VALERIAN 映画と音楽 それはおれの非日常へのささやかなトリップ

日本代表、世相も切る総合エンターテイメント!過去記事はカテゴリー、最新表示は上のタイトルをクリック!

ADLIB関係者様へ -ADLIB(音楽雑誌)休刊に思う-

2010年04月24日 | 雑談
 音楽雑誌ADLIBが休刊になりました。私の今の音楽嗜好はアドリブによって導かれたといっても過言ではありません。この雑誌によって、アーティストや作品を選定して多くのCDを購入しました。今まで聞いたことのなかった分野の作品も聞き、幅も拡がっていきました。89年の8月号から最終号となった10年5月号まで購入し続けていました。前回の休刊のお知らせには驚きました。編集部の方へ投稿しようかとも一瞬思ったのですが、My Blogで感謝の気持ちを込めて、アドリブの想い出を語らせて頂きます。
 振り返ると20年ちょっと愛読し続けた事になります。こんなに長い間購読していた雑誌はないです。引越しの時も運ぶの一苦労でした。(ちなみに次に長かったのは、H雑誌かな。エ○本買ってる年齢じゃないのでやめましたが。あっこれネタです)
 ADLIBは20歳前から読んでました!この雑誌は、ジャンル的にはジャズ、フュージョン、AOR、そしてブラック・コンテンポラリー or R&B、ニューエイジミュージック、あるいはヒーリングミュージックなど、いわゆる大人向けの音楽雑誌だったと思います。当時の年齢層からいったら、おれは若い読者だったのではないかと思います。アダルトな雑誌を読む奴は周囲にたくさんいましたが、アダルトな音楽雑誌を読む奴は少なかった。(このネタ好きだなオレ)ちなみにこれまでADLIBを愛読している人に出会ったことはありません。マイナーな雑誌だったのかなー。でもとてもセンスのある質の高い雑誌だったと思います。今、Blogで調子乗っていろいろ書いていますが、ADLIBの影響を受けているのは間違いないです。
 前にも言ったと思いますが、マイケル・ジャクソンの「スリラー」が洋楽というか、R&B系を好んでいくきっかけとなりました。そこから、80’S全盛のヒットチャートを中心に、当時はFMとTV番組・ベストヒットUSAが情報源で、いろいろな曲を聞いて自分の嗜好が定まっていったと思います。で、アドリブを手にしたきっかけは何だったか思いおこすと、いろいろな音楽を聞いていくうちに自分の嗜好がR&Bに向いているのを感じ、ブラックミュージックのアーティストや曲をいろいろ知りたいという欲求が高まっていました。そんな中、書店で表紙がマイケル・ジャクソンの雑誌を目にします。で、立読みするとマイケルの記事もちょこっとのっていたんですね。さらに自分の知りたかったR&Bの記事やCDレビューもたくさんある。当時のおれにとって750円というのは、安い買い物ではなかったですが、わかりやすい感性豊かなCDレビューと、センスあるレイアウトと写真。その質の高さに魅了されます。今ふりかえるとこの雑誌との出会いもマイケルがきっかけでした。
 当時の想い出話になりますが、受験勉強などをしていて、そんな中、音楽を聞く時間がすごく癒しでした。当時、NARADAレーベルやウィンダム・ヒルという、ニューエイジミュージック(ヒーリングミュージック)系のレーベルの紹介もあって、すごくはまったのも思い出します。自由がなかったので、ピアノやシンセ、あるいはギターやチェロの音色に癒され、音楽でいろいろな場所やイメージを思い描きTripしていました。もちろん今でもMyライブラリーには、そのCDあります。私のBlogのタイトル『Valerian』(ヴァレリアン)もウィンダム・ヒルから出ているフィリップ・セスのアルバムタイトルからとりました。このアルバムもすごく気に入っているフュージョン&シンセ系の1枚です。Fav ピアニストのアンドレ・ギャニオンを聞くようになったのもアドリブのCDレビューがきっかけでした。
 そしてR&Bにおいてプロデューサー聞きと言う感覚を深めてくれたのもアドリブだったと思います。ネットなどない時代、My Favorite No1 Producerジャム&ルイスのプロデュース作品を探すのにどれだけアドリブが役立ったか。いろいろな角度でブラックミュージックを掘り下げ、いろいろな視点をもたせてもらったと思います。LA&BABYFACEやTeddy Rileyの特集も参考になった。SADEやPrinceの記事も魅了された。
 ただ近年、アドリブを読んで以前感じていたトキメキが薄れていたのは事実です。
 クオリティーがおちているなと感じていました。部数が伸びないので経費がかけれなくなったという悪循環も一因かもしれません。しかし、私自身の状況をあてはめて考えさせてもらうと、やはり音楽業界に元気がなくなっているのも感じます。ほんと、新譜を買うことが少なくなった。魅力ある新譜やアーティストが出てこない。(でも年齢により感性がおちてるのも若干あるとは思います。)
 USAはデジタルオーディオプレイヤーのIpodの普及でCD店がどんどんなくなっています。日本はそこまでの影響はまだないかもしれませんが、街の小さなレコード屋さん的な店がどんどんつぶれています。あと、コピーや中古CDというものもCDの売上げに大きな打撃を与えていると思います。以前は、過去の作品もCD店で注文していましたが、今は中古屋やネットで探せば非常に安価な価格で入手できる。それはすごくありがたくはあるのですが。おれらの世代は、音楽はCDを購入して聞くというスタンスがあると思いますが、今の若い世代ってCD購入するより、ダウンロードやレンタルの方が主体なのかも。
 構造的な不況の影響で音楽にお金もかけれないから、いかに安く音楽を購入するかを考えていると思います。あとやはりコピーの横行も問題でしょうね。音楽は、楽しませてもらった分、感謝の気持ちを十分込めてアーティストに金銭というもので返すのが基本だと思う。不正でダウンロードし放題という世界も考えられない。今の感じが進んでいったら、ほんと音楽業界は崩壊しますよ。
 そしてネットの普及で書籍がどんどん減っていくような事も最近よく耳にします。ただ個人的には、ネットでアドリブのような情報をもっているサイトなんて見たことがない。アドリブのように独自の視点できりこんでるサイトってあるの?ネットはちょっとした情報を探るのは便利ですが、意外と深くないというのがおれの今持ってる印象です。これから浅い情報誌は消えていくかも知れませんが、本物の雑誌はやはり生き残っていくと思います。
 これからおれは何を参考に新譜の選定をすればいいのかと思ってしまいます。やはりパソコンで文字を追うのと、本で文字を追う感覚もちがう。世の中がいうほど、ネットが書籍を席巻するとは思えないのですが。一方で文字離れが進んでいるのは事実でしょう。本屋、それも大きければ大きいほど大好きなおれとしては、あの空間が小さくなって欲しくない。ただペーパレス化の波は加速していると思います。パソコンを媒体に情報を伝達したり、データ保存とか、スキャン等してパソコンで管理するのは合理的。本棚がいらなくなりますもんね、場所をとりませんし。
 パソコン、インターネットというツールが、アドリブをはじめとする雑誌類を休刊に追い込んでいるのは事実でしょう。アドリブ、廃刊ではなく休刊ですもんね。ただ音楽業界に活気がもどらないとアドリブの復活もないでしょうね。
 最後になりましたがアドリブ関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パンドラⅡ 飢餓列島 WOWOW ... | トップ | 舞妓Haaaan!!!  - おれも芸... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (逍遥軒)
2010-04-25 00:33:51
お邪魔します、以前別の名前でモンテ・モアの
記事に書き込みさせて頂いた者です。
現在はブロガーを引退し、
逍遥軒と名乗っております。
と、前置きはこれぐらいにして・・・・・・
えええ?! アドリブ休刊したんですか!
そう云えば私、
ここ何年かは買っていなかったなあ。

