ブナムシ日記

山形は上山を拠点にロックフィッシュ、トラウトを求めて釣り歩き。そしていつも北海道へ思いを馳せるブナムシのブログ。

Beauty or Power

2012-01-12 22:09:07 | ちょっと一服

帰路、東には蔵王から昇るまん丸な月。 夏の知床で見た斜里岳に浮かぶ月を思い出す。

しばらく釣りをしていない。 休みはすべてスキーに費やしているから仕方ないのだけれども。 毎年、春までは実質的にoff。 

ボクにとって釣りはbeautyかpowerかに分けられる。 トラウトはまさにbeauty。 シーバスやロックフィッシュ、バスなんかは完璧にpower。 魚とのガチンコ勝負を楽しむpowerの釣りも好きだけれど、やっぱり個人的にはbeautyジャンルのトラウトが大好きだ。

北海道でホットな海アメ・海サクラ。

島牧では今まさに接岸したてと言えそうな30前後のサイズがボッコボコらしい。 釣ってみては確かにサクラマスだが、50upからがサクラの醍醐味を堪能できるところ。

厳寒期に近づく支笏湖で人生初のサクラマスはヒットした。 支笏湖特有のブルーのアイラインは見ていてほれぼれだった。 

しかし、あどけない顔つきはヤマメそのもの。 海サクラに負けない板マスがあがる洞爺湖。 たくさんのワカサギが泳ぐ洞爺湖に比べ、ベイトが極端に少ない支笏湖ではこれが標準的なサイズだという。

そういえば、

海に通うようになってから地元の渓流で遊ぶことがメッキリ少なくなった。 美しいヤマメが泳ぐ渓も、サクラマスとはまったく異なる魅力にあふれている。 かつて少年のころは尺に近い良型をよくかけていた。 でも今では木っ端サイズばかりだ。 今年はもう少し、鼻曲がりのヤマメなんかを追っかけてみるのもいい。

東北の日本海でサクラを狙うアングラーはどれほどいるのだろう。 新潟の海もボクにとっては激熱な場所だけれど、北海道と同じように新潟の海には河口規制があることを知っているアングラーは果たしているのだろうか。 しかも、両岸1kmの規制というのはなかなかなものだ。

きっと日々荒れる山形の海でも接岸しているに違いない海サクラ。 釣れるまでずっとボクにとっての憧れであって、山形の海で釣れたらさらに魅了されるに違いない。 いつになるかわからないけれど、一生出会えないかもしれないけれど、山形の海でサクラに出会えることを夢見よう。


津波

2012-01-10 21:28:10 | ちょっと一服

津波。

昨年はいやというほどこの言葉を聞いた年であったように思う。 実際、海沿いに住む人々はもちろん、ボクを含め海に通うアングラーにはこの上なく恐ろしい存在だ。

3/11では東北から関東までの太平洋沿岸が大きな被害を受けた。 年末に太平洋方面へ幾度と釣りに出かけたが、釣りという行為が不謹慎と思えるくらいに未だ復興は進んでいないようにも思われた。 まあしかし、一つの村が被害を受けたというような点的な被害ではなくて広範囲に渡り線的な被害になっているのだからちょっとやそっとの期間で復興しましたと言えるような状態でないことは容易にわかる。

復興にかける思いは人それぞれ。 ボクのように、いつでも自由にどこででも釣りができていた災害前の状態にいち早く戻ってほしいという自己チューな考えも、災害前の生活をただ取り戻したい、ただそれだけというようなセツな願いも、本意はなんであれ復興を願う思いはみな変わらないだろう。

地震の被害ではなく津波の被害が甚大であったということ・・・。 ボクにはふと思い当たる節がある。

聖地、島牧。

年末からというもの、山形にいながらボクの気持ちは北海道に向いていたのかもしれない。 あめますダービーが始まった島牧の海岸は毎日、メタリックなルアーを遠投するアングラーでにぎわっていたに違いない。 ブログを拝見させていただいても、年末年始でたくさんの方々が海アメというよりかは海サクラでいい思いをしていたようだ。

素直に、うらやましすぎる。 

正直道東なんかと比べれば魚影の濃さは到底かなわないと思う。 道東のサーフではふつうに海アメがボコボコ釣れるけれど、島牧の海ではそうはいかない。 ボウズももちろんあるし、釣れても30前後のサイズという場合がかなり多い。 それでも島牧が人気なのは島牧に行ってみればわかる、そういうことだろう。

聖地として有名な島牧は、今でこそ地元で開催される大会などにはメーカーや釣具店などたくさんのスポンサーがつき北海道のフィッシングを牽引していく存在となっている。 しかし93年の北海道南西沖地震による津波によって甚大な被害を被った地でもある。 もともと水産資源を食害する害魚としてのアメマスを駆除するために始められたとされるあめますダービーは村が主導で行われる全国的に見ても珍しい大会だが、島牧を有名にする大きな要因になったことは間違いない。

災害復興に当たって、一役かったのも海アメだった。 美しい自然があふれる島牧にさらなるアクセントを持たせることになった海アメは島牧村の代名詞的な存在でもある。

全国各地で地域毎に何か明確なブランドをつくろうという機運は強い。 他の地域から勝る物を地域の象徴としてその地域の代名詞的な存在が生まれれば、地域としての魅力は高まる。

人口増加や産業の誘致だけが地域の発展ではなく、もともとその地域にあるモノから資源を見いだしていくことこそが地域発展のための一歩であるのではないか。

害魚としてのアメマスに価値を見いだして災害の復興に利用していった島牧村のように、ぜひ魅力ある地域づくりが進んでいくことに期待しよう。