無線室

無線通信、特に受信に関する考察、実験、感想などを‥‥。

上野東京ラインの周波数はどうなる?

2013-12-09 22:11:25 | 鉄道無線
 JR東日本は本日、宇都宮線・高崎線・常磐線と東海道線を上野・東京経由で連絡する運転系統の愛称を「上野東京ライン」とすると発表しました。上野―東京間は現在、「東北縦貫線」という仮称で建設が進められ、2014年度末、すなわち2015年3月ダイヤ改正で開通する予定です。

 ここで鉄道無線的に気になるのは、列車無線がどうなるかということ。東海道線が東京までD4ch、宇都宮線・高崎線が上野までD2ch、常磐線が上野までD4chとなっています。では、この間の周波数は何chになるのでしょうか?
 以下は予測ですが、上野―東京間はD4chになると考えるのが自然かもしれません。もし仮にD2chとすると、同じ周波数を使う中央快速線が東京―神田間で併走することになり、互いに干渉してしまいます。
 では、D4chでは東海道線と常磐線で干渉してしまうと思うかもしれません。しかしながら、秋葉原もしくは東京の上野方(首都高速都心環状線の高架下付近)で別系統として分けしてしまえば、干渉を避けることが可能です。

 アナログ時代では、横須賀線と総武快速線はA1chを使用していました。千葉―久里浜間を1つの指令系統としていたわけではなく、東京トンネルの品川方坑口を境に、千葉方面を総武快速線、久里浜方面を横須賀線の指令卓の扱いとしていたのです。これは、東京トンネルが開通当初総武快速線として扱われていた名残のようです。
 東京トンネルを走行中の横須賀線下り列車に乗車中、ちょうどA1chで通話がありました。しかし、東京トンネルを品川方坑口から抜けた瞬間、通話が途中で終わってしまったのです。このことから、運転系統では東京を境とする横須賀線と総武快速線は、列車無線的には東京トンネルの品川方坑口が境界となっており、デジタル化した今でも踏襲されています。すなわち、久里浜で総武快速線の指令卓の、千葉で横須賀線の指令卓の通話は聞くことができません。

 このような事例があることから想像するに、仮に上野―東京間でD4ch使用して勝田―来宮間で同じ周波数となったとしても、ある1か所で境界を設ければ東海道線と常磐線でこれまで通り別々の指令卓で運用することが可能なのです。
 ちなみに、境界の予想として秋葉原と東京の上野方を挙げました。根拠は以下の通りです。
 秋葉原は、上野折り返しの電留線があること。東京の上野方は、東京の場内に当たることです。

 実際にどうなるかは、現時点ではわかりません。運転台のチャンネル切り替えも、デジタル化した現在では走行区間に応じて自動的に行われます。
 今から1年3か月後の開通で、この予想が当たっているでしょうか?

13 コメント

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チャンネル自動切替 (仙石CTC)
2013-12-10 17:10:24
AR8200様、ご無沙汰しております。
デジタルチャンネルの自動切替は、どの様にして行われるのでしょうか?

例えば、ある地点に切替を促す為の電波が流れており、そこを通過するとその電波を受信して切り替わるのでしょうか?

或いはATS―Pの地上子とリンクして、そこを通過すると切り替わるのでしょうか?

私は、切り替わる瞬間を見た事が無いのです。

第一、E231系以降の車両は受話器の操作部が天井を向いているので(いわゆる上向き)、チャンネル表示が見えません。

211系でしたら、運転席横に受話器が設置されているので見えますが。

そう言えば、デジタル化されてから「無線切替」の看板を見かけなくなりましたね。

デジタル→アナログの切替駅では見かけました。
(黒磯や甲府等で)
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切り替え判断 (AR8200)
2013-12-10 22:07:46
仙石CTCさん、こんにちは。

デジタル無線のチャンネル切り替えは、乗務員は一切操作していません。
受話器の表示は見えにくいのでTIMSのモニターを注視すると、切り替えが必要な区間に入ると勝手に切り替わります。
例えば、湘南新宿ライン南行は池袋まではD4chですが、池袋からはD3chになります。
列車が池袋に到着すると、自動的に切り替わるのです。
切り替え地点の判断は、TIMSに表示されるキロ程で行っているようです。

なお、「無線切替」の看板は、デジタル化後でもまだ残っています。
おそらく、自動切り替えが機能しない場合を想定いるのではないでしょうか。
先の池袋の場合でも、撤去されずに残存しています。
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TIMSですか (仙石CTC)
2013-12-10 22:37:23
AR8200様、詳しく教えて頂き、ありがとうございます。

