チェルノブイリ子ども基金・事務局だより

チェルノブイリ子ども基金スタッフが綴る事務局の日々。

放射能への対処法

2011-03-25 12:15:20 | Weblog
反原発運動全国連絡会の方がまとめてくださった
【放射能への対処法】「環境と原子力の話」(3月21日段階)から他、
役立つ情報サイトなどです。


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【放射能への対処法】(3月21日段階、「環境と原子力の話」より)

チェルノブイリ事故の放射能が飛来した時に、
「放射能110番」という電話相談を行い、
電話が鳴り止まないという経験をしました。
そのときにまとめた記録集から放射能への対処法を抜き出し、
福島事故用に修正したものを、下記にアップしました。
参考になれば幸いです。
http://homepage3.nifty.com/ksueda/youso.html

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Q 福島原発事故で放出された放射能が各地で検出され、
福島、茨城、栃木、群馬の各県産ホウレンソウ、かき菜と、
福島県産の牛乳が出荷停止になりました。
なにが問題で、なにを控えたらよいのでしょうか。
A 問題になっているのはヨウ素131という名前の放射能です。
これが大変多い牛乳、葉菜類などはしばらく摂取するのを控え
たほうがよいとでしょう。

Q 「ただちに健康被害がでるレベルではない」
と説明されていますが。
A 放射能にはこれ以下なら安全という量は存在しません。
ただちに症状がでるようなレベルでなくても、安全とは言えません。
その濃度の放射能を取り込んだ集団の中から何人かのがん患者が発生します。
したがって許容濃度は「辛抱量」なのです。
どんなに放射能が少なくても、影響がゼロということはありません。
影響の出る率が小さくなるだけです。

Q 放射能にはいろんな種類があると聞きましたが、
なぜヨウ素131が特別に問題になるのでしょうか。
A ヨウ素131は、自然界には本来ない放射能で、原発事故のとき、
空気中に飛び散りやすいものです。
ヨウ素(ヨードともいいます)が動物の身体の中に入ると、
大部分がノドのところにある甲状腺に集中されます。
この集中するということは、濃縮されることだと考えて下さい。
ヨウ素は食べ物をとうしても、肺からでもとり込まれます。
そして徐々にチロキシンというホルモンとなって身体中を回ります。
しかもホルモンとして使われ分解された後も、
リサイクルされて大切に使われるため、外に出にくいのです。
この甲状線ホルモンは、代謝、成長と分化、神経、筋機能、
生殖・生殖腺の発達に不可欠なものです。
甲状腺にヨウ素131が集まりますと、放射線で甲状腺が傷つけられることになり、
その結果、肉体的、精神的な発育不良を起こすことになります。
とくに胎児や、成長過程にある幼児に影響は大きいといえます。

Q 放射性ヨウ素は胎児や幼児に対する影響が大きいということですが、
それはどうしてでしょうか。
A これまでに妊娠中の女性や、新生児の血清中ヨウ素の濃度が
著しく高いことが知られています。
ヨウ素は胎盤をとうして胎児に取りこまれ、
一定期間をすぎた胎児は自分の甲状腺でホルモンを作って成長するのです。
乳幼児の甲状腺は大人に比べて極めて小さく(成人で20g,5才児で5g,6ケ月児で2g)、
母乳や牛乳などで大人と変わらないほどのヨウ素131をとり入れると、
大人の10倍から30倍もの被曝線量を受けることになるのです。

Q 牛乳中のヨウ素131はどうして多いのでしょうか。
牛乳を飲むのは控えたほうがよいでしょうか。
A 牛の子供も成長するためには、大量のヨウ素を必要とします。
このため子牛に飲ませる牛乳中にもヨウ素が沢山含まれています。
そして牛がヨウ素131を含んだ草を大量に食べた場合、
当然牛乳にも沢山のヨウ素が含まれることになります。
私たちの飲む牛乳の産地がどこか、しっかり調べることです。
用心するということでいえば、2カ月程飲むのを控える方法もあります。

Q 2カ月控えるというのは、なぜですか。
A 放射能は大体、半減期の10倍の期間がたつと、
元の1000分の1ほどに弱まってしまうという性質があります。
ヨウ素131は半減期が8日間なので2カ月もすれば、ずっと弱くなります。

Q 野菜はどうでしょうか。
A 野菜のなかでも葉っぱ類には、ヨウ素131がけっこう沢山検出されています。
葉菜類も産地を確認するとともに、全然食べないわけにはいかないので、
食べる時はよく洗ってください。

Q 野菜はよく煮たらどうでしょか
A 私たちがまず知っておかなければならないのは、
放射能は煮ても焼いても無くならないということです。
時が経つのを待つ以外に方法はないのです。
ここが放射能の厄介な点です。
ただゆでれば、ゆで汁で4分の3程度は流れます。

