BS・・もとい! VS隊長な日々

ただの保護者だったのにいつの間にやらBS隊長3年を経てとうとうVS隊長。
愚痴や独り言が満載

上班

2008-12-04 11:42:19 | VS活動レポート
スカウティングな日々
にTBしています。

私も上班について何度か書いているのだが
今回上記の記事を拝見してこれまでの上班指導を振り返る機会を得ました
ので改めて少し整理したいと思った次第。

さて、上班とよく対比あるいは列記される存在に「隊付」というものもある。
この2つの役割はどのように違うのか考えたことがあるだろうか?

多くのBS指導者、あるいはVS指導者が一口に「上班隊付」とひと括りに
しては居ないだろうか?
このあたりを含めて「上班」とは何か、をきちんと考えることなしに上班指導
も、あるいは上班の活用もありはしないのだろうと思う。


添付の写真は左が上班章、そして右が隊付章である。

じつはこの徽章の違いがこのふたつの役割を明確に区別しているのだが
お気づきだろうか?

上班章は四角い意匠に緑のバーが入いり、さらにスカウトクレストが
配置されている。
四角い意匠にグリーンバーである。 つまり班長章の豪華版、と見ることが
できる。

対して隊付章は円形の意匠に真ん中のスカウトクレスト。
この意匠は指導者章の簡略版なのである。

つまり上班はあくまでも班長と同軸上にある「スカウト」である。

ついでに書くが「Leader」と書くと日本では「指導者」の意味になって
しまうが班長はPatrol leader でありこのLeaderは班をまとめる要の意味であり
成人指導者を意味しない。 成人指導者は別にMaster であったりadvisor で
あったりする。 だからSenior Patrol Leader たる上班は指導者ではなく
「先輩スカウト」である。

隊付は徽章からもわかるとおり「指導者(補)」である。
だから上級スカウトが努める場合が多かろうが場合によっては成人が勤めても
構わないのである。
隊付はAssistant to scout master (日連ではscout leaderと表記するが違和感がある)
であるからそのまま訳せば隊長補である。
特定の分野について、あるいは技能について隊全体の支援のタメに存在する。



ここではまず私の至らなかったことを正直に告白する。

BS隊長当事に上の学年が途切れたあと中学2年の初頭で既に菊章を取得した
スカウトが2名いた。 この2名は当事班長を務めていたのだがこの2名が
継続して班長を務めるとその優秀さゆえに班員(次長を含む)が班長に依存し
リーダーシップ涵養がならない、と判断しこの2名を班からはずした。
そしてこの2名を上班=隊付として任命した。
どちらが上班、どちらが隊付、というきちんとした役割を私が認識できて
いなかったので2名で上班と隊付を受け持つという甚だ隊長として情けない
運用であった。

これまで何度か書いたが、この運用は結果として功罪相半ばした。
いや、当初は罪のほうがはるかに多かった。
この2名は帰属する班がなくなり活動参加のモチベーションが急激に下がった。
さらに隊長が上班、隊付の任をきちんと理解していなかったので我ながら
振り返るとつらいがどう言い繕っても「隊長のお手伝い」としてしか遇する
ことが出来なかった。
この年の途中でBS実に参加し「班長育成」の重要性に開眼してから最後の
3ヶ月についてはGB会議の運用をはじめ上班の扱いをまったく替えて責任と
明確な役目を与え、そしてその準備のタメに隊長=上班の事前のミーティング
も何度も持った。
その結果、期の最後でなんとか「上班のいる隊」になれたと思われる。

そして私はVS隊長に移動した。
BS隊では適任スカウトがおらず上班不在の状態となった。
VSからの派遣については、まだVS隊長の私自身がVSの隊運営、活動展開を
試行錯誤していたこともありまったく検討すら出来なかった。

そしてVS隊長1年目の最後に1名のスカウトをPJとしてカブ隊のデンシスター
として派遣することが決まりその準備でスカウトとの面談、カブ隊指導者との
打合せを繰り返した。

