夏がそこまで

ケープタウン、もう11月だというのに今週は最後(と願う)の寒冷前線に見舞われ雨ばかりでなおしたヒーターをまた引っ張り出した。やっと今日、晴天でたまった洗濯物を洗った。洗濯は結構めんどくさい。緑豊かな丘の上に住んでいたら洗濯物を紐に洗濯はさみでたくさんつけるのも気持ちがいいだろうし、毎週でも洗濯する気になるが、アパートに住んでると、とっとと終わらせたい雑用である。コインランドリに行くのは嫌いではないし、結構、有意義に過ごせるのだが、結構高くなったので今冬は一回使用しただけだ。

敷地内にある洗濯物を干す線を皆とシェアする。先に干している人がいて、最近越してきたのか見かけない顔だった。一緒に干しながら、僕は「乾燥機があればなー。」ともらすと、「乾燥機もいいけど、先に洗濯機がほしいわ。」という彼女が干す洗濯物からは水が滴り落ちていた。必要以上のものは持たない、買わない、シンプルかつ効果的を目指すが、手洗いは僕には絶対できない。面倒くさすぎる。彼女もめんどうなので限界までためるといっていた。自分が「下着は洗うが、T-シャツは汗臭くなるまで何度か着る。」というと、彼女は笑いながら「私も」と。

なぜ面倒かというと、洗濯機を使うたびに台所の蛇口しか利用できないため、いちいちホースを取り付けなければいけないし、洗濯中は料理できない。彼女の名前を聞くと、「あなたには発音できないわ。」というので「試させてくれ。」というと名は「Xoli」だと、言ってみせると自分の発音に感心していた。彼女はイーストロンドン出身(ケープタウンから見るとダーバンの手前)出身で、あの辺だと、クリスと同じストゥ文化になるのだろうかよくわからないが、彼らの言葉のXの発音は舌打ちする。ケープタウンに来て11年になるといっていた。

まあ、太陽燦燦と浴びて乾いた服を着るのは太陽のにおいがして気持ちがいいものではある。洗濯機は元同僚からが使ってないからと安く譲ってもらった。くそ重い洗濯機を無理やり車に押し込んで何とか持ち帰ったが、洗濯機の中に一枚だけ真っ赤なパンティが残っていた。ちょっと考えたが、この洗濯機はずっと使っていないはずなので同じく元同僚で洗濯機運搬を手伝ってくれた女性に処分してもらった。彼女は笑いこけていた。

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