空色野原

空の下 野原にねころんで つぶやく

*羊遊斉*

2008-01-07 13:19:29 | 感動*好きなもの
原羊遊斉(はらようゆうさい)。
平成11年10月、五島美術館でやっていた展覧会に
たまたま足を運び、一目惚れした江戸琳派の蒔絵師。

“新しい”でしょ?

幕末の蒔絵師(1769~1845)。
現在あまり一般に知られていない。現存する作品の全体像はもちろん
人物像についても詳しくはわかっていない。
しかしここ数年にわかに羊遊斉の研究が深まっているという。

酒井抱一などは羊遊斉の蒔絵の下絵を描いたらしい。

当時の蒔絵師は大名の御抱え、あるいは御用蒔絵師として
伝統の上にたった仕事をする職人だった。
だが羊遊斉は琳派のデザインを蒔絵にし
新しい分野を開拓することで人気を得、
それに応えた独自の工房を創り上げたと推定できるそうだ。
つまり羊遊斉ブランド。

自由で新しいスタイルで、独自の活動をし、独自の立場を持ち
生活スタイルも新しく
様々な階層の人々との交流をふんだんにもって
新しい発想から“作家”としてそれまでにない仕事を築いた。

ま、こんな解説がなくとも、その作品を一目見れば
それが自由闊達で斬新で
潤いと喜びに満ちていることがすぐわかる。

ほんとうに驚いたんです。
こんなにも色褪せない輝きに満ちた工芸品があろうかと。
見る者のこころをリフレッシュさせる感動と遊びに満ちた精神。
しかも技が一級品だからこそ遊びが光る。
洒落てる。惚れ惚れします。


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2 コメント

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羊遊斉って (うしこ)
2008-01-07 17:20:20
ファーストネームなんですね~。
「羊」が名字なのかと思いました。
作品はたくさん残っているのですか?
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原さん (ben-chicchan)
2008-01-07 18:48:18
ははは。そうですね。羊が遊ぶなんて名乗るところがこの人の精神が伝わってきますね。平成11年の展覧会の図録によると、60箇所以上の美術館、博物館、個人コレクターの協力の元、羊遊斉作品といわれる約130点が五島美術館に集められたようです。てことはもっとあるんでしょうね。羊遊斉作として確実なのは成田山新勝寺に七代目市川団十郎が寄進した盃と三宝があるそうです。
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