午前中は、気持ちいいくらいの大降りだったが、昼からすっかり晴れて日が射してきた。
3時過ぎ三輪町までぶらぶら歩い行く。
住宅地の中にある公園に近づいてくると、向こうから大きな片目が塞がった猫がくる。
連れている犬を見ると、横の茂みに入ろうかなと迷っていたが、こっちが腰を下ろして見ていると、すっと近寄って来て目の前で横になった。
(ソニー α100 + シグマ 170-500mm F5-6.3 APO DG)
ああ、3年前の5月末頃からこの先の公園に2匹いたうちの1匹だ。
毛並みもよく丸々と太っているので、生活状態はいいいらしい。
1匹は直に姿を見なくなったが、この猫はここで元気に暮らしていたんだ。
もう3年になるんだね。
(ソニー α100 + シグマ 170-500mm F5-6.3 APO DG)
写真を撮っていると、すぐ前の家から奥さんが出てきて腰を下ろして話をする。
3年前、この猫を抱いたり車に乗せたりしていたおじさんの話をすると、その人は飼い主だったそうだ。
引っ越して猫を置いて行くハメになったようで、連れて行けない事情があったのだろう。
あ、そうか、それで事情を知らない他人には、度を超した猫好きおじさんに見えてしまったわけだ。
公園で餌をやったり抱いたりしていたら、近所の奥さんから、餌をやらないで下さい、と言われて、それからぷっつり来なくなったという。
悲しい話だ。
これは聞いた話で、100%本当かどうかはわからない。
イタリアでは誕生日やクリスマスのプレゼントに子猫を送る習慣があるという。
しかし少し大きくなると公園に捨てられる。
捨てられた猫はショックで食べなくなり衰弱して死んでしまうのが多いそうだ。
この2匹の猫たちも、大きくなってから住む家を失ってどんな気持ちだったのだろう。
ここに住んでいる人たちは猫に寛容で、太った野良猫が数匹庭や濡れ縁で昼寝しているのをよく見かける。
猫は奥さんの家の車の上にとび乗って顔を洗っている。
(気だてがいいから、みんなに可愛がられていますよ。)