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アンリが処分を受けなかった理由

2010-01-20 17:07:11 | 2010年ワールドカップ
北アイルランドファンの怒りを買い、フランスのワールドカップを出場を決定させたことは別として、アンリの“あのハンド”によって2つの疑問が浮上した。

1) ロジャー・フェデラーはGilletteのジンクスを心配しているか?

2) アンリはあのハンドによる処分を心配しているか?

1)番は本人に聞いてみる必要あるが、2番は18日、FIFAがアンリはお咎めなしと発表し解消された。

なぜ、FIFAはアンリを罰しなかったか?まず、最初にアメリカのプロスポーツ界ではこういった問題がどのように扱われている見てみよう。NFL、NBA、NHL、MLBでは明確なガイドラインが記されておらず委員会の裁量に委ねられているところが多い。

いくつかの例を挙げると

・2009年、メジャーリーグでビーンボールによる乱闘騒ぎでRick PorcelloがKevin Youkilisを殴り、5試合出場停止。

・2007年、NHLでChris SimonがJarko Ruutuの足を踏みつけ30試合出場停止。

・2007年、プロ野球アトランティックリーグでJose Offermanが他の選手をバットで殴り、無期停止。その後、審判を殴りドミニカ共和国ウインターリーグから一生出場停止処分。

・2006年、NFLでAlbert Haynesworthがヘルメットが脱げた選手の頭を踏みつけ5試合出場停止。

・2003年、サミーソーサが改造したバットを使用し8試合出場停止。

・2004年、NBAでRon Artestが観客スタンドへ突入しファンと乱闘し、シーズンの残り(73試合と13のプレイオフ)試合出場停止。

・2002年、NFLでJoe Hornがタッチダウンのゾーンで携帯電話を使用し罰金3万ドル。

・2002年、NFLでRodney HarrisonがJerry Riceをヘルメットで殴り1試合出場停止。

・2000年のワールドシリーズでRoger Clemensが折れたバットをMike Piazzaに向けて投げつけ5万ドル罰金。

・1996年、MLBでRoberto Alomarが審判に唾を吐き5試合出場停止。

・1973年、NBAでKermit WashingtonがRudy Tomjanovichの顔面にパンチ、26試合出場停止。

FIFAはいかにアンリのハンド問題を取り扱うべきか?重大な不正行為か?この“ずる”はバット改造と同じようなものか?それとも、たいした問題ではないのか?ピッチ上で裁かれるファール問題か?

FIFAの達した結論は、何もしない。試合中にハンドしたぐらいで出場停止処分にするのは大げさだとうのが多くの見方のようである。大半が、確かにあれがハンドだしゴールとされるべきではなかった、確かにアンリはイエロー(レッド)カードを受けるべきだった、確かに北アイルランドにとって不公平だ、だが、批難はアンリではなく審判に対して行われるべきで、アンリが処分を受けるべきではない、と感じている。

だがである。FIFAが定める懲戒のルールを見てみるとアンリの出場停止処分はあってもおかしくない。上記で述べたアメリカプロスポーツの裁量と違い、FIFAでは重大な不正行為に関して罰則のガイドラインが明確に記されている。特に、暴行(エルボ、パンチ、蹴りなど)では最低2試合出場停止、唾の吐きかけでは最低6試合出場停止、故意のハンドによって相手チームのゴール(またはゴールチャンス)を妨害した場合は1試合出場停止。しかし、自チームのゴールのための故意のハンドはスポーツマンシップに反する“重大な不正行為”の中に含まれていないのである。故にFIFAはアンリを処分できない。

このガイドラインを見地から、ハンドで相手ゴール妨害と、ハンドで自チームがゴールするのと違いはあるのだろうか?唾吐きかけで最低6試合出場停止、パンチを食らわせ最低2試合の出場停止。6-2=4試合の差は正当か?何とも言いがたいが、プロスポーツリーグの委員会と違い、FIFA懲戒委員会はこの問題に関して審判することができない。

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