いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

善徳女王 第22話

2013年03月28日 | 善徳女王
《あらすじ》

剣をふるい、ソヒョンの部下たちを次々に切り捨てた謎の男。
ユシンの額当てを取り返し、目的は達した。
そこへ駆けつけたユシンは勘違いして、彼と剣を交える。
「ユシン郎、その人は命の恩人です!」
「誤解して悪かった」
「鶏肉代払えよ」
ユシンは自分の武装を鶏肉代代わりに男に与えた。
「あんた強いな!あんたの剣、重かったよ」

自分を襲ったものたちの中にソヒョンの部下がいたことを
トンマンは気付いていた。
「殺すと言われた!みんなが私の命をねらっているのですか!」
「今は何も考えるな」
動揺するトンマンを連れて、ユシンは疫病がはびこるヤンジ村に入った。
「お前の言うとおり、誰もがお前を殺そうとしている。
我々を救えるのは我々だけだ。
あきらめたら、そこで死ぬ。私はあきらめない。
だが、お前があきらめたら私は倍苦しい。だからお前もあきらめるな」
ユシンの強い決心がトンマンを支えている。

ソヒョンはユシンの動きをつかんでいるが、
息子がいる限り、うかつには手をだせないでいる。

ヤンジ村では、鶏肉男が師匠ムンノの叱責を受けていた。
「人を殺したのか」
「弱いものを助けるためです」
「そのために人を殺したのか!
そんなことがいままであったか。怒りに負けたのだろう。
同情心などかけらもないやつめ!」
「本当です!」

そこへトンマンとユシンがやってきて、男の話は本当だと、証言した。
そしてユシンは、村にとどまらせてもらえるよう、ムンノに頼んだ。

鶏肉男が市場で細辛を手に入れようとしているところに、ソルォンが声をかけた。
「お前はヤンジ村の者か?」
村に潜伏している郎徒と交換に、細辛をやろうと持ちかけると、
男はあっさり取引にのった。

トンマンとユシンは薪を割りながら、話していた。
「あきらめたことは一度もない。でももう何もかもいやです。
ユシン郎はわたしを助けるためににここにいる。
でも、そうしたら母さんみたいに死んでしまうかもしれない。
だから、ユシン郎はここを出てください」
トンマンは、疲れ果てているのだ。
しかしユシンは、トンマンの頼みなど聞く気はない。
「くだらん。散々考えてそれか。
お前の言うとおり、周りは敵だらけだ。ではどうする?降伏するか?逃げるのか」
「降伏しても帰るところはないし、逃げても安全なところはない」
「では何もするな!考えるな!お前は何も選べないのだ」
「ここを出てください!ユシン郎は選べます」
「お前を選んだ!」

いたたまれず走り去ったトンマンを見やり、思わず薪割台を打ち割ってしまったユシン。
それを見ていたムンノは、ユシンの手を取り、隠された実力を知る。
「師にもつかず、よくぞここまで……」
ユシンの手は、豆だらけ。彼はまだ、自分の真の力を知らない。

鶏肉男に言われて牢屋を掃除していたユシンは、彼の策略によって閉じ込められてしまう。
男はトンマンを木に縛り付けた。
「ごめんな」
「誰だ。僕を誰に引き渡すつもりだ」
「誰だっけな、聞いとくよ。
悪く思うなよ。お前を渡せば、200人の命が助かるんだ。
200人からお前をひくと……199人か。あは!」
男はそう言うと、ふらりといってしまった。

トンマンは、考えていた。
ミシルに捕まれば、しばらくは生きていられるだろうが、皆に迷惑がかかる。
陛下に捕まればすぐ殺されるだろうが、皆にとってはそのほうがいい。
母を犠牲にし、必死に生き抜いてきたが、すべては無駄だった……。
「そんなことを考えるな!元気を出せ!」
ユシンの励ましも、今のトンマンには苦しいだけだ。
「どうやって元気を出せって?産みの親だってユシン郎の父上だって僕を殺そうとしてるのに!
訓練の時も戦の時も、元気を出せって言われ続けてた。もう、言わないでください」

