旅たび写真缶

小さい旅から大きい旅まで、時にはいい歳して恥ずかしい旅まで、写真旅日記。

奈良の古道を歩く 正暦寺から円照寺

2015-11-29 | 京都・奈良旅行記

2015年11月24日

久しぶりに紅葉真っ盛りの大和路を歩く、三泊四日の旅。

今回は、観光客で賑わう大きなお寺さんなどは避け、「いにしえの道」を選んで古都の秋を楽しみたい。

10:38 東北新幹線、東海道新幹線を乗り継いで、京都駅に到着。ここで近鉄奈良線に乗り換える。

今日の旅程でまず第一の関門となるのがこの近鉄特急への乗り換えで、12分間しか乗り継ぎ時間が無い。

新幹線の改札口を脱兎のごとく抜けて、向かいの近鉄改札口へ向かう。

切符売り場には並んでいる人が数名いたが、自動券売機の方は2台とも使用中だが列が出来ていない

のでそちらで待つ。

しかしこれが間違いで、片方ではオネエチャンが何日も先のチケットを、悩みながら何枚も買い込んでいた。

もう一方では、やはり外人のオネエチャンが使い方が分からずパニック状態。

イライラしながらも何とかチケットをゲットして、改札口へ走る・・・

ここでも問題発生。ゲートが閉じて「乗車券を確認してください」のメッセージ。

戻って来たチケットを持って途方に暮れる。

近鉄の改札機では、JRのように乗車券と特急券を重ねて入れてはイケないのだそうだ・・・(乗車券のみでOK)

ホームのコンビニで買い物も済ませ、新幹線を降りてから7分後には近鉄特急に乗車できた。5分の余裕。

11:50 近鉄京都駅を発車。

しかし、第二の関門はもっと厳しかった。

近鉄奈良駅で、臨時のバスに乗り換えるのに9分しかない。それもバス停は道路の反対側・・・

案の定、駅からの出口を間違えて右往左往。結局、バス乗り場にはバスと同時に到着で、何とかセーフ。

かなりキワドイ乗り継ぎだが、日が短い晩秋の旅行なので仕方が無い。

 

                         ≪奈良交通バス≫

11:37 14,5人でいっぱいになりそうな小さなバスで、奈良の南東部の山の中にある「正暦寺」に向かう。

 

     ≪日本清酒発祥之地の碑≫                  ≪本堂への石段≫

12:00 狭い道であまり対向車がなかったからか、少し早めに「正暦寺」に到着。

                     ≪正暦寺(しょうりゃくじ)本堂≫

正暦時は、奈良では紅葉が素晴らしいことで有名なお寺さんで、どの情報サイトを見ても「今が見頃」ということなのでハルバルやって来たのだが、周りを見渡しても「アレッ!」という感じ。

紅葉は諦めて、本堂でお参り。

秋の特別御開帳、秘仏本尊「薬師如来倚像」を拝観。

台に腰掛け両足を降ろして座った、珍しいお姿(倚座)の仏様だ。

今回の旅の無事と、家内安全をお祈りする。

むりやり切り取った美しい紅葉。

晩秋というより初冬の趣。

                     ≪福寿院(重文)の借景庭園≫

詳しくは正暦寺HPで

13:00 正暦寺をあとにして、これからはハイキングコースを使って徒歩で下山する。

正暦寺の石垣の脇の小道を登る。(上の写真中央) 

コースは、正暦寺→円照寺→帯解駅(JR桜井線)の予定。 

           

杉林の地道をシバシ登って行くと、峠を越えた後は舗装された林道をヒタスラ下る。

途中、何組かのハイカーと擦れ違った。けっこう人気のあるコースのようだ。

中には、迷ってこのコースに入り込んでしまったと言う女性グループもあった。

「でも、なかなか良い道ですね・・・」と楽しそうだった。

                       ≪五つ塚古墳群付近≫

13:30 正暦寺から30分ほど歩いて里山に出た。

「五つ塚古墳群」の案内板があるが、どれが古墳か良く分からない。

 

13:37 快調に下り坂を歩きながら、雰囲気のある鳥居を撮影。

暗い森の中に何があるのか入って見たい気もするが、そのまま足早に通り過ぎる。

しかし、これが大失敗。

円照寺へのハイキングコースとしては、この鳥居を潜るのが近道だったようだ。

 

13:50 山村町バス停前の分岐に到着。天理市、帯解駅、奈良市などへの重要な交差点。

「山の辺の道」「東海自然歩道」「奈良奥山ハイキングコース」などの道標が入り乱れて立ち、

自分はどれを見たらいいのか迷ってしまう。

遠回りになったが、本日の第二目標である「円照寺」へ向かう。

    

14:02 通りから、長い長い参道を歩いて山門に到着。

この山門から先は立ち入りは禁止。

大和三門跡寺院のひとつで、三島由紀夫の『豊穣の海』のモデルといわれる。格調が高い。

山門までの参道も美しかったが、境内の中も美しく管理されている感じ。

14:12 円照寺前のバス停まで戻る。立ち入り禁止の尼寺を覗くのに大幅に時間をロス。

ここからは、最寄りのJR帯解駅に向かう。

                       ≪帯解(おびとけ)駅≫

14:35 JR万葉まほろば線(桜井線)帯解駅に到着。

14:44 ここから桜井市の古刹・長谷寺(はせでら)に向かう。

今日のハイキングの予定は終了したが、正暦寺の紅葉が物足りなかったので、長谷寺の紅葉に期待したい。

ホームでワンマン電車に乗る際、地元の人が親切に乗り方を教えてくれた。

          

                ≪ワンマン電車の乗り方 奈良ルール≫

15:06 桜井駅に到着。駅のコンビニで遅い昼食。

15:20 タクシーで長谷寺に向かう。

                          ≪長谷寺≫

15:33 長谷寺の門前にタクシーで到着。

仁王門が工事の足場で囲われているのがチョット気になる。

登廊(のぼりろう)を必死に上がって、本殿を目指す。

なんと!!・・・本殿前の外舞台が改修工事で立ち入り不可。

外舞台からの眺望は諦めるしかない。

         

観音様のお身体をスリスリしながら参拝。

紅葉は、ここも不発のようです。今年は、奈良の紅葉はダメみたい・・・・

        

紅葉はダメでも、長谷寺に来た最大の目的は夕暮れ時に点灯する登廊の灯籠を撮影すること。

ユックリ境内を散策して日暮れを待つ。日没は16:48だが山間のこの辺りは、もっと早く暗くなるハズ。

長谷寺のホームページによれば、

11月30日までの入山時間は、9時から17時です。この時期は日も短くなり

16時半頃から暗くなり始めます。暗くなると登廊の灯籠に火を灯します。

ブルーアワーと呼ばれる日の入りの時間帯を楽しんでいただけます」とある。

それを写真に撮ろうと思って、はるばるやって来たのだが・・・・

拝観客が私一人になっても、ジッと登廊の前で待っていたのだが・・・・

閉門時間の17時になっても灯篭には灯が入らない。

拝観受付のオネエサンに聞いたら、

「東日本大震災以来、節電のため点けていないようです。ただ昨日までの三連休には点いていました」 

と、愕然とするお言葉。

追い打ちを掛けるように、「大晦日には必ず灯篭に灯が入りますから、是非見に来て下さい」

17:30 日が暮れて真っ暗になった道を、スゴスゴと近鉄・長谷寺駅に向かう。

19:00 JR奈良駅前の「コンフォートホテル奈良」にチェックイン。