写真家がすべきカラーマネジメントVol.1
前回書いた「写真家は色にこだわる!」を読まれていない方は、
まずそちらをお読みください。
さて、私は今までどこに顔を出しても、
写真に関係したところでは、必ずと言っていいほど、
「カラーマネジメント」について語ってきました。
現在まだこの分野がきちんと確立されておらず、
ハッキリ言いまして「迷路」状態です。
しかし写真家にとってこれほど大切な事はありません。
極端な話、せっかく傑作が撮れても、
カラーマネジメントがされていない、あるいは間違った方法でされていれば、
正しい色が見れず、自分の作品なのにきちんと情報が得られないのです。
先日私が指導していた学生の話なんですが、
彼が自分で納得のいく素晴しい作品が撮れて、
モニターを見ながら、露出や色を微調整して、
そのデータを「カメラの○○○○」に持ち込み、
クリスタル・プリントを頼みました。
後日期待して受け取りに行きましたら、あれれれれ~
自分のモニターで見ていた作品とは別作品!
がっくりきたのは言うまでもありません。
皆様はこういう経験はないでしょうか?
結局のところ、自分が見ているモニター画像が、
色はもちろん、露出やコントラストも正しいとは言えず、
元データの情報が分からないことから起こる悲劇なのです。
しかもその元データを下手にいじってしまうと、
もう手が付けられません。
せっかく時間をかけた事が全て無駄になります。
さて本題に入ります。
デジタルカメラが普及して10年以上経ちました。
なのになぜこの分野はまだ「迷路」状態なのでしょうか?
・・・実は簡単な事なんです。
写真に関わっているのは、写真家だけではなく、デザイナーや製版オペレーター等、
色々な方がいます。皆同じデータを使っていても微妙に見方が違うのです。
それぞれの目的が違うのですから当然です。
そこで問題なのは、写真家が自分の立ち位置を見つけられずに右往左往しているんです。
要は印刷屋かデザイナーがしているカラーマネジメントに自分を合わせているのです。
今の若い方にはいませんが、つい最近まで、
中高年のカメラマンは銀塩からデジタルに変わる時、
パソコン選びもおぼつかず、知人のデザイナーに聞いてMacにしたとか、
そんな人そこらじゅうにいました。
理由を聞いても答えられない。Macは画像に強いそうだとか・・・。
そんな感じでした。
結局PCに係る部分では、普通のカメラマン・写真家は無知な方が多かったんです。
今もそういう方はまだいます。
ですからカラーマネジメントも同じで、自分の頭で考えて出来ない。
どこぞのデザイナーがこうやっていると言われたら、
なるほどそうなんだとか思ってマネをする。そんな感じの方が多いんです。
さて、私は以前から書いているように、
「一流のアマチュア写真家は二流のプロより上である。」
常々そう思ってきました。
要するに、一流とはアマチュアであれプロであれ、二流とは意識が違うんです。
まず自分の頭でしっかり物事を考える者です。
さてまた前置きが長くなってしまいました。失礼しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ではまず一番大切な事ですが、
写真家がすべきカラーマネジメントとは何か?
この点を明確にしておかないと上記で書いたようなことになります。
まず写真家が最初にすべき事は「撮影したデータの情報を出来る限り正確に把握することである。」
言いかえれば、色や露出、諧調等出来るだけ多くの情報を正しく見たい。
これが一番大切なはずです。
よってそのためにはどうすべきかと考えて、カラーマネジメントを行うべきでしょう。
プリント印刷した結果とモニターの色を合せることより、
まずは撮影データの「色」を出来るだけ正しく見たいはずです。そうでしょ?
製版オペレーターではないのです、我々は。写真家なんですから!
まずはそういう自分の立ち位置をしっかりわかっていないとダメですよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
立ち位置が分かると物事の決定は早いんです。
我々は写真家ですから、
まずは今皆さんがお持ちのカメラから発想をスタートさせるわけです。
要は、手持ちのカメラがどう作られているか?
それを考えるわけです。
例えばMacを使っているなら、ガンマは1.8、Windowsなら2.2。
この考え方は???
私は某カメラメーカーのプロモニターをしていますので、
ある程度メーカーの人間から知識を仕入れています。
その結果カメラについて理解が深まりました。
現在皆さんが使うカメラの入力プロファイルは、sRGB とAdobe RGBです。
そのいずれもがガンマ2.2で作られているんです。
PCに合わせるのではなく、カメラに合わせるべきです。
幸いMacも最新OSからはガンマが2.2になりました。
これを嘆いている方が結構いますが、写真家にとっては朗報です。
ガンマは2.2にすべきだと私は以前からずっと考えていましたから・・・。
このガンマ、1.8と2.2でたいして変わらないと考えている方がいましたら、
とんでもない間違いです。
何よりも、モニターで見る露出が大きく変化します。
我々写真家は、撮影時に露出を懸命に調整している訳ですよ。
それがモニターによって、明るく見えたり暗く見えたりしたら・・・
どう思います?
明るく見ているのに、いざプリントしたら暗く印刷された?
そんなことありませんか?あるでしょ?
そういうことになるんです。
そしてその都度、
プリントに合わせてデータの露出、明度やコントラストをいじる。
毎回そんなはめになるんです。
ちなみに今の私は、まず殆どそんな事をする必要がありません。
自分のモニターで最初に撮影データの露出がほぼ間違いなく把握出来ていれば、
問題ない訳ですから・・・。
そこでまずガンマは2.2にする。
理由もわかりましたでしょ?