アドリブは、ロッキング・オンと同時期に
読み始めました。
そのROは、編集長が2代目になってから大嫌いに
なって買わなくなったんですけど、アドリブは
何年か前まで毎月欠かさず買っていましたよ。
残念です。
と云うか、ROとアドリブを並列で語るのは
先方に失礼ですよね、スンマセン。
To 逍遥軒さん (amber)
2010-04-25 23:22:36
狂馬亭を運営されていた村正さまですよね。Blog、閉鎖されたんですね。けっこう覗かせてもらってたんですよ〜。媚びない独自の深い切り口が好きでした。再開の予定はないのでしょうかか???

さて、逍遥軒さんもADLIB読者だったんですね。ROも知っていますが、ちょっと私の方向性とはちがったんですよね。ADLIBがFitしました。
広告収入の激減と部数が減少したのが理由のようですね。なんか今の日本というか、音楽業界、出版業界の象徴的な出来事のように思います。

ADLIB (じじい)
2023-09-20 07:40:10
私も1973年創刊号から2010年休刊するまで定期購読していました。未だに捨てられず全て保存しています。私の音楽人生そのものです。
Unknown (Amber)
2023-10-05 19:57:46
大先輩とお見受け致します。

創刊号から愛読している方にはじめて出会いました。いまだに保管されているというのも大変すばらしく存じます。

「音楽人生そのもの」 わかります。
毎月、ADLIBを見るのが楽しみでした。この10年以上、そんな感じがなくなりさみしい思いです。80年代、90年代のMusic Life 最高でした。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

雑談」カテゴリの最新記事