チェリビダッケの小箱

音の出るパンケーキ

Shostakovich:Sym No.1、9&Barber:Adagio

2008-01-16 22:53:48 | EMI
・Shostakovich:Symphony No.1 in F minor, op.10
Munich Phil/1994.06.02-03
・Shostakovich:Symphony No.9 in Eb major, op.70
Munich Phil/1990.02.09
・Barber:Adagio for Strings, op.11
Munich Phil/1992.01.19-20

レーベル:EMI(7243 5 57855 2)

演奏評価
・Shostakovich:Symphony No.1
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
・Shostakovich:Symphony No.9
☆☆☆☆☆☆☆
・Barber
☆☆☆☆☆☆☆☆

録音評価
・Shostakovich
☆☆☆☆☆☆☆☆
・Barbe
☆☆☆☆☆☆☆


チェリビダッケのショスタコはディスクが少ないのですが、ドイツで5番や7番を
初演したのはチェリビダッケだったりします。
若い頃は現代曲等も含め色々やってたりするんですが、晩年は自らの音楽を成就させるためかレパートリーが少なくなっています。


このディスクはミュンヘンフィルとの1番、9番。


まず1番ですが、これは名演だと思います。
いわゆるショスタコっぽい演奏ではなく、完全にチェリビダッケの世界。

一、二楽章はやや遅いテンポながら実に軽妙洒脱で、一音一音にいたるまでディーテイルが聴いて取れます。
三楽章もチェリの美学が堪能できる演奏ですし、四楽章の迫力にも事欠きません。
ただ、ニ楽章ではシンバルが「?」なのが玉に瑕。


九番は逆にチェリらしさしさがあまり感じられない演奏です。
所々唸らされる箇所もありますが、管楽器の精度もいまひとつですし、
全体としてもやや精彩を欠きますね。

ちなみにこれはMETEOR盤と同じ演奏です。



バーバーのアダージョはとにかく美しい。
テンポ自体は意外にも標準的といっていいと思いますが、バーンスタインのように感傷的になったりルバートをかけたりすることはなく、ひたすら純音楽的に演奏しています。
ただ次々と自然と湧き出てくるかのように生成されていく音楽、そこに神への祈りにも似た晩年のチェリ独特の世界が現れてきているのではないでしょうか。

ただ、もう少し響きの豊かな録音で聴けたなら、と思います。

ショスタコでは特に気になりませんが、バーバーみたいな曲はMETEORあたりで聴きたいものです。

VIBRATOで出ていますが、どうなんでしょうね?


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