カフェウィステリアのワイドショー的アメリカ事

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選挙とヒラリー・クリントン

2005年08月14日 | ワイドショー的アメリカごと
9.11が近づくにつれ日本では衆院選が過熱していくが、アメリカではニューヨークの記事が増えていく。貿易センタービル倒壊直前までの消防士たちの無線通信が新たに公開され、あの日の緊迫が再びよみがえってきた。

そのニューヨークの上院議員選挙が来年の2006年に行われる。民主党のヒラリー・クリントン上院議員の人気は不動のようだが、対抗馬としてニューヨーク市の隣のウィチェスター地方検事で、共和党のジェニー・ピローが名乗りをあげている。
「ヒラリーは、2008年の大統領選に打って出る気よ。ニューヨークは彼女にとってホワイトハウスへのドアマットにすぎないわ。」

ジェニーの夫、アルバートは脱税の容疑で29ヶ月間刑期のうち17ヶ月の服役を終えたところだ。模範囚で麻薬とアル中治療のプログラムも終了したので釈放されたというが、ジェニーは「立候補は私自身ひとりの問題よ」と30年の検事のキャリアをバックにへこたれない。もちろん二人の息子とともに夫にも選挙運動の協力はしてもらう予定だという。

一方、共和党からもうひとり大物が立候補を思案中という。ニクソン元大統領の女婿のエドワード・コックス弁護士(58)である。彼は政治の世界は新人ということだが、かつてホワイトハウスで結婚式を挙げたという毛並みの良さは抜群で、キャンペーンアドバイザーにもキッシンジャーなどの大物の名前が並んだ。「ヒラリーは本当にニューヨークのために働いているのか疑問だな。私は生粋のニューヨーカーなんだ。」

しかし、東部海岸の典型としてニューヨーク州は民主党の牙城である。少数派の共和党としては候補者の一本化は避けられない。ヒラリー人気は高く、ジェニー・ピローも「討ち死にの覚悟」はあるといっている。

当のヒラリー本人は2008年大統領選出馬については慎重に言葉を慎んでいる。夫のクリントン元大統領もインタビューで、「妻は2008年大統領選のことは考えていないと思う。今はニューヨーク上院議員再選に集中すべきときだ」と語っている。

とはいえ、2004年の大統領選にも呼び声が高かったが、上院議員としてのキャリアを優先させてきたヒラリー、その政治家としての実績と人気を引っさげて2008年の大統領選には満を持して出てくるだろう。そのためにも、ニューヨーク州の上院議員再選はきっちり果たさなければならない。1州の上院議員として信頼されない者が全米の信頼を勝ち得るはずはないのであるから。そういうステップがよくわかっている人なのである。

名前が売れているからといって人気票を当てにしてか、大臣の席に目がくらんでか、選挙区をころころ変えるようでは、有権者の信頼は得られませんよね。同じ1票でも入れている人にはそれぞれの違った名前と違った考え方があります。誰に政治家としての実績をじっくり見て評価してもらいたいのか、それがなければ政治家としてのプロフェッショナリズムは成立しません。

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