チェルノブイリ子ども基金・事務局だより

チェルノブイリ子ども基金スタッフが綴る事務局の日々。

キーウ(キエフ)から初雪の便り

2023-11-22 17:31:40 | Weblog
子ども基金のパートナー、ウクライナのNGO「チェルノブイリの子どもたちの生存」からの連絡です。




日本から支援を受けている子どもたちの情報を送ります。

11月19日の夜中、キーウ(キエフ)の気温はマイナスに下がり始めました。

ここ、キーウへのミサイルやドローンの攻撃については、
今のところ防空システムですべて撃退されています。
私が住んでいる地区の停電は1回だけでした。
近隣の地区では数回停電がありました。
ウクライナの他の都市については、状況は悪化しています。

秋になって、空襲警報は頻繁になり、その時間も長くなりました。
このために人々の精神的な疲労が積み重なっています。

このメールを書いている今、窓の外に雪が降り始めました。
初雪です。

11月22日 2:23(現地時間)




     
*上記連絡のあった翌日、送られてきた写真です。

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ニュースレター『チェルノブイリの子どもたち』2023年10月号発行

2023-10-30 16:16:32 | Weblog
ニュースレター『チェルノブイリの子どもたち No.126』2023年10月号を発行しました。


全頁こちらからご覧いただけます。

今号には、現在販売中の「2024チェルノブイリ救援カレンダー」に登場する子どもたち、親子の夏の保養の様子、
ウクライナの学校の新学期の様子、ウクライナの病院への支援の様子などを報告しています。

p.2-4 夏の保養に参加したウクライナの子どもの感想より
保養にやって来て気持ちを落ち着かせることができました。
家に帰りたくなくなるほどでした。ここで過ごしたことを私は一生忘れることはないと思います。
このような機会をくださった日本のチェルノブイリ子ども基金と支援者の皆さんに心から感謝の言葉を贈りたいと思います。
去年、私たちの国では戦争が始まりました。
私たちの町はベラルーシ側からとても酷く砲撃されました。
破壊された建物があります。
ウクライナではとても多数の兵士や一般市民が死亡しました。
最初の日から私のパパは戦争に行きました。
今は、国の東でウクライナを守っています。
・・・この憎むべき戦争が終わり、私たちが誰も恐れないですむことをとても望んでいます!
今、僕はこの手紙を書きながら、地下室の板の上ではなく柔らかいソファーに座っていて、
爆発の煙ではなく新鮮な空気を吸って、
ミサイルの飛ぶ音ではなく仲間たちと引率者たちの明るい声を聞いています。
僕はここで平穏と休息、友だちを見つけ、ぐっすり眠ることもできました。
家に帰りたくないと思うのは初めてです。
ここは本当によいところです。
ありがとうございます!

p.9 夏の保養に参加したベラルーシの親子
ターニャ(39歳) 
疲労、めまい、心拍数の上昇、精神的ストレスなど、
甲状腺の手術後からこのような症状に日々悩まされています。
長女(13歳)は甲状腺に問題があります。
でもこれが私の人生なのだと思い、自信をもって生活を送っています。
・・・普段私たちが暮らしている地区(ゴメリ州チェチェルスク)では、
子どもたちが放射能の影響を受けないよう、食べ物などいろいろなことに気を付けて暮らしています。
日本のみなさんも、どうぞ子どもたちの健康を一番に考えて生活してください。

p.14-15 カレンダーに登場する子どもたちのその後の生活
カレンダーの写真の子どもたちは、保養施設にいる間は安全で友だちや先生たちに囲まれて笑顔で過ごしています。
しかしウクライナではまだ戦争が続いていて、日々不安は消えません。
保養に参加した子どもたちが通っているナロジチの学校と、オヴルチの子どもアカデミーの新学期の様子が伝えられてきました 
(新学期は9月に始まります)。
「・・・今年の新学期、子どもたちは学校にやってきました。
それはよいことなのですが、やはり今も続く昼間の空襲は学校生活にとって最も不便なことです。
学校では390人の生徒が学んでいますが、全員を一度に避難させることは困難です。
まず初めに年少クラスの子どもたちを地下へ避難させ、その後で年長クラスの子どもたちを避難させます。
全員が地下に避難するにはかなり時間がかかります。・・・」


     
毎回、子ども基金のニュースレター発行には、
校正、発送作業に多くのボランティアのみなさんのご協力をいただいています。

10月26日~27日、東京ボランティア市民活動センターで行われた発送作業には、
11人のボランティアの方にご参加をいただきました。
ご協力いただいたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

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夏の保養に参加したナロジチ、オヴルチの子どもたちの今は…

2023-10-06 17:49:15 | Weblog
この夏、カルパチアでの保養に参加したナロジチ、オヴルチの子どもたちはどうしているでしょうか。
保養に参加した子どもたちが通っているナロジチの学校と、オヴルチの子ども芸術アカデミーの新学期の様子が伝えられてきました。
(新学期は9月に始まります。)

【ナロジチ・リツェイ】 
昨年の新学期は遠隔授業でしたが、
今年の新学期には子どもたちは学校にやってきました。
それはよいことなのですが、今も続く日中の空襲警報は学校生活にとって最も不便なことです。
学校では390人の生徒が学んでいますが、
一度に全員を避難させることはできません。
初めに年少クラスの子どもたちを地下へ避難させ、その後で年長クラスの子どもたちを避難させます。
全員が避難するにはかなり時間がかかります。


