音のかほり~ロック喫茶「せるてぃぶ」~

マスターと客の知ったかぶりで身勝手な音楽会話

BRUCE ROBERTS

2008-03-20 18:11:26 | AOR
BRUCE ROBERTS
BRUCE ROBERTS
1977

 客  「あるところにあるのが、お金なんですねー。」
マスター「何の事?」
 客  「先日、アメリカのオークションで、運慶作といわれる{木造大日如来坐像}が、約15億円で日本人に落札されたんですよ。」
マスター「あぁ。国宝指定してもいい位の素晴らしい美術品なんでしょ。」
 客  「海外流出されなくて良かったですね。大日如来さんも日本に帰りたかったと思います。」
マスター「今のところ、一般公開はないみたいだけど、いつの日か、美術館ではなくて、寺で逢いたいな。」
 客  「そうですよね。仏像さんには寺に住んでもらいたいです。そういえば、この仏像って、ムーミン谷に出てくる女の子ミィーの髪型に似てませんか?」
マスター「そうなの?ムーミンって、よく知らないんだ。」
 客  「ブルース・ロバーツでしたっけ?」
マスター「そう。第2のバート・バカラックっていわれてる人だよね。メロディメーカーの才能が溢れてる人さ。」
 客  「このアルバムには、キャロル・ベイヤー・セイガーとの共作が多いですね。だから、第2のバート・バカラックなんですかね?離婚もしたし。」
マスター「そういうのをゲスの勘ぐりと言う。プロデューサーがトム・ダウドなんだね。プロデュース次第で、ひとつの曲が名作にも駄作にもなるんだけど、このアルバムには素晴らしい曲が揃っているよね。決してAORの名盤だとは思わないけど。」
 客  「1曲目のI DON'T BREAK EASILYはピアノの音色が美しいバラードですね。静かに、優しく、ほんの少しの哀愁を残しながら。」
マスター「3曲目のI DON'T WANNA GOの、あまり聴こえないエレピの音が大好きなんだ。この曲聴いてると、決して暑くない夏の海を思い出すんだ。」
 客  「4曲目のI'D RATHER BE ALONEはピアノの音色とメロディが哀しく聴こえる曲ですね。ブルースの透き通った声が、あまりに切ないです。」
マスター「5曲目のSTARMAKERはキャロルとの共作なんだけど、なんで対訳が付いてないの?キャロルの作詞家としての才能が解らないじゃん。想像しろって事かぁ?」
 客  「優しく落ち着いたメロディですよね。ギターソロが素晴らしいフレーズを弾いているんですけど、誰なんでしょう?」
マスター「6曲目はビートルズのTHIS BOYなんだよね。オリジナルとは、随分メロディを崩して歌っているので、ぼんやり聴いていると違う曲の様だね。」
 客  「そうですねー。違う曲に聴こえますねー。ここまでメロディを崩す必要があるんでしょうか?」
マスター「ま。カバーするアーティスト側の思い入れとか閃きとかあるんだろうけど、ブルースもビートルズを愛してる事は、間違いないと思うよ。」
 客  「9曲目のSTEAL AWAY AGAINは美しい曲ですね。とても綺麗なストリングスアレンジが好きです。」
マスター「10曲目のI'M COMIN' HOME AGAINもストリングスアレンジが美しい曲だね。」
 客  「メロディもボーカルも透明感があって、とても純粋な感じがします。」
マスター「どの曲にしても、キメているのは、ストリングスアレンジみたいだな。」



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