水にただよう浮草日記

自称文人、でもあっちへこっちへ行方定まらない。そんな浮草が芝居、映画、文学、美術、旅に関してのコメントを書き連ねます。

私のすきなもの My favorite things

2013-01-21 17:04:19 | 日記・エッセイ・コラム

好きなもの

天気予報では雨だったのに、雪に変わり,見る間見る間につもって一面真っ白になっていく様はおもしろい。V6坂本昌行のコバルトブルーを唄いながら、雪を眺めるのは感傷的になれてうれしい。

  ♪ジョンレノン聞きながら、東京 初雪の夜 あの日の君と僕が 窓辺に白く降り積もるのをみてた …………♪コバルトブルーの世界 真っ白なピアノのメロディー………

翌朝、玄関を出ると大量の雪、かちんかちんに凍っていて、かくこともままならない。前の道路もかちんかちん。 ところが、246や環七などの大きな通りで出ると、雪など跡形なく、通常通り車がびゅんびゅん走りすぎ、歩道は自転車が行きかっている、その表と裏のギャップがおもしろい。

天気予報で、今日は一番寒くなるでしょうという日の空の青さ、システィーナ礼拝堂の天井画の青。天使が舞い降りてきそうで、おごそか。 その日の4時半ごろの西の空の茜色、燃えるような金色に近い。 またその夜 空気の透過性が高く、凛として澄みわたり、月やオリオン座が降ってくるように輝いて、街路灯までが迫ってくるように輝くのが 異国にいるようで切ない。

さらに好きなもの

鈴カステラ 周りが砂糖でコーティングしてあり、ひとつ摘んでポーンと口にほおり込み、ブラックコーヒーをすすると、甘さと苦さのいいコンビネーション。

ナムル  ニンニク摺って、コチュジャン、ごま油、醤油、砂糖、スリゴマをガーっとかき混ぜ、ホウレンソウにあえる。 ホウレンソウを見ると速攻これ。

ひとり鍋 三人いても一人用の土鍋でキムチ鍋やちゃんこ鍋など一人づつ食べるのは、気がねがなく、不公平でなく、安心。 鍋は二つしかないので、誰かが食べ終わるのを待っている心の余裕がある自分がうれしい。

布団干し 気温が低くても、お天気であればベランダに布団を干すのは、気持ちいいもの。 天気なのにベランダを空けているはもったいないというのは、布団干しシンドロームと呼ぶ


長谷川等伯 松林図屏風

2013-01-12 09:56:14 | 日記・エッセイ・コラム

東博で 長谷川等伯 松林図屏風(国宝)を公開していたので、見てきました。

リンク:http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E6%9D%BE%E6%9E%97%E5%9B%B3%E5%B1%8F%E9%A2%A8#

そこで妄想ひとつ:

能登、厳冬 日本海は今日もしけだろう。 激しい風、砕け散る白波。 吹雪 雪は風で飛ばされ霧のように地を這い、舞いあがる。 行く手は見えない、その風雪を耐えて、私を守ってくれるはずの防風林の松さえ立っているのがやっとで、心もとない。 瞬時風雪が止る。 見上げれば、遥かの山並みは薄い日を頂いて白い稜線をはかなげに浮かびあがらせている。 たとえこの厳冬の松林を抜けても、私の旅は終わらない。 願い求めている道はひたすら続いているのだ。

七尾を石もて追われるごとく出奔し、乱世の京において 絵師として、名をあげ功を成したつもりだった。 狩野永徳にだけは負けたくない、その妄執と確執のあけ暮れの中、 秀吉や千利休などの権力者からの庇護を勝ち得てきた。 しかし長男久蔵を26歳で亡くした今となって、それがいったい何ほどのものであったろう。 すべては虚しく、この松林の中の一本の老松のように、私は白い無の中に佇んでいるだけだ。

松林図屏風 その心ははたして 無 に達していたのだろうか?


年忘れ日本の歌

2013-01-01 14:55:04 | 日記・エッセイ・コラム

大晦日はテレビ東京の年忘れ日本の歌を見ながら、一緒に歌ってました。

血管をじんわり流れて、五臓六腑に浸み渡る日本人の心の叫び

さくらと一郎 昭和枯れすすき 貧しさに負けた、いいえ世間に負けた

渥美二郎    夢追い酒      あなた なぜなぜ わたしを捨てた

大川栄策 ささんかの宿      愛しても愛しても ああ ひとの妻

冠二郎  旅の終わりに      流れ流れて さすらう旅は、きょうは函館あしたは釧路

三沢あけみ 島のブルース    (指笛軽快に)奄美なちかしゃ 蘇鉄のかげで

島倉千代子 からたち日記    幸せになろうねってあのひとは云いました わたしは小さくうなずいただけで胸がいっぱいでした

そして

八代亜紀  舟歌             ~お酒はぬるめの燗がいい肴はあぶった…..  

         場末のネオン街のクイーンオブクイーンズ ラメ入り長いドレスと長い袖は健在 そしてスポットライト 嗄れ声

私はこの国に生まれた60歳の女であることをかみしめた時間でした。