Bleu Alcyon

アルシオンブルーという色の愛車ブログとしてスタートしましたが、最近は日々のあれこれを思いつくままに綴っています。

ザワークラウトVSポトフ

2007年01月06日 | 自動車道楽

かれこれ30年近い付き合いになる悪友が半年前にUSEDのW210を購入しました。

この悪友、15年ほど前に私がインテグラーレと愛憎の日々を送っていた頃、トラブルフリーのPorsche944で安穏とした自動車生活をしていた宿敵です(笑)

一度乗り比べをしてみようといいつつ、なかなか機会がありませんでしたが、この正月休みにようやく実現しました。


1999年式のE240、走行は約50,000kmです。


フロントグリルやらマフラーチップやら、細かい部分がモディファイされていますが、基本はノーマル。

オーナー曰く、あまりにコストダウンを意識し過ぎた直6の初期型を反省してV6に置き換えた傑作だそうです。


宿敵だからという訳ではなく、なかなか乗り比べが実現しなかったのは「スリーポインテッドスター」の持つ独特のオーラが市井の小市民の私には眩しすぎたからというのが本音です(笑)


ほら、カメラもビビッてピンボケ(笑)


セグメントも設計年次も異なる2台を乗り比べるのもおかしな話ですが、結果はというと、これがなかなか面白い体験となりました。

外観はとてもマジメにセダンしてます。
リアのオーバーハングが長いですね。


前よりはシンプルになったとはいえ、コクピットは私にとってはスイッチだらけ。


これは慣れの問題かな?
シートの電動調整のスイッチはやはり使いやすいですね。
ナビも画面は小さいですが、ソフトが最新のものにバージョンアップされているので、充分実用に耐えます。

ステアリングホイールがバカデカイというのももっと昔のMBの事のようで、違和感はあまりありませんでした。
でもグリップの径は細めです。


重量は両者ほぼ同じなんですが、ドアを閉めてエンジンをかけた瞬間から、407swとは全く異なるキャラクターであることが分かります。
カチカチと節度感のあるライトやパワーウインドウのスイッチ。
かなり硬い感触のスロットルペダル。
全体にがっしりと囲まれた印象のキャビン。

開放感がウリの407とは好対照です。


静止状態から強めにスロットルを踏み込むと、ググッとお尻が沈み込んで「シュル~」っと加速します。
想像以上に力強く、407にはない重厚感がたっぷり。

カーブを曲がっている時のスロットルのオンオフの挙動は、典型的なFRのもので、「クルマってこんなんだったよな」と納得させられます。

走行50,000km程度ではサスやボディーのヘタリも皆無。さすがメルセデス!


407swとは全てが違いますが、特に違うのはステアリングインフォメーションなどの走行状態のドライバーへの伝わり方でした。
W210は意識してこれらをカットしている感があって、それが重厚感や外界から遮断されたような独特の感覚があるのだと思いますが、407swは敢えてそれを強く打ち出していることが改めて分かります。

好みでいうと、私はやっぱり407swのほうが好き(笑)

尤も悪友は想像以上に硬い407swの足回りに驚いていました。
「どこが猫足なんだよ?」
確かに、ちょい乗りでは分かりずらいかもしれませんね。


エンジンは2.4リッターのV6。


5.5リッターのV8まで積めるキャパがありますから、スカスカです。
メンテはし易そう。


アルミはアバンギャルド用の17インチに交換されています。


フロントフェンダーが干渉するそうで、前後とも10mmのスペーサーをかましていました。
結果としていいタイヤ位置になっています。
タイヤはミケ猫にとっては懐かしいピレリのP7。


正直全体の印象は予想よりはずっと良いものでした。
このくらいの年式になると「スリーポインテッドスター」のオーラも幾分緩和されて、ちょうど良い感じになっているし(笑)
どっしりと落ち着いた走りっぷりもマルですね。

そもそもどちらかといえばコンサバティブで実用的なクルマである点はW210も407も同じはず。
毎日のように食べるそれぞれのお国の家庭料理のような安心できる存在でした。