ソルォンは男と面会し、トンマン確保の確信を得て、ミシルに連絡した。
側近たちはこれからの計画に大忙しだが、上天官ソリだけが、不安を口にする。
「開陽星のお告げをお忘れですか。できれば殺すべきです」
ミシルは、ソリの忠言には耳を傾けない。
「あなたは天意を信じているのですか?
私の手が雨を降らし、私の一言で月蝕が起きるのです。
開陽星?北斗の星?それがなんですか。
上天官、私は……ミシルですよ」

ウルチェ大等は、ソヒョンとの約束を果たすべく、
ユシンとチョンミョンの婚姻を進言し、受け入れられた。
すべては太子の不在から起こったこと。ひいてはトンマンのためにもなる、と。
ミシル側は和白会議を招集。
公の場で、王室に双子が産まれたと公言。
チルスクを証人として呼び、発言させた。
このままでは、王妃は責任を取らされ、王室はミシルの思いのままに。

鶏肉男はトンマンたちに食事を持ってきてやるが、
もちろんふたりは食べようとしない。
「勝手にしろよ。……兵部令だよ。お前を生かして連れて行くってさ」
トンマンは一言、男に伝える。
「ありがとう」
トンマンの礼に男は驚き、動揺した様子だ。
「俺はお前を売りとばそうってんだぞ?いかれてるよ、お前は」

王宮では、ミシルとチョンミョン、ふたりの間に火花が散っていた。
ミシルがトンマンを確保して連れてくれば、
王妃と王女は聖骨男尽の責任を問われることになるだろう。
チョンミョンがトンマンを確保すれば、ミシルは王室を侮辱した罪を
問われることになる。
しかし陛下の命によって、トンマンは遺体も残らぬよう、確実に始末されるだろう。

ユシンは牢から抜け出そうとがんばっているが、
トンマンはすっかり絶望してしまっていた。
自分がもしミシルに捕まれば、陛下は難しい立場に立たされ、
王女と王妃は廃位に。ユシンとソヒョンもただではすまない。
自分は哀れだと思う。死ぬことすら価値がない。
ただ、あの男のおかげで、自分の命にも何かしらの価値が出来た。
200人の命が助かるなら、思い残すことはない。
ユシン郎と離れるのは、少し寂しいけど……。
「ダメだ!やめろ!トンマン!トンマン!」
ユシンの叫びが、虚しく響く。

トンマンは、男にひかれて山を歩いた。
ふと彼は、トンマンの手の中のソヨプ刀を見つける。
「お前、小刀があるのになぜ逃げなかった?」
トンマンはふっと笑った。
「ちゃんと薬草をもらってみんなを助けろよ」

ソルォンは、約束通り細辛を持ってやってきた。
トンマンと引き替えだ。
「王女様として再会するとは不思議な縁ですな」
「お前たちの思い通りにはさせない」
「ええ、もちろんそうできるなら、どうぞ」
ソルォンの態度は慇懃なものだ。

ユシンは、投げ縄をなって、工夫し、なんとか木の棒を手に入れた。
必死で牢を壊そうとするが、なんの手応えもない。
あきらめかけるユシンだが、ふと、男やムンノの言葉を思い出した。
無心に牢の材木に打ち込みを始めるユシン。

男は、ムンノに叱責されていた。
「200人の命が助かるなら、ひとりくらい……」
「命で数あそびをするな!どんな大義も人の命より重くはない。
目的のためなら手段を正当化するのか!」
「だって若者を殺さないといったし、本人に感謝もされました!」
「感謝?なにに感謝されたのだ?」
「へ?」
男は考えて、その理由に思い至った。
慌てて外へ駆けだしていくと、トンマンの姿をさがす。

男は、必死で走り抜き、ソルォンの一行に追いついた。
そこではトンマンがソヨプ刀を抜き、
自分の首をかききろうとして、取り押さえられていた。
「気がかわった。細辛の代金はいつか必ず払いますよ。
そいつを連れて行く」

大変な人数が、ふたりを取り囲む。
「どうする?」
「かなり殺すことになりそうだな。また怒られる」
そこへ風のように現れたのは、牢を打ち破ったユシン。
「ユシン郎!」
「お前!どうやって出たんだ?」
「後で覚えてろ」
「ああ、終わったら話し合おう、終わったらな」

