原作はジョン・グリーンの書いた全米No1のベストセラー小説。16才で亡くなった
友人をモデルに書いた小説だそうです。
主人公は不治の病にかかった十代の男女。
主人公の一人、ヘイゼルは甲状腺が肺に転移した末期がんで、薬でなんとか抑えているけど学校にも行けず友達もいない、酸素ボンベが手放せない女の子。
ある日、親の勧めでヘイゼルはガン患者の集会にでる。
そこで出会ったのが片足を切断して骨肉腫を克服したガスという名の男の子。
ガスはひと目でヘイゼルに惚れ込み、彼女のために彼女が大好きな作家にメールを
送り返事を貰う。
それをキッカケに2人は仲良くなり、その作家の招きで彼女が知りたがっている作家の小説の"その後"を教えて貰うため、オランダに行くことに…
誰よりも好きなのに、ただの友達として旅する2人。
2人を待っていたのは、作家の予想もしなかった言葉でした。
作家は娘の白血病の死を受け入れられず、酒におぼれているクソ親父で、命がけで訪れた2人に“重い病気だからって同情などしない…小説の続きは続編でお前らに教えられるか…”と冷たい返事。
作家の暴言に傷つき怒った2人は失意の中で帰国することになりますが、最後の夜に2人は恋人として結ばれます。
作家の言い訳に使った“無限”が、小さいけれど2人の間に“愛”というカタチで
芽生えたのです。
そして最終日、ガスはヘイゼルに重大な事実を打ち明けます。“ボクは癌が再発してまもなく死んでしまうと…”
以前にヘイゼルは自分を爆弾だといい、いつ爆発して周りを破滅させるか分からないから、あなたを傷つけたくないから…と友達のままでいようとガスの愛を拒否しました。それでもガスは“生きていれば傷つくこともあるけど、その相手は選べる…僕はヘイゼルに傷つけられるのなら本望だ”と言いました。
人は忘れたふりをしているけど、誰もが限られた時間の中で生きているもの。
ヘイゼルとガスは2人を待つ意外な運命の元、“愛”という無限を手に入れます。
それは多くの人に生きる気力を与えてくれるものでした。
ラストは、ガスが無くなる直前に自分の思いをあの作家に頼んで手紙に書いてもらい、自分の葬式に参列したときにヘイゼルに渡してほしいと頼んでいました。
それは“限られた日々の中に愛という永遠(小さな無限)を与えてくれてありがとう”というヘイゼルへの感謝のメッセージでした。
ガスは無二の友人とヘイゼルに頼んで自分の生前葬をして、8日後に亡くなります。2人は“0と1の間の愛という名の小さな無限”を手に入れたのです…
アムステルダムの観光映像がさっぱり邪魔じゃなく描かれていました。“アンネの日記”のミュージアムでの観光が良い意味で2人の愛を盛り立てていました。
主役の2人は、ヘイゼルをシャイリーン・ウッドリーが、ガスをアンセル・エルゴートが、明るく清らかに演じていました。
シャイリーン・ウッドリーはこれからが楽しみな女優でした。
共演者ではローラ・ダーンとウィレム・デフォーの個性派俳優が味のある演技をしていました。
監督のジョシュ・ブーンは、がんと闘うという本来なら暗い重苦しい話を、明るい若者の恋の物語として描いているのが、さわやかでいい演出でした。
また空気パイプを鼻にさしながら上半身だけでするベットシーンはとてもキレイでした。
またガスの友人が恋人に裏切られて、その腹いせに3人で女の家に卵をぶつけるシーンは爽快でした。何か具体的な腹いせって必要化も…あまり迷惑のかからない範囲で…
とにかく涙などないうらやましい若者のリアルな恋物語でした。
威哥王
巨人倍増