同じクラスの607と比べると、もっと面白いですね、きっと。



「食わず嫌い」だったメルセデスですが、見直してしまいました。

良いクルマのお手本ですね。


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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
乗ってみたい! (isikoji)
2007-01-07 04:52:37
ドイツ車は年代、車種は色々ですがBMW、VW、OPEL、AUDIなどは乗った事はあるのですが(残念ながら所有は無し)メルセデス様だけは乗った事がありませんね。
matsuさんのおっしゃるとおり「スリーポインテッドスター」の持つ独特のオーラというのは特に田舎者の私には大きく圧し掛かってます。(特に小さい頃はベンツ=怖い人の車のイメージが・・・)
いつもそうですが、matsuさんのレポは非常に分かりやすいですね。微妙な感覚を文字に表現するのが難しいと思うのですが読むたびに感心させられてしまい、自分の文章力の無さが恥ずかしくなっちゃいます。
これ1台で (あよこん)
2007-01-07 12:53:34
仕事柄、世界中の車に乗ってます。
下手なジャーナリストより数は多いかも。
どんな車も、ここはすごく良いけど、ここはダメって感じです。
やっぱり、自分の感性にはまる車が購入対象になります。
もし私が、速さ命みたいだったら、決して407買ってません。
仕事では、すべてが良い車をめざしてますが、それって良いこと??。自問自答の日々です。
雑誌等ではなんだかんだ言われてますが、私のには407がぴったりハマリました。
まあ、好きになっちゃえば、あばたもえくぼなんですけど。
やっぱり、これ1台でOKって車は無いんです。(楽しみを含めると)
だから、用途ごとに数台所有したくなっちゃいます。
お世話になりました (ともつる)
2007-01-07 14:47:20
過分な紹介記事ありがとうございます。
意外にベンツ君が好評で安心しました。
さて、407SW 車格、年式を考慮しても最近のおフランス車は良くできていますね。ステアリングインフォメーションも良く、しっかりした足回りとマッチしていました。2t近いボディの割りに車が軽いのが印象的です。欲を言えば、ガスペダルが軽い。
天井が開くのにもびっくり。

今度は遠乗りをしましょう。
いろんなクルマがありますね (matsu)
2007-01-07 21:32:20
>isikojiさん、
私も最も縁遠いのがこのメルセデスでしたが、食わず嫌いはイカンなと、つくづく反省しました
でもやっぱりこのオーラは強烈ですよね。
おっしゃる通り日本でのイメージが特に独特なのかもしれませんね。
いっそとっちゃえばいいのに、このエンブレム。
レポは貧相なボキャで書きたい放題ダラダラ書くので、もっと簡潔にしなさいと言われることも多々あります
こんな長い記事にお付き合いいただいてありがとうございます


>あよこんさん、
いろんなクルマに乗ると良いところと悪いところとが相対的に見れるでしょうから、客観視しやすいですね、きっと。
でもその分目が肥えちゃって、「自分の愛車」を選ぶ時が大変そうですね
プロのあよこんさんには足元にも及びませんが、私もいろんなクルマに乗ってみて、楽しみながらこの先の自動車ライフの参考にしてみたいと思っています。

>だから、用途ごとに数台所有したくなっちゃいます。

あ、やっぱり。そうですよね~。同感


>ともつるさん、
楽しい体験をさせてもらいました。
どうもありがとう
でもやっぱりエンブレムは邪魔だからとっちゃおう
なんて冗談は置いといて、どちらも長距離が得意なクルマだから、暖かくなったら是非遠出しましょう。
ガスペダルが軽い?W210が重すぎるんだってば
目が可愛い♪ (Max)
2007-01-09 23:26:58
と、妻が言っていた頃のEクラスです(^^;)

メルセデスっていい車なんでしょうね~。
BMWは短時間だけ乗ると「スポーティで楽しい車」 でも、「いい車」はメルセデス。みたいなことを、某H車の開発の方が雑誌のインタビューに答えていました。

