夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

絵巻を愉しむ

2015-07-19 22:48:47 | 日記

現在開催中の「絵巻を愉しむ―《をくり》絵巻を中心に―」展を観に、宮内庁三の丸尚蔵館へ。
昨年、宮内庁書陵部に史料閲覧で行った時のこと(その①その②)を思い出し、竹橋駅で降り、北桔橋門から東御苑に入ったのだが、遠回りだった。大手町駅で降り、大手門から入った方がずっと近かった。


今回の展示は、「彦火々出見尊(ひこほほでみのみこと)絵巻」「酒呑童子(しゅてんどうじ)絵巻」「絵師草紙(えしのそうし)」「をくり(小栗判官絵巻)」などで、数は少ないが、絵巻物の醍醐味が伝わるようによく工夫されていた。
最後の「をくりの絵巻」の解説文に、「語り口調の詞にあわせて、アニメーションを見るかのような細かな場面展開は魅力的である」と書いてあったが、日本人はもともと絵画と共に(あるいは絵によって)物語を楽しむことが好きなのだなあと思う。

「彦火々出見尊絵巻」はいわゆる海幸山幸の話で、展示されていた場面の中に、尊が竜王の娘に婿入りすることになり、竜王宮で盛大な祝宴を催すところがあった。
たくさんの御馳走(刺身がうまそう)、豪華な衣装や立派な御殿、調度品など、見ていてこの竜王宮には私も行きたくなってしまった。

絵巻を通して、昔の人の生活や信仰、夢や憧れを知るのは、とても面白く、時間が経つのも忘れて鑑賞していた。