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浅井久仁臣 私の視点「第二次湾岸戦争」

ブッシュ政権が始めたイラク戦争は、ブッシュ・シニアが仕掛けた『湾岸戦争』の完結編になる予定でした。しかし、その結末は…

ビンラーディン 9.11犯行声明

2004年10月30日 | Weblog
 カタールの衛星TV、アル・ジャズィーラは29日、オサマ・ビンラーディンが米同時多発テロの犯行を認める一方、新たなテロの可能性を示唆する声明を収めたヴィデオを放映しました。
 AFP(仏)通信によれば、ヴィデオ・テープの存在を知ったカタール在住の複数の米外交官がヴィデオの放映を阻止すべく動いたようですが、失敗に終わったようです。もしこれが事実とすれば、アル・ジャズィーラの連絡網は、盗聴されていると疑った方がいいですね。
 なお、各報道機関によると、このヴィデオを見た米政府当局者は、ビンラーディン本人であると断定しています。
 重病説もささやかれる中、ビンラーディンは健康な様子で、白衣に黄土色のガウンを着て身奇麗にしていました。テーブルを前に立ったり座ったり、落ち着かない様子が垣間見られる場面もありましたが、口調はいつも同様、静かに語りかけるビンラーディン特有の話し方です。メモに時折り目をやりながら、強調したい部分では、よく彼がやることですが、指を立てて、話を進めていきます。
 9.11同時多発テロについては、米政府の後押しを受けたイスラエルが1982年、レバノンに侵略して(ベイルートの)ビルを爆破するのを見てその報復として考えたと事実上の犯行声明を出しました。
 さらに、ビンラーディンは、「おー、アメリカの人たちよ」と米国民に対して呼びかけ、「私の話は、『マンハッタン』の再現が起きない最善の方法を、そして戦争について、その原因と結果を伝えるものだ」と続けます。その後、「ブッシュは、あなた方を騙し続け、事実を見せようとしていない。だから、起きたこと(同時多発テロ)の再現の原因は残っている」と、同時多発テロに似た新たなテロ計画があることを示唆しています。
 これは、大統領選を後4日に控えてのビンラーディンの作戦と見るのが妥当でしょう。ただ、彼が、ブッシュの再選を好むのかケリーの民主党を組み易しと考えているのか、ここからは読み取りにくいですね。
「私は、最高指導者が、彼を必要としている時に5万人もの人を2つのタワーに置き去りにしてあのような目に遭わすとは思わなかった」と発言していますが、恐らく事件の知らせを受けたブッシュ大統領がすぐに対応せず、小学校の授業参観で絵本を読んだりしていたことを指していると思われます。これは、明らかにブッシュの追い落としを狙ったものでしょう。ただ、だからといって、ビンラーディンがケリーを好んでいるとするのは早計です。
 ビンラーディンは「米政府は、退廃したアラブ諸国政府と同じようなものだ」とし、さらに、米大統領選に触れた後、「あなたたちの安全はケリー(民主党候補)やブッシュ、又はアル・カーイダの手にある訳ではない。あなたたち自身の手(アメリカの外交政策)にあるのだ」と言っています。
 この部分からも米大統領選に対する彼の真意は伺えません。ただ、言えることは、ビンラーディンは近く、恐ろしいテロ計画を実行する可能性が高くなったことです。それは当然のことながら日本に対する攻撃の可能性も否定できないということです。ただ、アラブ人の時間の感覚は、我々とは大きく違います。また、ゲリラ戦というのは、いつ事件が起きるとは特定できないですし、どこに起きるかも分かりません。よくテロに対する最善策を聞かれますが、事態がこうなってからでは私には思い浮かびません。対イラク戦前、私がマスコミ等で言い続けていたように「パンドラの箱」は開けられてしまったのですから。もうこうなったら、焦らず騒がず。とにかく最善策はイラクへの侵略から一日も早く手を引くことですから、自衛隊を含む多国籍軍の撤退に向けて我々一人一人が力を注ぐことしか道はないでしょう。間違いなく時間がかかることですがね。