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《読書》ブライアン・フリーマントル(著)戸田裕之(訳)『流出』(下)新潮文庫

2005-09-01 06:09:10 | 読書

●〔60〕ブライアン・フリーマントル(著)戸田裕之(訳)『流出』(下)新潮文庫 1999
(2005.08.27読了)
 おなじみのチャーリー・マフィン・シリーズです。久しぶりに読みました。この作品は、モスクワに派遣されたチャーリーが、ロシア、アメリカと協力して、ロシア・マフィアによって強奪された核物質の奪還をはかるという物語です。
 相変わらずチャーリーのキャラクターは魅力的ですし(今回は美味しいめに会い過ぎ?)、最後のドンデン返しもなかなかですが、ちょっとくどい感じもします。
 しかし、この作品で気になるのはチャーリーとナターリヤの関係です。ナターリヤはチャーリーがソ連に偽装亡命したときのKGBの尋問担当官で、やがて対外情報部門のトップになります。そしてこの作品ではロシア内務省特別部局最高責任者になっています。このナターリヤはチャーリーと愛し合い、二人の間には娘まで生まれているのですが、私の中の違和感は、「はたして子どもを産むことができる年齢の女性が、KGBの幹部にまでなることができるのか?」ということにあります。
 フリーマントルのチャーリー・マフィン・シリーズは以下のようになっています。

(1) Charlie Muffin (1977)
  『消されかけた男』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(2) Clap Hands, Here Comes Charlie (1978)
  『再び消されかけた男』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(3) The Inscrutable Charlie Muffin (1979)
  『呼びだされた男』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(4) Charlie Muffin's Uncle Sam (1980)
  『罠にかけられた男』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(5) Madrigal for Charlie Muffin (1981)
  『追いつめられた男』 大熊栄訳 新潮文庫
(6) Charlie Muffin and Russian Rose (1985)
  『亡命者はモスクワをめざす』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(7) Charlie Muffin San (1987)
  『暗殺者を愛した女』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(8) The Run Around (1988)
  『狙撃』 稲葉明雄訳 新潮文庫
(9) Comrade Charlie (1989)
(10) Charlie's Apprentice (1993)
  『報復』 戸田裕之訳 新潮文庫
(11) Charlie's Chance (1996)
  『流出』 戸田裕之訳 新潮文庫
(12) Dead Men Living (2000)
  『待たれていた男』 戸田裕之訳 新潮文庫
(13) Kings of Many Castles (2001)
  『城壁に手をかけた男』 戸田裕之訳 新潮文庫

 この中の"Comrade Charlie"でチャーリーとナターリヤの出会いがあるのですが、なぜかこの作品だけ邦訳がありません。私の違和感を解く鍵もこの作品にありそうなのですが、一刻も早く翻訳されることを望みます。

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1 コメント

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亡命 (kiriya)
2005-10-22 08:18:30
kiriya と申します。

読書マガジン「なんでも読書」を発行しています。

私もチャーリー・マフィン・シリーズを

よく読みます。

ナターリヤとチャーリートの出会いは、

六作目の「亡命者はモスクワをめざす」だったと

記憶しております。

ご確認ください。

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