信仰を特異の存在であるかのように思っている人たちは、
信仰の門にさえ佇めば、容易になやみの絆は断ち切れて、
みずからの欲するままに、慰安の光がかがやくかのごとく思う。
しかしながら、信仰は一つの奇蹟ではない。
宗教はまた気やすめのための、力なき慰めでもない。
信仰は荷せられた悩みを逃避するのではなく、
悩みの肯定のうちに、救いの光にみちびかれるのである。
九条武子 「無憂華」より
信仰を特異の存在であるかのように思っている人たちは、
信仰の門にさえ佇めば、容易になやみの絆は断ち切れて、
みずからの欲するままに、慰安の光がかがやくかのごとく思う。
しかしながら、信仰は一つの奇蹟ではない。
宗教はまた気やすめのための、力なき慰めでもない。
信仰は荷せられた悩みを逃避するのではなく、
悩みの肯定のうちに、救いの光にみちびかれるのである。
九条武子 「無憂華」より