私はBMWが好きですが、親にはメルセデスかアウディを勧めるかな~(^^;)
たしかにいい車ですね (matsu)
2007-01-10 03:14:29
>Maxさん、
これの先代のカクカクのメルセデスと比べると、ほんとに目が可愛くて親しげになりましたね

乗用車もスポーツカーもクーペもトラックもバスも同一ブランドで作っている総合メーカーだから、際立った個性よりは総合力のある良い車なんじゃないかというご意見には私も同感です。
安心して乗れるという点では、ご両親が乗るにはベストなブランドなのかもしれませんね。
このオーラに勝てるのは、やっぱり人生経験が一番なんじゃないかと思います
今の源流・・・ (Akisan)
2007-01-11 16:25:52
matsuさん
W210、最初に見た時はびっくりでした。
デザインがW124から激変しすぎて、特に丸ヘッドにはかなり違和感を覚えたものです。
ところが、W211になるまでにすっかり慣れてしまい、いまじゃEクラスは丸目だろ、ぐらいの感覚ですね(笑)

私はMBだとW203しか知らないんですが、まさにmatsuさんの仰る通り、各種インフォメーションを意図的に薄くしているんだと思いました。それがかたや「非常に楽チン」と評価され、かたや「運転感が希薄」と評価されるんでしょう。それはBMWの評価とは間逆にあるはずです。
どちらが良い悪いではなく、あよこんさんの仰るように「何が自分にとってSuitableか」という評価軸で見れば良いんですよね。
どうせあちらを立てればこちらは立たないんですから・・・

クルマ選びとはうれしく、楽しく、つらく、苦しいものです。まったくやっかいな趣味を持ったものですね(笑)
逆もまた真ですね (matsu)
2007-01-12 01:43:19
>Akisanさん、

ほんとですね。デビュー当初はこの目があまり評判良くなかったですよね。
見慣れたということもあるでしょうが、本質的なデザインが優れていたということでもあるのかな・・・
おっしゃる通りBMWと同じドイツ車で、機械としての「密度」は同じ濃さを持っているのに、その味付けが正反対なのは自動車づくりの奥深さが実感できてとても面白いです。
どれが自分に合うのかというのは、雑誌などの客観評価だけでは把握できないし、マイベストにたどりつくだけでも大変な労力が要りますね。
しかも自分に合うのは唯一無二ではないし・・・

>クルマ選びとはうれしく、楽しく、つらく、苦しいものです。
>まったくやっかいな趣味を持ったものですね(笑)

全く同感です。
でもだからこそ一生かけて極める価値ある趣味であり道楽なんだと私も思います。
ゴツく見えます…。 (yusaku)
2007-01-13 13:26:24
こんにちは。
もう10年前ですが、当時の上司がW210のE320 Advangardeを買いました。壊れまくったXMからの乗り換えでした(泣笑)。初期型の、直6エンジンです。コストダウンで不評だったヤツですね。
まるで、滑る様に走りだしたのがとても印象的でした。それ意外は、これと言って印象に残らないかも…でも、そこが持ち味なんだろうと思います。XMの方は…独特でした。壊れなければねえ…。
10万km目前にして、今も乗ってますよ。「どこも壊れてないから、きっかけが無いんだよなあ…」って言ってました。
当時は、「ベンツも随分洗練されたなあ」と思いましたが、今見るとこれでもいかついですね。
保守本流という感じでしょうか (matsu)
2007-01-14 13:28:42
>yusakuさん、
E320のAvangarde、一番長く付き合えそうなグレードですね。
直6の初期型はコストダウンを重視しすぎたという割に評価も高いですし、人気もあるみたいですが、仰る通り強い印象を残さない持ち味が長く連れ添えるポイントなんじゃないかと思います。
XMと比較したら特にそう感じますね、きっと。
個人的にはXMと10年添い遂げるのもすごく素敵だと思いますが、道具としての側面から見ると、やっぱりなかなか難しいですね。

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