新井律子建築設計事務所のブログ
大阪・北浜で住宅の設計を中心に仕事をしています
 



 今回は琵琶湖の北東部、西に琵琶湖を望み、北東に伊吹山を仰ぐ、湖北の長浜市を訪ねました。同市は羽柴秀吉(豊臣秀吉)の長浜城の城下町として栄え、北国街道や中山道、琵琶湖の水運の要衝としての地位を築いたほか、関ヶ原や姉川の古戦場も近く、国友の名で有名な鉄砲生産の拠点でもありました。集合場所の長浜駅前では、「出逢い」というタイトルの羽柴秀吉と佐吉(後の石田三成)の銅像が目を引きました。
  車で、第1会場のOMソーラーモデルハウスの建物見学に向かいました。
OMソーラーは、冬季は太陽の熱を床下に蓄え暖房や給湯に利用し、夏は床下の冷気を取り込み冷換気に利用するなど、自然を活用した省エネの最先端システムです。

 

 雪が舞散る中を家に入ると大変暖かく、この時期はOMソーラーと連動した補助暖房を使用するとのことですが、自然な感じの暖かさが大変心地良く感じました。講師の太田さんからはパンフレットをいただき、システム図を見ながら詳しい説明を受けました。その説明を思い起こしながら、実際に建物を見学しましたが、小屋裏の機械室では皆さん興味津々の様子でした。

 

加えて、オスモカラーの野尻さんからも、省エネを実現する外付けのブラインド「ヴァレーマ」についての説明を受け、再び長浜駅へと戻りました。
  続いて、ガラスの街「黒壁スクエア」辺りで各自に昼食ですが、私を含め大半の方が長浜名物「鯖そうめん」のお店へ…。 

湖北特有の家庭料理で、焼き鯖とそうめんの相性は抜群!大変美味しく頂戴しました。
  満腹で、第2会場の「慶雲館」に移動し長浜盆梅展を鑑賞。同館は長浜市の迎賓館として建築され、本館と茶室や日本一大きな芭蕉の句碑が有名です。加えて、純和風の回遊式庭園は平安神宮神苑など、多くの造園を手掛けた七代目小川治平衛氏によるもので、近代日本庭園の傑作と言われています。

  

展示会場に一歩足を踏み入れると、約90鉢の盆梅が純和風の座敷に盛大に展示されており、中には高さ3m近い巨木や樹齢400年を超える古木もありました。お庭を背景に季節感溢れる盆梅展は、春を待つ身を楽しませてくれること頻りでした。
  解散後、自由参加で秀吉から長浜町十人衆筆頭を命じられた、北国街道の安藤家を見学しました。現在の建物は明治38年から大正4年にかけて建築されたもので、虫籠窓、紅殻格子などが施された設えは、長浜を代表する近代和風建築となっています。生憎、北大路魯山人が手掛けた、離れの小蘭亭は見学できませんでしたが、安藤家創業の呉服商で使われた九尺の一枚板に彫られた篆刻看板は圧巻で、魯山人の大胆な芸術性に触れることができました。

 

建物も当時の職人さんが端正込めて造り上げたもので、きめ細かな仕事に感心した次第です。
  見どころ満載の一日でした。



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