そしてその課程でVSスカウトを他隊に奉仕派遣する場合について深く考える
ことが出来るようになった。
単発の奉仕(お手伝い)ではない。
スカウト本人のPJとして派遣する以上、そのVSスカウトの大きな成長が
なければ意味を成さない。 その意味では派遣とは言いつつもそのVSスカウト
が自信の目標を持ってそれを実現するための活動フィールドとしてCS隊という
ステージをお借りする、というスタンスを取った。
そしてCS隊長にもデンシスターの扱い、役割を繰り返しお伝えし主体的な
活動参加になることを徹底してお願いした。
この事前の打合せはノベで10時間以上を費やした。
結果としてデンシスターの派遣はまずまず成功したのだが、ここでの私の
気付きをベースにして同じ年の秋から別の1名のスカウトを「上班」として
BS隊に派遣することにした。
この派遣もスカウト本人のPJとしての派遣である。
デンシスター派遣と同様に事前にBS隊長とも何度も打合せ、スカウト本人とも
面談を繰り返し準備を進めた。

それでもこちらは当初の2ヶ月はあまりうまく行かなかった。
上班、そしてBS隊長の双方に遠慮というか探りあいの部分がありどちらも
本音でのぶつかり合いが欠けていた。
結果として隊長から言付かった部分のみのお手伝いに終始する状態でもあった。
このスカウトから活動毎に報告を受け、自身の目標を設定すること、そして
その実現のため、そしてBSスカウトの成長のタメの提案を絶えずBS隊長に
働きかけることを指導した。
当事はこのスカウトは(実は息子なのだが)家ではVS隊長にガンガン指導を
受けそれを実行するべくBS隊長に働きかけてもあまりさせてもらえることも
多くは無く、という板ばさみ状態だったようだ。

それでも欠かさずBSリーダー会議、GB会議に参加し、働きかけを続けるうちに
BS隊長=上班の信頼関係が少しずつ構築されリーダー会議では上班の提案を
取り上げてくれるようになり、そうするうちにGB会議の多くの時間を上班に
預けてくれるようになっていった。

当然BSスカウト、特に班長たちは上班との会話が増え上班からの指導をスムーズ
に受けるようになっていった。
GWにこの上班がチーフとなりBS次長訓練のキャンプを実施したことはこの
ブログでも取り上げたがこの頃になると上班は完全にBS隊活動の要になっていた。

事実BSの夏キャンプを慰問した際にBS隊長と話した中でBS隊長が上班に全幅の
信頼をおき、自分の片腕と評されていた。
自分が隊長であるかぎり彼に上班をやっていて欲しい、というBS隊長の言は
彼(上班)にとっての勲章であろうと思う。


そして今期、上班は交代した。
昨期の上班とは同期の女子スカウトである。
どうなるか、と多少の心配もしていたのだがBS隊長(留任)を驚くほどの活動
振りをみせている。
BS隊長が昨年1年の経験を通して「上班」という存在の効用と意味を痛感され
ているので躊躇無くかなりの部分を上班に任せてくれている。

今では隊長がちょっと気になるスカウトがいるとすぐに上班に連絡をとり
事情を説明しサポートを依頼すると(多くの場合はGB対象だが)その日
か翌日のうちのそのスカウトのところに上班が連絡し指導したり相談を受けたり
している。

私が上班に一環して伝えていることは原則的に只ひとつ。

『上班の最大の役目は班長(GB)を育てること』

これだけである。

そして日々の活動の中では隊長の意図を班長が実行可能な状態にして伝える
通訳(Media)であると伝えている。
その役目を担うためにリーダー会議への参加は必須となる。
当たり前だが活動当日になんの準備もなく表れるようでは上班の資格は無い。

リーダー会議では
活動の内容、目的を理解することが第一である。
そしてそのうえで隊長の意図、隊長の自分への期待(期待する役割)を
把握し自分がなにをすべきかを理解する。
そしてその上で隊長の意図とは別に(あるいは隊長の意図の上に)
自分なりの目標設定をし、その実施のための提案や準備を隊長に働きかける
ことが必要になる。


上班がきちんと機能すると隊長は事前準備は忙しかろうが活動現場では
隊長椅子でお茶を楽しんでいることが出来るようになる。

この上班派遣はうちの団では当たり前のこととして定着させたいと考えている。

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1 コメント

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Unknown (blue_serow)
2008-12-09 12:43:41
トラックバックをさせていただきます。
馴れないもので、上手く行ったか定かではありませんが…。