③㈲成和商事 牧村 隆史 (製紙原料回収販売業)
<事業内容>
・ 事業所や個人から排出された紙を回収し、プレス(一本1000kg前後)し、一日に15t車で2杯分出荷している。9割ぐらいは国内のメーカーに出荷している。主要取引先は王子板紙㈱等である。
・ 紙は、段ボール、新聞、雑誌に分類され、特殊な紙類はリサイクルできない。
<経歴>
・ 1975年9月21日に彦根市で生まれた。小中学校時代は普通だったが、高校の頃から少しおかしくなった。
・ 初めに入った大学は1年で辞めた。理由は、毎日自衛隊に勧誘されるのが嫌になったからである。二つ目の大学も1年留年したので5年かけて卒業した。留年の原因は、麻雀と競馬とパチスロに明け暮れていたからである。
・ 就職は、インターネットで調べて受けた店に受かったのでそこに決めた。その飲食店では、3~4ヶ月経つと副店長になるのだが、勤務時間が朝の6時から翌2時という大変きつい内容で、1年で退職した。
・ 店を辞めた頃(28歳)、父からの誘いがきっかけで家業に入った。入社して初めて仕事の内容を知った。当時は、経理や人件費その他事務的な面で不備が多く、改善を試みて、その結果取引先や従業員も増えた。
<方針>
・ ①当たり前のことを当たり前にできるようにする(報告、連絡、相談)。…ベテラン社員でもなかなか出来ない。報告もやっと7割ぐらい。
・ ②指示されたことには、必ず意味があるのでその意味を考えながら仕事をして欲しい。…どうでもいいような指示にみえても、いい加減にしてしまうと、その後大きな事態や損害に結びついてしまうことがある。
・ ③1から10まで全ては言わない→選ぶべき道をいくつかと目指すゴールは設定するので、皆で考えながら結果を出して欲しい。
・ ①~③全体としては、2割ぐらいの達成度だと感じている。
<問題点>
・ ①効率を追うあまり周りが見なくなってしまう。…効率重視で考えると、視野が狭くなってしまう。
・ ②お客さんの対応の仕方において、意見のすれ違いが生じる。お客さんの立場でみた場合の効率化を優先。…現場の最高効率を追求すると、顧客満足度が低下してしまう。基本的にはお客さんを待たせたくないが、現場の考えは違う。
・ ③個人面談などを定期的に行い、各自の仕事に対する悩みなどを聞いてみても、なかなか本音が出ずに、何をどう改善していけばいいのかが分からない。…言いやすい環境がまだ作れていない。今後の課題である。
・ ④人間関係の問題…9人の人間を割り振りしたり組み合わせたりするのは大変。どうしても相性が悪い人間が居る。会社には友達を作りに来ているのではないので、個人的な感情は抑えてほしいのだが、分かってもらえない。
・ 昨年から、再生可能な資源をの産廃と一緒に処理している企業に対し、分別して段ボール等を当社に出すとコストがどの程度下がるかというシュミレーションやアドバイスを試みている。提案すると反響があり、新規顧客が増えた。
<質疑応答>
Q:紙と原油の値段の連動はあるか?
A:取引先が3月ぐらいに値段を上げてくるだろうと予想していたが、結局国内では上がらず、輸出向けは上がった。本来、紙と原油の値段は連動するものだが、今年は値段は上がらないのではないか。
Q:従業員との面談はどのようにしているか?
A:飲み会などはしていない。社内で皆を集めて話す場合もあるし、個別に面談する場合もある。個別面談を重視している。
Q:異色の経歴に興味を持った。若い頃の経験がどのように生きているか。
A:浪人~学生時代は非常にヌルイ感じだったが、対照的に飲食店は非常に厳しかったので社会人として学んだことも多かった。今の会社に帰ってきたときも、ヌルイことが多いと感じたので、それをやり直すことから始めた。ギャップがある環境に身を置いたことで、気づいたことが多いと思う。