Q 土の上に出ているものが心配なのですね…
大根や人参はどうでしょうか。
A 心配はいらないと思います。

Q 水道水は飲めますか
A 各地で水道からもヨウ素131が検出されています。
暫定基準として定められた1リットル当たり300ベクレルを
福島県川俣町水道と飯舘村簡易水道で超えました。
「直ちに健康に影響がない」を繰り返している政府も
さすがに乳児用の規制値を300ベクレルから100ベクレルに引き下げましたが、
この基準も分なものではありません。
WHO(国際保健機構)の飲用水質ガイドラインに示されている基準(Guidance level)は、
ヨウ素131の場合10ベクレル/リットルです。
日本の暫定基準は、乳児で10倍、成人で30倍緩いことになります。
少なくとも10ベクレルを超える地域では飲用は控えるべきです。

Q 母乳は大丈夫でしょうか。
A チェルノブイリ事故の放射能が日本にも飛来した時、
母乳からもヨウ素131が検出されました。
母乳にヨウ素が含まれるのは、牛乳の場合と同じです。
お母さんが放射性ヨウ素の食物を摂取すれば、
それだけ母乳にもヨウ素131の量が増えることになります。
妊産婦や乳幼児と一緒の方は、
公表されているデータを見て20キロ圏外でも高いレベルの地域から避難することが必要です。
なお、母乳は栄養があり、子供への心理的なプラス面もあります。
母乳を与え続けられる努力をされたほうがよいと思います。

Q 時々検出される程度の地域では、どんな方法があるでしょうか。
A 放射能を含んでいないヨウ素の摂取を積極的にお勧めします。
私たちは海藻類を沢山食べることによって、ヨウ素を身体に取り入れることができます。
甲状腺がいつも放射能を含んでいないヨウ素で一杯になっていれば、
放射性ヨウ素の侵入を防ぐことができるのです。
今回の事故までに海からとってある海草を野菜がわりに食べるのがよいでしょう。

Q ヨウ素剤はどうですか。
A ヨウ素剤(ヨウドカリ錠)は、
避難地域で医師による処方がされる場合を除き、お勧めできません。
ヨウ素剤は劇薬でもあり、使用法が難しいのです。

Q ヨウ素以外の放射能は問題ないのですか
A 原発事故の場合、ヨウ素131以外に、セシウムとストロンチウムも漏れ出ます。
ヨウ素は甲状腺に、セシウムは筋肉に、ストロンチウムは骨に蓄積されやすいのです。
そしてそれぞれ蓄積される過程で濃縮されます(これを生体濃縮といいます)。
セシウムとストロンチウムはいずれも半減期が長いので(セシウム、ストロンチウムとも約30年)、
ジワジワと影響が出てきます。

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【福島原発事故関連の基本情報】

(福島第一原発の状況)
服部良一さんのホームページのブログにあります。
http://www.hattori-ryoichi.gr.jp/

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(信頼できるサイトです)

原子力資料情報室
http://cnic.jp/

アワプラネットTV
http://www.ourplanet-tv.org/

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(参考になるサイトです)

原発事故サバイバルハンドブック
http://wiredvision.jp/blog/gohara2/201103/201103130059.html

「終焉に向かう原子力」(第10回)放射線被曝事故の悲惨さ
と避ける道
http://chikyuza.net/n/archives/5043

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(文科省による各都道府県の放射能測定結果をもとにグラフに
したウェブ)

http://atmc.jp/

http://eq.yahoo.co.jp/

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(グーグルの放射能測定マップ)
測定器が単一ではないので、数字、値を混同しないようにと注
意書きがしてあります。
http://ht.ly/4exnv

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(福島県災害対策本部のサイトです)
http://www.pref.fukushima.jp/j/index.htm

(文科省の東北地方太平洋沖地震関連情報)

http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/index.htm

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(風向きを調べるサイト)
http://area.walkerplus.com/weather/tokyo/wind_tomorrow.html

http://www.jma.go.jp/jp/amedas/206.html?elementCode=1

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【放射能汚染対策について】

放射線については、本来安全基準などあり得ないものです。
乳幼児、子どもは特に注意すべきです。

★放射性物質とは
放射性物質は、こまかなチリとして飛散しています。
目には見えませんが、放射線を発していますので、
身体や服に付着すると細胞に悪影響を与えます。
付着したものは洗い流すことで一定程度除去することができますが、
呼吸の際で吸い込んだものは除去が難しいですので、
できるだけ吸い込まないこと。
花粉症用マスクか厚目のマスクを使用するか、
濡れタオルを口に当てることで、
ある程度、吸い込むことを防げます。

★外出するときは、外気に素肌をさらさないことを徹底すること
衣服は家に入る前に払ったり、ぬれた紙などで上着の表面をふき取る。
髪や顔、体は風呂に入って洗い流す。水が使えなければ布でふき取る。

★雨にぬれることは避けること
放射性物質(チリ)は雨に吸着されますから、
一般的な数値より濃縮されている場合があります。
・雨の日は外出しないことが一番
・外出した場合、雨に濡れないこと。
・雨に濡れた部分は、水で洗い流すこと。

