森の声

 雨粒が あちらこちらに飛んで 

 街燈にも月にも光る、綺麗な夜

 

『Potsunen』

2006年02月17日 | Stage
神戸オリエンタル劇場で『Potsunen』を観た。

小林賢太郎氏が脚本・演出・美術をすべてを手がけた公演で
出演は彼のみのひとり舞台。

ご挨拶
 
コントの領域を知りたくなったのです。どこからどこまでなのだろう。
何をやらなきゃいけないのだろう、何をやってはいけないのだろう。
境界線はどこだろう。逆に中心はどこだろう…。

コント【conte】はフランス語です。
辞書の上では

「1;短編小説。特に機知に富み、風刺や捻りを利かせた作品。
 2;笑を誘う寸劇。小喜劇」だそうです。

なんともざっくばらんな説明ではありませんか。
逆手に取れば「なんでもあり」とも言えるわけです。
こうなると探究心は止まりません。
コントの0地点を探ることから始めることにします。

まずは材料。

パフォーマンスの最小単位として、体ひとつ使います。
とりあえず自分。舞台と背景はどうしましょう。

経験上コントの床には安定感が欲しいので、黒。
背景は観る人の想像を壊さないために真っ白。
お客様に対する敬意と、扱う商品が大切なものであるという姿勢として、
衣装はフォーマルにします。

コントと同じライブパフォーマンスのジャンルにマジックがあります。
マジックにはステージマジックとテーブルマジックがあります。

ならば、ステージコントに対して
"テーブルコント"があってもよさそうなものです。
こしらえました、卓上コント。後で見せます。

「NO CONTE,NO LIFE」
コントしか出来ませんが、コントには何でも出来ると信じています。
小林賢太郎ひとりコント公演「ポツネン」にようこそ。
最後までごゆっくりお楽しみください。
僕も負けないくらい楽しむつもりです。

小林賢太郎

座席に置かれたフライヤーと挨拶文に期待が膨らみ
そしてその期待以上の作品で、大興奮!

アートとして、舞台として、
これほど無駄なものがなく、
観客の想像によって無限大に世界が広げられるものは
そうはないのではないだろうか。

彼のその言葉遊びは
日本語の美しさと粋な面白さを余すところなく伝えていて
消えてゆくのが惜しい光ることばたち。

賢太郎氏のことばや姿勢はある意味、光より美しい。
逃すのが怖くて、瞬きするのさえためらってしまう。

彼の言うところのコントを、一般的な意味と同一に思うなかれ。
とにかくすばらしい。
全身鳥肌"ブラボー!"と叫んだ、アナグラムによる「ポツネン」の出現。

芸術でしかなかった舞台『Potsunen』
That is "Conte"!!

(大興奮でまとまりなし。苦笑)