退職後について

今日は朝から散歩してきた。
抜けるような蒼い空に山の濃い緑が地平製を作っている。数段の棚田を経て私の歩くあぜに到達する。稲があおあおと育って稲の上にはきらきら光る赤とんぼが舞う。
この世の極楽と思うような風景である。暑かったが「男の日傘」でなんとかしのいだ。
ときおり、上空に飛行機が飛ぶ。「あの機影の大きさからみると、伊丹発羽田行きだな」と想像して楽しむ。

歩きながら考えた。昨年は退職しても非常勤などの仕事をしている人がうらやましかったが、今となってみると無職だからこそ病院にもすぐに行けたし、無線機もそろえて楽しもうという気にもなった。60歳ですぱっとやめた方が、疲れ切った心も体も回復できたし、運動もしたおかげで筋肉もついてきた。
今の方が自分にとってはよかったなと思えるようになった。

地域の田畑や自然を愛でる生活も悪くない。金魚の世話をする生活も悪くない。
今のように好きなことをして気楽に生きるのは、私にあっているのかなと思う。