あや乃古典教室「茜さす紫の杜」

三鷹市&武蔵野市で、大学受験専用の古文・漢文塾を開講しました。古文教師の視点から、季節のいろいろを綴ります。

漢詩30(春宵一刻値千金①)

2013-10-23 01:00:15 | 漢詩
これも、日本では冒頭だけが有名になっちゃってますが、
元は、蘇軾の春夜という漢詩です。

題名)春夜
春宵一刻直千金
花有清香月有陰
歌管楼台声細細
鞦韆院落夜沈沈

書き下し)
春宵(しゅんしょう)一刻(いっこく)直(あたい)千金(せんきん)
花に清香(せいこう)有り 月に陰有り 
歌管(かかん)楼台(ろうだい)声細細(さいさい)
鞦韆(しゅうせん)院落(いんらく)夜沈沈(ちんちん)

現代語訳)
春の夜の素晴らしさときたら、一時(ひととき)が千金にもあたいするほどだ。
清らかな花の香が漂い、月は朧に霞んでいる。
高殿から、先ほどまで賑やかに聞こえていた歌声や管弦も、
終わったようで、今は細く静かに、音が流れるばかり。
人気のない中庭に、
ひっそりとブランコがぶら下がっていて、夜は静かにふけていく。

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