ぼくらのありのまま記

ぼくらは
こんな大人になりました。

【たらちゃんの島寿司と、パッションフルーツが食べられる、2days】

2017-08-14 22:28:01 | 東京日記

こんにちは。小笠原諸島父島出身の今井竜介です。

島では「たら」と呼ばれていました。



「たらの島寿司」と書くと、「鱈の島寿司」だと思われるので、
自分から「ちゃん付け」するのもイタい奴だと思われるのかなー?と思ったけれど、
まぁ、鮨が握れる以外はだいたいイタい奴なんで、しかたないかなという感じです。



(どこかに、中学生の僕がいます。)



9月の16日、17日の午後、小笠原の島寿司食べれて、
パッションフルーツが持って帰れる2日間のイベントをやります。
詳細は、17日に発表です。
場所は、日本橋の社員食堂labという場所です。
(15日もやる予定でしたが、鮨会で予約が埋まったので、2日間の開催となります)





お久しぶりの人も初めましての人も。
なんだよ、昨日会ったじゃんという人も、よろしくお願いします。



退屈で、単調で刺激もない島に飽きていた僕は、
都会に憧れ15歳で内地に上京し、
早20年。その間、父島に帰ったのは5回くらいかなぁ。







とにかく島から出たくて、受験をしてどんな町かもわからずに、下北沢ー吉祥寺あたりのおしゃれな都会で、
高校時代を過ごしていました(当時、住みたい町ナンバーワンの下北沢の寮にで暮らしていた。)。



「俺がそんな島っ子の魂持ってたら20円で売ってやるよ」

と、「島っ子」というくくりを心底嫌だなと思う時期もありましたが。


ようやく、島で育ってよかったなぁと思ったり。

島っ子であるけれど、その前に自分は自分であること。
島っ子かどうかは関係なく、自分の人生を決めて生きてきたこと。


(島っ子だけど、色白です。鮨職人ですが、畑にも行きます。板の前も好きだけど、自然の前も好きです。)

そうやってここまで生きてこれたおかげで、
過去を受け入れられる年齢になって来ました。




仕事はというと、
東京、札幌で鮨職人として、10年働いて来ました。
それから、3年は気仙沼の唐桑町という漁師町で暮らし、
そこでつくる「牡蠣」を通じて

「この場所素敵でしょー!!」
「やっぱさぁ、海ってすごいよね。」
そんなことを伝えて来ました。





そこには、東京では伝えきれない、メッセージがありました。
東京の鮨屋で伝わるメッセージって。

1、鮨は美味しい。
2、つくる職人すげーな。サービスもいい。
3、総じていいお店だね。
大きな要素はこの3つだなと思います。

それが、海のそばで、その海から採って来た食材を使うと。


4、海ってすげー!!!
5、これ、育てた人、すごくね??

東京では伝えきれない、2つのメッセージが、
自然とお客さんの心に、沁みていくことに感動しました。




カーブを曲がると見える、いかだが浮かぶ海。
カモメの声、出会う生産者。
もうね、いろんなことが混ざり、織り合わさって。
センスオブワンダーっていうのかな。




「ことばにできないなにか。」
伝わっていたんですよね。








そして、牡蠣を通じて生産者が伝えてくれる
「海ってすげー!!」という気持ちがいつも、
生まれ故郷の小笠原を思い出させてくれました。

ありがとう、気仙沼の海、出会ったみなさま。
(いちよさん、元気ですかー?
僕はふと気がついたら涙がこぼれて、びっくりするけれど。
まぁ、元気にしているよー!!また遊びに行きます。)



気仙沼では、お客さんに伝わっていた
4、海ってすげー!!
5、これ、育てた人、すごくね??



このメッセージをどこにいても、伝えられるような職人になるために。
毎日毎日、海の声を聞いて生きている、
海と生きる人たちの声を、たくさん集めようと思っています。




いろんな海を見て、出会い、聞き、食べて。
離れる時には、ちょっと寂しくなって。






ホタテを見たら、その時間を思い出して。
他の場所でも、その時間を伝えられるようになりたい。





「あそこにさー、すんごいホタテがあってね。育ててる人がまた、アツい男でさー。
ヒラメゴリラとか、呼ばれてたりも、する奴なんだけど。その話はまぁいいや。
とりあえず、今度、一緒に会いに行こうよ!!」




そんなことが言える関係に、食材を育てた人とお客さんと、料理でつないで。
顔の見える範囲で、伝えあって、生きていきたい。






「食材が育った場所で過ごした時間の分だけ、食材について、伝えられることが増える」という仮定のもと、
これから数年は実験的な時間を過ごしていくことになりそうです。


その第一弾として、まず紹介したいのは、小笠原の海でした。




小笠原を感じる食べ物で欠かせないのは、島寿司とパッションフルーツ。





島っ子がどれくらい、島寿司を愛しているかというと、
島の先輩、かおり、たかひろ兄弟がふたりで、サンパウロで居酒屋を経営してるのですが、
サンパウロの芸能人が来るようなお店で、島寿司をメニューにいれるくらい。

サンパウロに行ったら、ぜひキトキトに!!




島寿司というのは白身の醤油漬けを,
わさびの代わりに、からしで握る、お寿司なのですが、
小笠原とサワラをかけて、サワラの漬けでにぎるんです。
そして、サンパウロの市場にはすんごいサイズの新鮮なサワラが、
バシバシ水揚げされているんですよね。



サワラがあって、かおりちゃんたちがいて、島寿司があって。
もうそこは小笠原だなあと、サンパウロのど真ん中で感じていました。



僕はなんとなく、島っ子というのが恥ずかしかったり、説明が面倒だったりと
島寿司推しはしてこなかったのですが。



これからの生き方、まずは、島寿司から始めたいなと、ようやく思えるようになりました。


25年もかかったけれど、
子どものころの自分と、ようやくつながれた感じ。

あの頃に、戻りたいわけでもないし、帰りたいわけじゃない。
自分の中の深い深い所で、ずっと今までも一緒にいたことを、
受け入れられたということかなぁ。

「おかえり、島っ子の自分。」



ということで、9月は日本橋で会いましょう。






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