坂野民枝・インテリアコーディネーターの目線:    心地よい空間作りのヒント探し:四方山話

  

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特別公開:大徳寺―聚光院・黄梅院・興臨院・総見院

2017-03-27 | Weblog
聚光院の創建450年記念特別公開が3/26まで。
興臨院は18日から、黄梅院と総見院が25日から。
ということで、25日に行きました。

聚光院は昨年 友人と行く予定が崩れ、やはり、見ておきたいと思い予約を取りました。。


内部は撮影禁止、パンフレットより。


国宝の襖絵はいつもは博物館に平置きされています。
元は金色の上に黒で描かれ きっと 生き物も樹木も水ももっと活き活きとして見えたのでしょう。
襖として直立3面で繋がって見るのが姿で、描かれた内容の関連がわかります。
春夏秋冬の移り方、鳥同士のアイコンタクトは、この場に座してわかります。

想像で書かれたトラとヒョウも人間的な顔面表情です。


書院の障壁画 千住博画伯『滝』

二間続きで連続しています。
天然顔料を使い、100年はこの色を保つそうです。
茶会で、宗匠が座り黒い十徳が映えるように続きの間は女性の着物が映えるように配慮されている解説でした。
私のソファの提案も座った時の見え方はポイントの一つです。
今日の見学では廊下からですが、茶会で座敷に座って見たくなります。


茶道や茶室の本を見ると、たいていは出てくる聚光院 枡床の席。
茶室の写真はほとんど実際より広く見えますので、やはりその場で空間の間隔を得たいと思っていました。

4畳半です。他の方が思わず『狭い』と言われました。
私は、高桐院で2畳台目の松向軒を見た後でしたので、広く感じます。
『目で見る』というのは カメラのレンズとは違うことを実感します。 


室町時代、明治の廃仏毀釈 歴史があって今に至る・・解説していただく内容に重みがあります。
信長像は秀吉がOKしているので、リアルに近いのでしょう。
造る人は プレッシャーがすごかったと想像します。

数年前の秋に来た時は、幹事さんの予定時間で動いたので、高桐院では庭に出ていません。
今回は細川ガラシャのお墓もお参りしました。

木々は未だ春色ではありませんが、特別公開の4つの塔頭と高桐院を廻り 穏やかな1日です。
・・・満員のバスと混雑の京都駅で、徐々に現実です。





映画:『チア・ダン』

2017-03-21 | 映画
気付くと両隣は女子高生で、見ていました。


ビジネスセミナ―で、勧められて、『目標に向かう』視点で見ました。
ここでは、インテリアコーディネーターの視点です。
やはり、登場人物のすまいが気になります。

日本の住宅事情の縮図のようで生活背景が見えます。

・バレリーナを目指す子の家
  和風の屋敷 玄関ホールの間口がとにかく広い。
  同級生に背を向け去っていく廊下は回転して踊れる幅、間口1間(一般の家の倍の広さ)以上あります。たぶん床材は欅・・・スクリーンでは檜よりは色があるように見えます。

・お父さんが裁判官で横浜から福井へ来た子(唯一のチアダンスの受賞経験者)の家
  同級生が訪ねてきたシーンで、通されたのは昭和の応接間のようです。少し前の洋館のイメージ。

・主人公ひかりの家 
  地方都市の一般的な住宅
  畳敷きの部屋で食事は座って食べる。 そばに仏壇がある。
  その部屋とキッチンはオープンでつながっている。
  訪ねてきた友人は縁側のある部屋でソファに座る。
  笑顔の原点は、このすまいで 親との関係から・・・と想像します。

・バイトしながら高校生活を送る子
  騒音がするアパートで、混沌とした生活を感じます。

・天海祐希さん演じる先生の住まい
  リビングにはソファがあり、続きにダイニングテーブル。
  カーテンは上飾りがついていてエレガント系。
  このカーテンスタイル?なぜ?

  ・ベンツに乗っている。
  ・アメリカを目指す
という人物設定から エレガントなものの選択なのでしょうか? 
このカーテンスタイルにした理由を映画の美術担当の方に聞いてみたいです。
見ごたえのある作品ですが、唯一 違和感がありました。
他の方の意見もありましたら・・・

ともあれ、大人も高校生も 感動し、心に何かが残る作品です!

*今の時代 天海祐希さん演じるセリフを生徒に言うと、パワハラになるのでご注意を!

(記載は記憶で書いています。DVDになったら、検証します。)

『ゴッホとゴーギャン展:愛知県美術館』

2017-03-10 | 美術館
パンフレットが4枚 裏側の解説は同じです。
ゴッホが描いたゴーギャンの椅子と自画像



ゴーギャンが描いたタヒチの人とゴッホをオマージュした椅子



ゴッホにとって、ゴーギャンは尊敬し、友人と思っていたのでしょう。
壁にガス灯があるのに椅子にはキャンドルに火が灯っている。
ゴーギャンの暖かさを感じているのでしょうか。

ゴーギャンが描いたゴッホの椅子はゴッホの死後、11年経って描かれたもの。
ゴッホを象徴するヒマワリが載っています。
窓から見える景色はタヒチの海でしょうか。
遠い地にいても、忘れていない証のようです。

会場の出口近く、2つの椅子が置かれています。

座って撮影OKでしたが、椅子だけを写す方が二人の画家へのオマージュになる様な気がしました。

椅子はその空間に置いたら、その人になります。
インテリアの仕事で、ダイニングチェアをお選びいただく時、座って椅子の存在が無くなる位、座り心地を感じて、決定していただいています。

あらためて『椅子=人』存在を強く感じます。