カメラの製造時の設定に合せて考えれば良いんです。
では続きは次回に・・・
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前回書いた「写真家は色にこだわる!」を読まれていない方は、
まずそちらをお読みください。
さて、私は今までどこに顔を出しても、
写真に関係したところでは、必ずと言っていいほど、
「カラーマネジメント」について語ってきました。
現在まだこの分野がきちんと確立されておらず、
ハッキリ言いまして「迷路」状態です。
しかし写真家にとってこれほど大切な事はありません。
極端な話、せっかく傑作が撮れても、
カラーマネジメントがされていない、あるいは間違った方法でされていれば、
正しい色が見れず、自分の作品なのにきちんと情報が得られないのです。
先日私が指導していた学生の話なんですが、
彼が自分で納得のいく素晴しい作品が撮れて、
モニターを見ながら、露出や色を微調整して、
そのデータを「カメラの○○○○」に持ち込み、
クリスタル・プリントを頼みました。
後日期待して受け取りに行きましたら、あれれれれ~
自分のモニターで見ていた作品とは別作品!
がっくりきたのは言うまでもありません。
皆様はこういう経験はないでしょうか?
結局のところ、自分が見ているモニター画像が、
色はもちろん、露出やコントラストも正しいとは言えず、
元データの情報が分からないことから起こる悲劇なのです。
しかもその元データを下手にいじってしまうと、
もう手が付けられません。
せっかく時間をかけた事が全て無駄になります。
さて本題に入ります。
デジタルカメラが普及して10年以上経ちました。
なのになぜこの分野はまだ「迷路」状態なのでしょうか?
・・・実は簡単な事なんです。
写真に関わっているのは、写真家だけではなく、デザイナーや製版オペレーター等、
色々な方がいます。皆同じデータを使っていても微妙に見方が違うのです。
それぞれの目的が違うのですから当然です。
そこで問題なのは、写真家が自分の立ち位置を見つけられずに右往左往しているんです。
要は印刷屋かデザイナーがしているカラーマネジメントに自分を合わせているのです。
今の若い方にはいませんが、つい最近まで、
中高年のカメラマンは銀塩からデジタルに変わる時、
パソコン選びもおぼつかず、知人のデザイナーに聞いてMacにしたとか、
そんな人そこらじゅうにいました。
理由を聞いても答えられない。Macは画像に強いそうだとか・・・。
そんな感じでした。
結局PCに係る部分では、普通のカメラマン・写真家は無知な方が多かったんです。
今もそういう方はまだいます。
ですからカラーマネジメントも同じで、自分の頭で考えて出来ない。
どこぞのデザイナーがこうやっていると言われたら、
なるほどそうなんだとか思ってマネをする。そんな感じの方が多いんです。
さて、私は以前から書いているように、
「一流のアマチュア写真家は二流のプロより上である。」
常々そう思ってきました。
要するに、一流とはアマチュアであれプロであれ、二流とは意識が違うんです。
まず自分の頭でしっかり物事を考える者です。
さてまた前置きが長くなってしまいました。失礼しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ではまず一番大切な事ですが、
写真家がすべきカラーマネジメントとは何か?
この点を明確にしておかないと上記で書いたようなことになります。
まず写真家が最初にすべき事は「撮影したデータの情報を出来る限り正確に把握することである。」
言いかえれば、色や露出、諧調等出来るだけ多くの情報を正しく見たい。
これが一番大切なはずです。
よってそのためにはどうすべきかと考えて、カラーマネジメントを行うべきでしょう。
プリント印刷した結果とモニターの色を合せることより、
まずは撮影データの「色」を出来るだけ正しく見たいはずです。そうでしょ?
製版オペレーターではないのです、我々は。写真家なんですから!
まずはそういう自分の立ち位置をしっかりわかっていないとダメですよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
立ち位置が分かると物事の決定は早いんです。
我々は写真家ですから、
まずは今皆さんがお持ちのカメラから発想をスタートさせるわけです。
要は、手持ちのカメラがどう作られているか?
それを考えるわけです。
例えばMacを使っているなら、ガンマは1.8、Windowsなら2.2。
この考え方は???
私は某カメラメーカーのプロモニターをしていますので、
ある程度メーカーの人間から知識を仕入れています。
その結果カメラについて理解が深まりました。
現在皆さんが使うカメラの入力プロファイルは、sRGB とAdobe RGBです。
そのいずれもがガンマ2.2で作られているんです。
PCに合わせるのではなく、カメラに合わせるべきです。
幸いMacも最新OSからはガンマが2.2になりました。
これを嘆いている方が結構いますが、写真家にとっては朗報です。
ガンマは2.2にすべきだと私は以前からずっと考えていましたから・・・。
このガンマ、1.8と2.2でたいして変わらないと考えている方がいましたら、
とんでもない間違いです。
何よりも、モニターで見る露出が大きく変化します。
我々写真家は、撮影時に露出を懸命に調整している訳ですよ。
それがモニターによって、明るく見えたり暗く見えたりしたら・・・
どう思います?
明るく見ているのに、いざプリントしたら暗く印刷された?
そんなことありませんか?あるでしょ?
そういうことになるんです。
そしてその都度、
プリントに合わせてデータの露出、明度やコントラストをいじる。
毎回そんなはめになるんです。
ちなみに今の私は、まず殆どそんな事をする必要がありません。
自分のモニターで最初に撮影データの露出がほぼ間違いなく把握出来ていれば、
問題ない訳ですから・・・。
そこでまずガンマは2.2にする。
理由もわかりましたでしょ?
カメラの製造時の設定に合せて考えれば良いんです。
では続きは次回に・・・
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