★室内では
窓を閉めて外気を遮断することで放射性物質との接触をある程度避けることができます。
外気を吸い込むエアコンなどの空調機、換気扇などは使わない。

★避難するときは
風下へは絶対に行ってはいけません。
風向きと直角方向へ避難します。
東京にいるときは北風に注意します。避難するときは西の方(山梨方面)へ。

★補足説明
事故により放出された放射線量は、
政府発表と民間の調査発表に大きな差があるなど、
決して安全とは言えない状況です。
福島県は本日3月14日、除染が必要となる被曝の基準を引き上げ、
今まで除染の対象であった人を除外するなど、
国の安全基準も怪しい状況です。

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【被ばくを避けるために】(原子力資料情報室のサイトから)

被ばくを避けるためには、距離をとること、時間を短くするこ
と、呼吸や食べ物から取り込まないことなどが必要だ。距離を
とると言っても、誰もが避難できるわけでもない。
 また、環境の放射線が高くなりつつある中で、被ばくを避け
るためにどうしたらよいのか、多くの人が直面している深刻な
問題だ。ここでは、無用な被ばくを少しでも避けるための自衛
の方法を具体的に考えてみたい。先に「放射線被ばくを考える
」で自衛のための被ばくの計算方法をお伝えした。これも参考
にしてほしい。
1)各と同府県が環境放射線のモニタリングデータを公表して
いる。これによって自分の住んでいる地域の大まかな環境放射
線量を知ることができる。モニタリングの位置、福島原発と自
分との距離などを知るとよい。放射能は、一般には風下に薄ま
りながら広がっていく。
2)天気予報を見る。天気と同時に風向きや風速を知るように
しよう。海の方へ向って吹いていれば、放射能は飛んでこない
と考えてよい。一日中同じ風向きという状態はないが、主たる
風向きを知ることは大切だ。風速を知るのは、福島原発で再び
火災が起きたり、爆発が起きたりした時に、どれくらいの時間
で到達するかを知ることができる。
3)雨に当たることを極力避けるようにしたい。雨が予想され
るときには、降る前に予め買い物などを済ませておくとよい。
どうしても外出する必要があるときには、フード付きの服、マ
スク、傘などで当たらないようにする。環境放射線の高い地域
では、ゴミ袋を履いて、両足をくるむようにするのもよい方法
だと思う。
4)晴れた日でも環境放射線が高い地域は、買い物など時間を
短くして、マスクやフード付きの服を着ていくとよいだろう。
5)帰宅したら外出に使用したコートやズボンを玄関の所定位
置に掛けておき、なるべく部屋に持ち込まないようにする。

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【放射線被ばくを考える】(原子力資料情報室のサイトから)

モニタリングのデータが公表されるようになった。一時、公開
が止められていたとの報道もあった。ただ、公開と同時に添付
されている被ばくの影響に関する説明は誤解を招くものだ。ま
た、報道で専門家が「直ちに人体に影響を与えるものでない」
と説明することに憤りを感じる。
そこで、放射線被ばくの考え方を整理してみた。

被ばく線量の推定には、本来ならどのような放射能がどれだけ
放出されたのかという基礎的なデータが必要だが、これが公開
されていない。そこで、今の段階では、かなり粗いものであっ
ても、各個人が自分の被ばくを推測して、判断する目安を得る
ことは有益だろう。
1)単純に被ばくを計算する
例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が
測定されたと仮定しよう。
この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、とりあえ
ず被ばく線量が出てくる。24時間では480マイクロシーベルト
となる(20×24=480)

2)内部被ばくを計算しよう
人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。この
線量を計算することは難しいが無視することはできない。初め
に書いたようにどの放射能がどれくらい出ているか分からない
からだ。ここでは大まかに2倍とする。そうすると、24時間で960
マイクロシーベルトとなる(480×2=960)

3)乳幼児や子供は放射線への感受性が高い
乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考え
られている。ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になると
の評価もある)。
乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960
×2=1920)。

4)被ばくの影響を考えよう
専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは急性障害を
与える量250ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)の
ことを意味しているようだ。あるいは、人によっては100ミリ
シーベル トの被ばくのことを意味しているように思われる。
これを基準に考えることは高い被ばくを容認することになる。
微量は被ばくでも発がんのリスクを高める。発がんのリスクは
被ばくの量に応じて高くなる。例えば、国際放射線防護委員会
は1ミリシーベル トの被ばくで、将来10,000人に1人のガン発
生が考えられるとしている。この評価には、倍くらい厳しく見
るべ きとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。

5)被ばくは極力避ける方が望ましいが、
少しの被ばくで大慌てする必要もない。
被ばくを低く抑えるには、
1)離れる、2)時間を短くする、3)身に付かない(吸入しない)ようにすることが原則。
モニターの値が高い時にはできるだけ外出を控える、
外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策 が考えられる。
屋内は屋外に比べて、被ばくは2~3倍くらい少なくなる。

モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震へ
の対応」で得ることができる。
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/index.html



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