The Cove - ザ・コーブ

先週金曜日にThe Coveが公開された。ドキュメンタリーは好きだし、ラジオでも前評判が高く、それに日本のどこかの漁村の話ということもあり見に行った。いつも、ドキュメンタリーを見るときはなるべく感情に流されず、それぞれの見地を理解しようとつとめるし、鵜呑みしすぎないよう冷静に見るようにしている。話の内容は知っている方もいると思いますが(願わくばみんな知っている)、ある漁村でのイルカ漁の話である。

あのイルカ漁が金になるだろうことは想像がつく。漁師にとって、その村にとって何でも大漁はうれしいことである。イルカを獲り売りさばき、食べるのがなぜ悪くて、豚を食べるのがなぜいいのか？知性がある動物、自意識を持っているように見える動物は守られるべきなのか？数が減っているから守るべきなのか？かわいい動物は守られるべきなのか？豚の知性は高いのではないのか？なぜ、蚊やハエに対して同じような感情をもてないのか？なるべく苦しまずに殺せばいいのか？

これらの質問に自分はなかなか答えられない。どこかで線を引かなければやっていけないのなら、知性、自意識のある動物、数が減っている動物、人間に親しまれている動物から保護していき、殺さなくてはいけないないら最も苦しまない方法で殺すという(屁)理論に行き付くしかないのかもしれない。動物学など知るわけもないけど、豚は知能が高いと聞いたことがある。イルカと比べてどうなのかはわからないけど、豚を食べて、イルカは非人道的といる見方の理論を見つけたいのに見つけられない。

それでも、あのドキュメンタリーを見せられると、憤りを感じずにいられなかった。イルカの鳴き声、殺され方、血の海、地元の人々のあざけり、公務員のずうずうしさには吐き気をもよおした。イルカに同情すると同時に、地元の人々の偏狭さ、公務員、政治家の立場に同情もする。とても、人道的には見えない。動物は食べ物で、蓄殺に人道も非人道もない、そんな観念すら持ってない人々も多くいるだろう。

自分も日本にいるときは全くそういった倫理、自然、宗教観念にさらされはしても真剣に考えることはしなかったし、あまり気にしなかった。どうでもよかったわけでは決してない、でも全くそんな環境にいなかったし、刺激を与えられる経験もしなかったので考えもしなかった。本で読んでも人事にしか感じなかったし、友人間でもそんなことは語りある話題ではなかった。

幸運にもこの精神的、倫理的に成熟し、進化する世界に住んでいる以上、類人猿のような生き方はしたくないし、哲学的質問にたまには考えこんでみたいし、精神的幸福も追求していきたい。イルカ漁の善悪は絶対的にわからない。あの映画をみると日本への偏見を軽率に持つ人も多くいるだろうし、漁村に怒りを感じる人もいるだろうし、漁村が凄まじい批難を受け村人が苦しむかもしれない。ちょっとセンチメンタルすぎと感じる場面もあるし、漁村がまるで北朝鮮のごとく描かれている感がなくもないし、その辺はちょっとうんざりするが、それでも、あの映画は表にでるべきで多くの人にみられるべきだと感じる。
日本はシャイなところがあるのか、西欧に比べると何かに反対し立ち上がり大きな運動に広がるというのが少ないような気がする。正直、焦点となっているタイジという名の漁村、聞いたこともないし、どこにあるのかもわからない。鯨漁で日本があんなにバッシングされていることは日本を離れるまで知らなかった。

自分が無知だったのか、くだらないテレビ番組、漫画(いい漫画はある)に時間を費やしすぎたのか、女の子のことばかり考えていたのか、メディアが話題を避けていたのかわからない。たぶん全部だろう。。おそらく大多数の人が似たようなものだろうし、The Coveを見ると感情的にならざるをえないと思うし、そう信じたい。

ちょっとグーグルしてみただけなのではっきりわからないのですが、この映画は放映されたのでしょうか？映画祭などでは放映されたようですが、全国的に放映されたのでしょうか？反響はどうなのでしょうか？メディアでの取り上げ方などどんなでしょうか？ドキュメンタリーのチームは許可なく撮影したと悪者扱いされているのでしょうか？どなたか冷静な意見、事柄を知っている方教えてください。

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