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九条武子 悩みの肯定のうちに、救いの光にみちびかれる

2017年10月20日 | 思想哲学

信仰を特異の存在であるかのように思っている人たちは、

信仰の門にさえ佇めば、容易になやみの絆は断ち切れて、

みずからの欲するままに、慰安の光がかがやくかのごとく思う。

 しかしながら、信仰は一つの奇蹟ではない。

宗教はまた気やすめのための、力なき慰めでもない。

信仰は荷せられた悩みを逃避するのではなく、

悩みの肯定のうちに、救いの光にみちびかれるのである。  

九条武子 「無憂華」より