サボテンが花をつけている

シャア・アズナブル役の池田秀一さんに絡めて、出演されている作品の感想を語っています。

#168 ヒットマン

2006年05月28日 | 洋画吹き替え
ヒットマン [DVD]

エスピーオー

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 すっかり更新が鈍ってしまいました。たまには書かないと、忘れ去られてしまいそうなので久しぶりに更新です。

 ということで、本日は、香港映画でジェット・リー主演の「ヒットマン」(1998年)です。

 最近では「スピリット」に主演していたジェット・リー。この「ヒットマン」では、大陸からやってきた心優しい貧乏な殺し屋役で、時にコミカルにそして得意のアクションを縦横無尽に魅せてくれている作品。

 あらすじは、香港に巨大組織を持つ日本人“塚本”が、“炎の天使”と呼ばれる謎の“殺し屋”に暗殺されるところから始まる。数年前から暗殺者に怯えていた塚本は、自分が殺された際には1億の復讐基金が発動されるよう事前に設立し、彼の死後、塚本ビルには世界中から暗殺者のスペシャリストが香港に集結していた。一方、大陸(中国)育ちで、米軍の元特殊部隊に居たフウ(ジェット・リー)は、故郷の母親に家を建ててやろうと香港の殺し屋として張り切っていたが、根が善良で心優しいため殺しには向かず貧乏生活を送っていた。そんなある日、復讐基金の話を聞き、隣人のインド人から背広をせしめ、塚本ビルに向かうのであった。

 監督は、「セブンソード」でも武術指導をしているスティーブン・トン(董瑋)。共演者に憎めない詐欺師ルーに「インファナル・アフェア」のエリック・ツァン。刑事と“炎の天使”役にサイモン・ヤム。詐欺師ルーの娘で弁護士役のジジ・リョン。

 最近、香港映画にハマっていろいろ見ているので、1998年(香港返還の翌年)という年代にしては、明るく元気な香港映画という印象を受ける。話もちょっとひねりが効いているので、ぼんやり見ていると少し話しがわかりづらいが、エリック・ツァンが映画全体を引き締め、親子の情愛も見せつつ、ジェットやサイモンの痛快アクションで見応えがある。

 さて、池田秀一さんだが、もちろん主役のジェット・リー。田舎から出てきた心優しい貧乏青年だけど、実は武術に優れ、格好良いところを見せてくれる役どころは、池田さんにお似合い。なので、安心して見ていられる。ただこの映画の“炎の天使”と呼ばれる殺し屋は、実はジェットじゃなくサイモン・ヤムなので、その辺を期待していると裏切られてしまうのでご注意を。そういえば、池田さんの吹き替えは、金髪碧眼より東洋系がしっくりくると思うのは何故なんだろう。

 さて、参考までにこの映画の解説をしておきます。出来れば映画を見てからお読みください。(自分なりにちょっと整理してみました)

 この映画のキーマンは、詐欺師ルー(エリック)であり、彼が新聞の広告で殺し屋の依頼をしているおじいさんに会いに行くところから始まっている。彼はおじいさんに復讐を頼まれるが、詐欺師なので実際の犯行には行わず、お金だけもらおうとしていた。しかし別の人間によって暗殺は成功され、自分の口座にお金が振り込まれていた。その時にもらった20万香港ドルは、実は“炎の天使”=刑事(サイモン・ヤム)が、おじいさんの持っていたお札と引き換えに渡したお金である。塚本の口の中にあった日本のお札が伏線となっている。

 ということで、ジェット・リーはどちらかといえば脇役である。で、振り返って思うに、“炎の天使”は、刑事のくせに今まで捕まらず、報酬を受け取らない殺し屋にもかかわらず20万香港ドルはどこから工面したのか不明だし、ラストでヨットに乗って悠々自適な生活を送るのはちょっと無理のある話なので、相変わらずその辺が香港映画らしいなあと思ってしまうのは、ご愛嬌なのでしょう~。