ふたりの男が、トンマンの盾になった。
「こいつに手出ししたら皆殺しだ!」
「トンマンには指一本触れさせん!」
トンマンも覚悟を決め、敵の面々をねめつけた。

(つづく)

人として、何かが足りない鶏肉男。
ムンノの怒り方もすごくってさー、なんかあるの?この人には?
どうも倫理観とか、人としての温かみ、情緒に欠ける人物のようですが、
めっぽう腕はたつのだった。
ムンノが仕込んでるでしょ、剣の技。

トンマンに「コマウォ」とお礼を言われて、
とっちらかっちゃってるのがかわいい。
そしてトンマンを助け、「なぜだ?」と問われて、
師匠の受け売りをそのまんま言っちゃうところも素直。
一番こわいですね、素直な狂犬なんて。

彼の考え方、ちょっと冷たいところはあるけど、
そんなに間違っているとも思えません。
みんなで助かろうとして結局全員死ぬよりも、
何人かが犠牲になって残りが助かった方がいい、と思わない?
ただ、誰が犠牲になるかってことよね。
そして、犠牲になってくれる人に、「そう?ありがと」と言って
自分が生き残ることができるかってことよね。

ね、そう考えるとさ、この考え方って一見、いいと思えても、どこかおかしいよね。
絶対多数の幸福のために、少数の人間が不幸になっても良い、ということでしょ。
それが何人だったらいいの?
3人の幸せのためにひとりが死んでもいい?
10人だったらゆるせる?
200人だったら?

数遊びをするなってムンノが怒るのも当然ですよね。

鶏肉男はトンマンと出会って情を学んでいくのかもしれないなぁ。
「逃げられるのになんで逃げなかったんだよぅ」と不思議そうでしたね。
トンマンが親鳥のように、心を教えていくのかもね。

ユシン郎はねー、前回に引き続き、フルスロットルで加速してるね。
「お前を選んだ!」って鬼の形相で告白すな!
素直に反応できないよね。
本当に不器用なユシン郎、かわいそう。

木の棒で牢屋を壊したみたいですけど、
壁の方崩せば簡単だったんじゃないの?
棒が先に折れちゃうかと思った。
融通のきかない真っ直ぐな性格のユシン郎。
ひょうひょうとした鶏肉男とは対照的で、そのせいか
最後のシーンがまたかっこいいんですよね。
ふたりのナイトに守られるトンマン、うらやましいぞ!

しかし常々恐れていたことが本当になってしまった……。
だってチョンミョンはユシンのこと好きでしょう?
でもユシンはトンマンが好きで、
トンマンはユシンが好きなんだよね。
ユシンの気持ちがはっきりしてるので、姉妹の対立はないはずだが、
チョンミョンは傷つくだろうなー。
トンマンを恨まないでほしいなー。
そんな心のせまい姫じゃないか。
それにトンマンは、「ユシン郎に会えないのが寂しいよ」くらいで、
なにがなんでも彼のために生きていきたい!わけでもなさそうですしね。

どんなに好きな人だろうが、ほっといて欲しい、立ち入らないで欲しい、と
感じる心の領域は誰しもありますから、
トンマンがユシンに盲目的に従えないのは理解できます。
彼の励ましにも、応えられない気持ちがよくわかる。
トンマン個人にとっても、でっかい問題だし、
王宮での勢力争いにとっても、爆弾だったんだね、この双子問題は。
ここまで観てきて、やっとその重みが実感できたわー。

ミシルも天意なんかない、って自分が神だと言わんばかりの天狗っぷり。
そのうちその鼻は折れるぞ……。

なんか、予告編に不穏な空気が漂っていて心配なんですけど。
そんで、本編で一度も名前を呼ばれてない気がして(字幕にはない)
彼のこと、鶏肉男って書いていますけど、いつ名前呼ばれるんでしょうか?
もしかして字幕にのってこないだけなの?
最後の格闘シーン、なんかあきらかに夜撮ったみたいなのと
うまくカットつないでありますけど、撮影が過酷スケジュールだったんでしょうか?

ま、そんなとこも気になりつつ、
ユシン郎の熱さにクラクラした回でした。
トンマン……あきらめちゃだめだよ。
原点にかえって、砂漠に逃げればいいんじゃん!
死んじゃうくらいなら、そうしなよー。



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