今シーズン、セスクが移籍したことで凄く気になるチェルシー。レアル時代のモウリーニョには、考えにくい魅力的なサッカーをプレミア序盤では披露しております。
私、彼の見方を間違っていたのかも。
そんな反省を込めて読んでみました。
「モウリーニョの流儀」
この本は、インテルの新監督になったモウの2008年シーズンを振り返ったノンフィクションであります。
では、気になった言葉をご紹介。
「勝利のために最も重要なのは、すでに勝ち取ったものをすぐに忘れることだ。それはもはや過去でしかないのだから。会長は私に、インテルの歴史についての素晴らしい本を贈ってくれた。だがそれも過去でしかない。私たちは新しい本に新しいページを記さなければならない。私が勝者なのは、過去をすぐ忘れ、常に未来を考えるからだ。勝つためには、常に強力なモチベーションを持ち続けることが不可欠だ」
スポーツを始めとする勝負ごとや仕事に共通する、この本で一番好きな言葉。
そういえば、ポルトでチャピオンズリーグを制覇した後、優勝メダルを首からすぐに外して会場から、サッサと出ていったっけ。懐かしい。
「重要なのはどんなサッカーがしたいかだ。チームがある試合で、あるいはあるシーズンに、どんなサッカーを目指すのかというのは、システムではなくプレー原則の問題だ。ゾーンで守るか、ポジションチェンジを許容するかしないか。縦に奥行きのある陣形で戦うか、ロングパスとショートパスのどちらで攻撃を組み立てるか。これらがプレー原則だ。それが固まっていれば4-4-2だろうと4-3-3だろうと3バックだろうと、本質は変わらない。」
すぐに、システム論に走るマスコミへの強烈なアンチテーゼ。
要は形ではなく、どんなサッカーをチームがやりたいのか。それが一番大事だっつうことです。
「私の基本的なプレー原則は次のようなものだ。まずDFラインを常に高く保つ。次に、ボールを失った直後からすぐに3~4秒間の非常に激しいプレッシングを行うこと。そして、両サイドバックと第3の基準点となるプレーヤーを使ってのビルドアップ。最後に、アタッカーには最大限の自由を与えること」
まるで未来を予想しているよう。
バルサ、スペイン、そしてブラジルW杯でのドイツは、この方法で頂点に立ちました。強調しておきたいのは、これは8年前の発言であるということ。ちなみに欧州CLでは新人監督のペップが頂点に輝いた年でもあります。
日本の専門誌は、まさに今、生み出されたように、分析したりしております。
遅れてる。やっぱり遅れているのです。
「私が決してやらないのは、試合が終わった後マスコミの前で選手を批判することだ。敗戦や引き分けの後に逃げ隠れすることはしない。私は選手たちが守られ、落ち着いた気持ちを保てることは、マスコミを喜ばせることよりも100倍重要なことだと思っている」
いますよね~、すぐ選手を批判する指揮官。
でも、これ監督=選手も同義だと思う。
負けたからといってチームメートを批判するのはナンセンス。
チームのコンセプトが、上手くいっていたかどうかを話し合う、考えるべき。
いくらシュートを放ったって、全然ゴールに入らない、そんなアンラッキーな選手を責めたって始まらない。
そういう日もあるのです。
さてさて、今季のチェルシーはいつまで魅力的なゲームを続けられるのか。
インテル時代は、結局、現実的な戦いに舵を取り直しました。
モウリーニョの理想。
どんなもんか見てみたいものです。