なく、
高い「意識」を持ち続ける事が出来る方が、
世界で一流と呼ばれている方達なんだろうと考えています。

そして日常的に僕が思うのは、
誰にでも「偶然」によるチャンスはあると思います。
きっと皆さんにもあるでしょう。
ただ大切な事は、その「偶然」を「必然」に変える能力があるかどうかです。
これは言葉の遊びで書いているのではなく、
実はとても大切なことだと僕は思っています。

もし僕が撮った一枚の「青い池」の写真が、
「ナショジオ」のフォトコンで入賞し、
Apple社の広告に採用されただけなら、
既にそれから2年もたった今、
そんなに世界で人気を維持する事はなかったはずです。
たとえそれが偶然であっても、
僕はそれを必然に変えました。
だから今なお世界中で人気があるのです。

僕はその「意識」に関しては誰にも負けない自信があり、
またそこは自分自身で「プロフェッショナル」を強く意識しています。

今回は「意識」について、
僕なりの考え方を書かせて頂きました。

最後に先日朝霧の中で撮影した1枚をUpします。


「朝霧の中、朝日が小麦畑を照らす」

まだ右目が見えません。
上の写真の朝霧の様にぼやけて見えます。
実は数日前に同じ眼をもう一度手術しました。
PCの操作も大変で、モニターを長く見ると疲れます。
もうしばらく休養させて下さい。
宜しくお願いします。
(#^.^#)
追伸:

早速 Facebookのメッセージ欄よりご意見頂きました。
10通近くご意見頂きましたが、
生憎上で書きましたように眼の調子が悪いのでご返信できません。
読ませて頂いておりますのでご了承ください。
今回は頂いたご意見の中で一通だけご紹介します。

「…僕は32歳で公務員をしております。撮影は週一位しか出来ません。
いつかケントさんの様に世界に通用する写真家になりたいと思い、
ブログやFBの写真等拝見しております…。
…テーマを見つけるには時間が足らず、もっと撮影する日数が欲しいです。
僕は一人者なので仕事を辞めて、プロのアシスタントでもした方が良いか?
そんな事も時々考えますが、こういう考えは甘いでしょうか?
くだらない事書いて申し訳ありません…。」

何故この方のメッセージを取り上げたか?
それは皆さん勘違いされている方が多いからです。

プロになったら写真を撮る時間があって、好きな写真をたくさん撮れて…。
そう考えている方が結構います。
それはとんでもない間違いです。

ほんの一握りの著名なプロ以外、写真は一日中撮っても、
あなたが好きな写真など撮れません。
食べるために何でも撮らなければいけないだけです。
あなたは選んでいられません。
またそういうプロの多くは自分のテーマなど見つけられませんし、
たとえ見つけたところで、それを撮影する時間も余裕もありません。
僕はそんな人達を多数見て来ました。

あなたは公務員だそうですが、素晴らしいと思いますよ。
週一回きちんと撮影出来るわけでしょ?

またテーマを見つける事と、撮影時間や日数は関係ありません。
普通僕達はテーマが先に有ってそれを撮影するのです。
僕が宿業を営んでいるのは自分の好きなテーマだけを撮影したいからです。

結婚式を宿で行なう場合でも僕は撮影しません。
別な写真家に頼んでいます。
僕は自分が撮りたいテーマの作品しか撮りません。

あなたも別な仕事を持っている訳ですから、
発想を変えれば僕と同じです。
つまり自分の撮りたいテーマを見つけて、
それだけに没頭できるはずです。

もし今の環境で出来ないなら、
アシスタントになったらもっと出来ません。
あなたにヤル気があれば今の環境で出来るはずです。
僕は50も過ぎておまけに右目は使えません。
それでもこれからまだまだ世界で活躍するつもりです。
要はそれこそ「意識」の問題です。

週一回必ず撮影出来る環境にあって、
自分のテーマが見つけられないなら、
世界で通用する写真家にはまず成れません。
厳しい事を書くようですがそれが現実です。

誰にでも世界で活躍するチャンスは有ると思います。
しかしそれを掴むための努力は並大抵ではないのです。
まして上で書いた様に「意識」の差は、
一流のプロとアマチュアでは雲泥の差があります。
写真術を学ぶ以上にまずは「意識」を変える事です。
それが僕のアドバイスです。

ケント白石

北海道を世界に売り込む侍写真家
Professional & SAMURAI Photographer Kent Shiraishi
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