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ある反共中華人の話

2008-07-01 | 時流
 ある反共中華人の話
         投稿者:やまつみの声 投稿日:2008年 7月 1日(火)

中国政府首脳に縁ある有力者の息子として彼は生まれた。子供の頃に文革で父親が下放・弾圧を受ける。北京大学生時代には天安門事件に連座、国籍を変えて10余年が経つ。先日、久々に彼と話をした。主に中国関連の話だが、北朝鮮をめぐる最近の動きを考える上で参考になればと思い、ご紹介する(日本の新聞は書かないだろうから)。

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1.民主化は死んだ

天安門事件に関わった学生運動家の多くがアメリカに渡った。優秀な学生が多かったからIBMなどの大企業に就職しアメリカの市民権を得て、政治運動からは離れていった。いまだに中国の政治批判しているのは一部の「売れ残」った連中だ。アメリカで声を上げても中国への政治的影響は殆ど無い。彼らがアメリカへ行ったのは「政治難民」としてではなく、実質的には「中国がアメリカに引き渡した」。中国にとっては「厄介払い」。アメリカも受け入れを了解した。裏でアメリカと中国は手を結んでいたのさ。

いまの中国に「政治運動」は存在しない。共産党独裁体制の中でいい思いをするには党員になるしかない。貧しい層の最近の反発の動きは、天安門事件のときの民主化運動とは質が違う。今は不満が政治運動やパラダイム・シフトに繋がる事はない。

中国の「政治運動」は天安門事件で終わった、民主化は死んだんだ。運動家たちをアメリカが引き受けたことで、完全に潰された。今後の中国の動きに期待しないほうがいい。アメリカは中国のマーケットにだけ興味がある、人民の人権などどうでも良い。

2.「中国の国益」の視点から各事象を見れば・・・

【政治家の役割】

外交政治の目的は「国益の確保」につきる。福田が親中?・・・ならば彼は日本の政治家ではない、ありえない、「高所恐怖症のパイロット」と同じような形容矛盾だ。国(日本)の首領政治家(福田)が他国に阿諛追従するなんてことは、中国人には理解もできないだろう。

中国の対外姿勢は国益が全て。でなければ体制が崩壊する。日本では国家が見えにくいから、国益を損なうことの重大さに気付かないんじゃないか。「いつまでも、あると思うな親とクニ・・・」 あ、カネだっけ。

日本は極端なんだよ、戦前は「国益だけ」で動いて、今は「自分の政党・セクターの利益だけ」でしか動かない、戦前よりスケールも小さくなった。お前がよく言う「日本人の劣化現象」だな。

どの国の政治家も「国の繁栄」を国民に誓うものだ。外交では国益を最大に引き出すことを国民は望み、国益を損なった政治家は「売国奴」として糾弾される。「国益」が無ければ「私益」も成り立たぬ。両方が満たされ余裕ができて「正義」かな、いやたぶん、もっとゼニくれだろな。

東シナ海の油田のライン引きで日本人は中国の傲慢を怒るが、他国には傲慢なのが国家なのさ。日本人よ怒るな!怒ってどうなるの、やり返せばいいんだよ(笑)。

【四川地震】

被災地の惨状に中国人たち驚き心配し、工場主クラスで1万元、労働者でも1000元単位で寄付しているのがいる。「国を助けたい」気持ちが湧き上がった、これは政府のやらせじゃない。地震は国家意識を高める役目をした。

【北京オリンピック】

「聖火リレーを守れ」とあちこちで中国人が行動したのも国益意識からだ。祖国が汚されるのは許せない、その衝動が彼らを駆り立てた。参加しなかった連中も騒がないほうが「祖国のタメ」と判断したからで、祖国が嫌だとか、人目を気にしてじゃないよ、日本人みたいにね(笑)。

長野の聖火リレーのときには日本にいたけど、長野へは行かなかったよ、だってオレはもともと北京オリンピックに反対だったじゃん。あんなのナチスのベルリンオリンピックと同じ、完全な国威発揚の政治祭典さ。

でもそんなこと最初からみんな分かってて北京開催に投票したはずだろ、なにをいまさら「政治利用は怪しからん」だの「人権問題」をタテにボイコットを言い始めるんだよ。中国の人権問題なんて前からあったろ、弾圧を知っててオリンピック承認していまとってつけて反対するほうも、立派な「政治利用」だよ、違うかい?

【チベット問題】

オリンピックもチベットも、外から中国を叩けば中国人は一枚岩になって反発するよ。国家意識は強いからね。それにチベットは中国にとっては本気で「内政問題」なんだ。中国とチベットは日本統治下の朝鮮半島と日本より「同国」なんだよ。チベットの分離独立は認められない、たまたま今住んでるチベット人が中国領土を切り離すのは泥棒と同じ。

中国を漢民族が支配した期間はそう長くない。漢族国家の明朝は100年しか続かなかった。漢のあとの清朝を建設したのは満族だよ。元の時代はモンゴル族が支配。つまりね、中国ってのは昔から「周辺民族も含めた雑多な民族の混合体」なんだ。しかも各民族の文化的独自性にはわりと寛容で共存が成り立っていた。

それが20世紀後半になってチベット問題が表面化したのは「中国が共産化した」からだ。共産主義者が思想の同一化を強制しチベットの宗教・文化を否定したから、ダライラマは逃亡し、チベット文化を維持する方法として「独立論」が生まれたわけだ。今のダライラマは独立の要求はしていないだろ、自分達の宗教・文化を尊重してくれればよい」、つまり(共産党以前の)昔の状態に戻してくれといっている。自分たちの文化を保てれば(面倒複雑な)国家でないほうがラクなんだよ。

要するにチベット独立問題は共産党体制が起こしたマッチポンプ問題・・・というのも今となっては実は建前でね(笑)、そこに地下資源があったから本気で独立を認めるわけにもいかなくなった。チベット族以外の97%の中国人にとってはチベット独立阻止が「国益」ということ。

【中国と朝鮮】

朝鮮半島?あれは別だ、興味も無い(笑)。あそこは清朝の範囲外、満族の影響が強くて、その満族も今や少数民族。満州語はモンゴル語に近い、モンゴル語は文法的に朝鮮語・日本語と同系列だろ。朝鮮は属国ではあっても中国ではない、あそこは「満族のむかしの属国」程度の認識。中国に限らず、アメリカもロシアも韓国も「自分の国益との関係」で冷静に、つまり感情よりも勘定で北朝鮮に接しているってこと、単純な話だ。

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彼の話を聞いていて、なんだか私は、少なくとも外交姿勢に関しては、日本の政治家は「中国を見習うべき」と考えた。

政治家や役人が私欲に腐敗する体質は中国も日本も程度の差にすぎない。中国では社会格差が開き内政への不満が高まっても、いまの外交姿勢を貫く限りレジーム・チェンジには至らないだろう。思想の自由は天安門事件で終わり、今の中国公民は民主主義をそれほど求めてはいない。格差も不満なれど、国益喪失による国家崩壊の恐怖のほうが強い、だから共産党だろうが独裁だろうが、為政者が国益・国体を守る限り体制を認める、しかし党中央がもし(日本のような)「売国」に走り「国益」が失われれば民衆は暴徒化する、それを中国の政治首脳部は十分わかって「国体護持の重責」を感じながら国家運営をしている。国体崩壊の恐怖心は、彼ら、いや、他民族による侵略の中で選択的に生き延びた結果である今の人間、即ち日本を除くほとんど全ての世界の民族に染み付いた、DNAなのである。

蒼き星々 北朝鮮に拉致された被害者と家族を支援する人の集う掲示板投稿より

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