授業の様子。

「先生の日」に行われたコンサート。この中の何人かも保養に参加していました。

【オヴルチ子ども芸術アカデミー】
9月15日から新学期が始まりました。
子どもたちはそれぞれの教室に通ってきています。
しかし空襲警報が鳴ると子どもたちは地下の部屋に避難をしなければなりません。
これは私たちの学校だけでなく、オヴルチとナロジチの学校ではみな同じようにしています。

普段授業が行われている様子。木工細工の教室。

ステンドガラスの教室。

警報が鳴って地下室へ避難する様子。

地下の体育館で授業を行っている様子。卓球台がテーブルになっている。

警報が解かれ、地下室から出てきたところ。



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2024チェルノブイリ38周年救援カレンダー お申込み受付開始

2023-10-02 10:00:35 | Weblog
「2024チェルノブイリ38周年救援カレンダー」完成しました。


「チェルノブイリ子ども基金」は1996年から毎年、
ウクライナとベラルーシのチェルノブイリ事故被災地の病気の子どもたちのための保養プロジェクトを行っています。
一定期間であっても、汚染の少ない地域で安全な食べ物を食べ、
さまざまなストレスから解放されて過ごす保養は、子どもの健康維持や回復に有益であると評価されています。
 
私たちが長年支援してきたチェルノブイリ事故被災地に暮らす子どもたちや今も被害に苦しむ人々は、
今、戦禍による二重三重の苦しみを負いながらも懸命に生きています。
このカレンダーは、私たちの支援する現地での保養に参加した子どもたちの写真で構成されています。
子どもたちに平和な日常と本当の笑顔が一日も早く戻るよう願いを込めて作りました。

カレンダー表紙の写真:
ウクライナ・ジトーミル州の放射能汚染地域から、さまざまな病気を抱えた子どもたちが西部カルパチア山中の施設を訪れ、2年ぶりの保養を行いました。2023年7月

見開きページ
          

◆定価900円 送料:9部まで200円 (10部以上:1部800円/送料無料)
◆お申し込み方法:E-mail、 Fax、または郵送でお申し込みください。
◆お支払方法:お届けするカレンダーに同封の郵便振替用紙でお振り込みください。
◆カラー、サイズ:縦30 cm×21 cm(見開きA4サイズ)
◆写真提供:ウクライナ「チェルノブイリの子どもたちの生存」、ベラルーシ「子ども健康回復センター 希望」 ◆デザイン:川島進デザイン室  ◆発行・制作:チェルノブイリ子ども基金

★カレンダーの収益は、チェルノブイリと福島の原発事故により被災した子どもたちの救援金にあてられます。
2023年版の収益は61万円でした。

【お申し込み先】チェルノブイリ子ども基金
●E-mail cherno1986@jcom.zaq.ne.jp
●FAX 03-6767-8808
●住所 〒177-0041 東京都練馬区石神井町3-16-15-408

★チラシ宣伝にご協力いただける方はご連絡ください。
チラシ画像  



カレンダーの詳細は子ども基金HPからもご覧いただけます。

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ウクライナ 甲状腺手術後の人たちへの支援

2023-09-22 17:28:23 | Weblog
子ども基金のパートナーであるスウェーデンのNGO「star of hope」が、
先週、ウクライナのキエフ(キーウ)を訪れ、
甲状腺手術後の人たち(子どもの頃に手術を受けた)に支援金を渡しました。

「star of hope」は、私たち子ども基金と同じように、
チェルノブイリ事故後、ウクライナとベラルーシの甲状腺手術後の子どもたちの支援を開始しました。
そして現在、30代後半~40代の年齢になっている彼ら、彼女らと、その子どもたちの支援を続けています。

昨年、子ども基金と長年交流をしているウクライナの女性を通して、この団体と知り合いました。
そして、この団体を通してウクライナの家族たちに子ども基金から支援金を送りました。
子ども基金ニュースNo.122(2022年6月発行)で報告していますので、
こちらをご覧ください。

今回も二団体が協力をして、44家族に支援金が渡されました。

ウクライナ支援担当者、ジャマルさんから報告が届きました。
ジャマルさんは長年支援を続けているかつての「チェルノブイリの子どもたち」を「友人たち」と呼んでいます。
ウクライナからポーランドへ避難している「友人」にも会い、
そこからスウェーデンへ帰国しました。

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私には人々がこの戦争で疲弊しているように見えます。
彼らは近い将来平和が訪れるとは思っていません。
友人たちといろいろな話をする中でわかったのは、
残念ながら、希望と楽観は幻滅と悲観に変わってしまったということです。
今でもたくさんの人が国を出ていきます。
その多くは女性と子どもたちです。

往路のウクライナ行きのバスの乗客は10名ほどでしたが、
復路のポーランド行きのバスは満員でした(男性5名、ほかは全員女性と子どもたち)。
今、若者は軍隊に入隊させられることを恐れています。
この状況を彼らの親も心配しています。
私にはその気持ちが良く分かります。
どんな人も今まで慣れ親しんだ普通の生活を送りたいと思うでしょう。
また、戦争前に比べると通りには人が少なくなりました。
友人たちは健康状態や経済的な心配をしています。
今回の私たち両団体からの支援は、少なからず彼らに力と希望を与えたでしょう。

支援金を受け取った家族




支援金により購入した薬


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支援金を受け取った家族からの手紙など、
詳しくは子ども基金ニュースレター(10月末発行予定)で報告します。



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