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白牡丹



はい。いつものように「何度でも何度でも何度でも...(Dreams Come True)」を歌いながら...


白牡丹は枯らしたことのない栽培しやすい品種です。

しかしながら、斑が消えたことは「何度でも」ある品種です。


交換会でこの品種が荷台に乗る度に今度こそは大丈夫なのかしらと、いつも悩むのでした


青くなりずらい、いわゆる「『真砂』白牡丹」は高価でいまや手が出せません。また、それを入手しても柄が維持するかは神のみぞ知るです。

私は天葉が幽霊のよりも縞がある方が好きなんですよね。


書籍「東洋蘭と西洋蘭
石井勇義編(實際園藝叢書 第14編)金正堂、1935年発行」の「風蘭の培養と品種」東京 山崎天然 氏の解説には
白牡丹(はくぼたん)立葉にて葉巾廣く葉丈長く、葉は靑白二様に出て靑葉には薄黄を含む白虎又白葉には靑虎を現はす偶に斑中に縞の現はるゝことあり貴品なり奈良より產出し高天廣海先生の命名したるものなり。
白牡丹縞(はくぼたんじま)別名春霞 立葉にて葉巾廣く葉丈長く雪白の縞なり、白縞條の部面には靑色の散斑入り又靑縞條の部面には雪白の散斑入る偶に縞を切りて靑虎白虎の現はるることあり貴品なり、奈良某神社の神木に寄生し居りたるものなりと云ふ。
(因に白牡丹は白牡丹縞より出てたりと云ひ或は白牡丹縞は白牡丹より出てたりと云ふ二説あり判明せず)
とあります。

日本富貴蘭會銘鑑6号では、春霞は別格貴品。白牡丹は別格稀貴品に位置付けられています。


現在では春霞は無地(柄がなくなった、斑が認識できない)=全盛品(同銘鑑75号)となっています。

「春霞(白牡丹縞)」はいつから柄抜けを表す銘となったのでしょうか。

銘鑑を調べてみました。不思議なことに地位が上がっている期間がありますね。本来の「春霞(白牡丹縞)」に戻そうとしたのでしょうか。
<「春霞」の地位履歴>
 別格貴品(5か6号)→ ︎
⬇️貴品(7〜13か14号)→
⬇️全盛品 (14か15〜19か20号)→
⬇️衆望品(20か21〜35か36か)→
⬆️貴品(36か37〜39号)→
⬇️全盛品(40〜75号)

ここからは推測です。

昔々、ある趣味家が「白牡丹縞」の別名「春霞」のラベルを挿して栽培。その子どもを割った時に「春霞」のラベルを付けます。柄が良くても悪くてです。また孫木にも「春霞」とラベルを書きます。柄が継続しにくい品種です。柄の悪いものが段々と多くなります。

そのうちに柄が良くない、ラベル「春霞」が分譲されていきます。

これが趣味家の間で繰り返されます。

そして縞がない「春霞」の鉢数が多数になっちゃったのでしょう。

銘鑑は実情に合わせて変更されていたようです。

いまや、柄の良い「春霞」は交換会などに出品しても、それは「白牡丹」だと評価されます。また、縞が1本ぐらいでも「白牡丹」のようです。


建国殿もそのようなことになっていたのでしょう。本芸でなくてもラベルは「建国殿」。本芸や縞、青が同じラベル「建国殿」で流通していました。うちにも交換会などで入手した柄がないラベル「建国殿」や「建国殿縞」があります。

「建国殿」は銘が整理されて良かったです。「建国殿」=本芸、「建国縞」=縞、「建国」=青(無地)


趣味家としては白牡丹と春霞はこのままで良いと思っています。柄があれば「白牡丹」、無地は「春霞」の二択ですから迷うことはないですからね。

調べものをしていたので、このブログを書くのに10日間も掛かってしまいました。白牡丹の投稿なのに春霞の内容になってしまうとは...

この木は葉幅もあり縞もきれいです。パッと見た目に「金牡丹縞」かと思われるかも、写真は黄色みがかっていますが実物はもっと白いのですよ。

また先輩から良い木を分けてもらえました。


8度目の挑戦ます。


0160700白牡丹(はくぼたん)(奈良県某神社神木)【富貴蘭】【月型付け、泥軸、ルビー根、白花】大型、葉は広く肉厚、白縞。発芽白く雲を浮かべながら暗んでいき、下葉では無地葉となる。最上柄は白色の幽霊地に緑色の散り斑をわずかに乗せる。2024年3月10日 、関東富貴蘭会(H氏)

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