あるCM撮影

昨日ある国の軍のCM撮影だった。以前にも述べたが南アフリカは映画、CM撮影のロケ地としてかなり知られている。内容は予算がもっと必要だというものだが、軍がテレビでそういったCMを行うのは驚いたがさすが進歩的、前進的な国だけあるなと感心した。今までも結構CMの仕事はしてきたが、アーミーの服に身を包んだのは初めて。空軍、海軍、陸軍と違うバージョンがあり、僕らは猛烈な山火事と戦う兵士だった。かなりのガス噴出ぶりで火は凄まじく昇り、50メートル離れていても暖かかった。カメラマンはKulula.comで一緒に仕事をしたマイケルだった。ダイレクターは、その国から。

ダンとカースティンと自分がメインで後、20人ほどエキストラ。この仕事の魅力的なところは、フィルム業界はどの国も同じだが、非常にてきぱきしている。普段見るケープタウンののんびりさはまったく感じられない。上下関係がしっかりして、指令がきれいに行き渡り、かつ、皆フレンドリーでギクシャクしたピリピリ感はない。また、1日、2日だけでも一緒に皆と仕事をして何かを作りあげ小さな一役を担う喜び、そして魅力的な人に会える。

カースティンはプロの役者でオーストリア生まれ、イギリス、オーストラリアと移り住み、南アフリカに落ち着いている。両親オーストリア人なのでドイツ語も当然話せる。英語は全くどこの国かわからないミックスした訛りである。とても、2人息子がいるとは思えない。いい母親と感じる。唯一の女性兵士だった。

ダンはイギリス人。数々の映画にスタントマン、役者として出演している。プロ中のプロである。5年間イギリス軍に努め、その後旅し、オーストラリアでスタントマンとして経験を積み、南アフリカに数年前に移り住み、今ではスタントマンのコーディネート、銃、スタントのトレーニング、軍アドバイザーなどを行う。スカイダイビング、スキューバダイビング、マウンテンバイク、刀、スノーボード、なんでもプロ級。南アフリカには世界クラスのスタントマンは20ほどしかいないらしい。当然彼はその中でもトップクラスだし、ネットワークもある。

ブラックダイアモンド(南アフリカ撮影)でも、スタントのコーディネートを手がけ、レオナルド・ディカプリオのダブルとしてスタントをしたとのこと。また、ブラット・ピット主演のトロイでもメキシコで毎日、スタントマンとして6ヶ月刀で戦い続けかなり疲れたといっていた。2度激しい嵐に襲われ、あのトロイが破壊されたらしく、その間休憩できてよかったと。20代の時からバックパックで旅をし、今も仕事がら海外に行くことが多いダンの逸話は面白くスリルがあり、かつ気さくでフレンドリー。クールな奴だなと思うのである。昨年、まとまった金が入ったのでそれで今年ロサンジェルスに乗り込み、Swatチームの訓練を受けたり、また、履歴書を見るとみな驚くようで、ロスに無数にあるエージェンシーのうちトップ10に入るエージェンシーと契約するなど、かなりいいネットワークを築いたようである。

ダンのウェブサイトhttp://www.danhirst.net/

以上に厳しく、軍のユニフォームの写真撮影絶対禁止といわれていたので国の名前も伏せておきますが、どうせ2、3ヶ月中に誰かがyoutubeに載せるだろうし、その時リンクを貼り付けます。


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