こちらでも、E721系にTIMSもどき?が装備されておりますが、そこまで気の利いた機能は有りません。

走行距離で判断するのですね。

勉強になりました。

それと、「無線切替」看板はまだ残っているのですね。

首都圏の列車無線がアナログだった頃、上野と東京の中間点である秋葉原では、2CHと4CHはどの様に無線が受信出来るか聞いた事が有りました。

東北・中央の2CHはややごちゃごちゃした感じの空線信号でしたが、4CHはモロに隣の中央・総武緩行線の空線信号を拾ってしまって雑音混じりだった記憶が有ります。

受信機の空線信号キャンセラーが機能しない程の混信で、参りました!

秋葉原の、総武・中央のホームの窓から、無線アンテナがかなりの本数で取り付けられていたのを見た記憶が有ります。

間近にアンテナが有れば、近接周波数では被ってしまうのは当然ですね。

ただ、列車に設置されている無線機でしたら、業務用ですから混信も少ないでしょう。

無線機は水晶発振ですので、隣の周波数もスッパリ切ってしまうのでしょうね。

京浜東北の6CHを聞いていても、列車が秋葉原に着くとやはり中央・総武の5CHを拾って空線信号が「ビー」と被っていた記憶が有ります。

今思えば、そんな時代が懐かしいです。

仙台近辺で聞こえる空線信号、もっと大事に聞かなくてはなりませんね。
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カブり (AR8200)
2013-12-12 00:35:22
仙石CTCさん、こんにちは。

秋葉原でのカブり、懐かしいですね。
この隣接周波数のカブりですが、実はちゃんとした原因があるのです。

そもそも、受信機のナローFMモードは、20kHzステップでの帯域幅になっています。
12.5kHzステップの局を聞こうとすると、受信機側の帯域幅が広いせいで隣接周波数まで拾ってしまうのです。
ナローFMより狭いスーパーナローFMモードがあればいいのですが、ハンディ機でそこまで搭載しているのはAR8200シリーズくらいのはずです。
でも、AR8200シリーズのスーパーナローFMモードは12.5kHzステップよりも広い帯域のようです。

ハンディ機では、コスト削減のためにFMモードは放送用のワイドと20kHzステップの帯域幅のナローの2種類しか搭載していません。
通信用のナローFMは、アマチュア無線にあわせた20kHzステップですべて賄わなければならないのです。
帯域幅を可変できるのは超高級機ぐらいではないでしょうか?

なので、JRのアナログはこのような事情もあって隣接周波数がカブってしまうのです。
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参考になりました (仙石CTC)
2013-12-12 12:53:06
なるほど、帯域ですか。

大昔のアマチュア機は、帯域が40KHz有り、その後ナロー化されましたね。

その頃の無線機は、まだ水晶式でしたが、ナロー化で色々大変だったと聞いております。

旧国鉄の、Cタイプ無線機(あのでかいやつです)の本体右側に「狭」の赤枠シールが貼られておりましたが、あれはナロー化済を意味する物だったのでしょうか?
ナロー、いわゆる狭帯域なので理屈は通ります。

昭和40年代に、当時としてはあの様な小さい無線機をよく開発したと思います。
しかも、400MHzという高い周波数の機器をあの中に詰め込んだのは、当時の国鉄の技術者の賜物でしょう。

とはいえ電池を入れて3Kg弱の重量では、ずっと肩から掛けていたら疲れた事と思います。

あの頃の、旧客の車掌さんは大変でしたね。

大きい駅では駅員が発車合図を出しますが、小さい駅では車掌が発車合図を出さなくてはなりません。

古い鉄道雑誌に、あの重たい無線機を片手で操作していた車掌さんの姿が載っておりましたが、今となっては懐かしい光景です。

JR東管内(東北地方)では、JR発足当時はあのでかい無線機を使用しておりましたが、翌年(1988年)には日立製の小型の物に取り替えられました。

一部の東の車両と、JR貨物の車両には、三菱製の無線機が取り付けられております。

三菱製の無線機は、元々の車両の充電器(差込器)にアダプターと側板(金属製)を嵌め込むだけで昔の無線機のサイズで使用出来る様になっております。

文字で表現するのは難しいですが、今もJR四国で使われている三菱の無線機は、横幅も縦幅も高さも昔の国鉄無線機と同じサイズで使われております。

首都圏では、Cタイプを見掛ける事は少ないですが、こちらではまだまだ主力です。

Cタイプ無線機、単純な無線機ですが中々奥が深いです。

(話がデジタル列車無線から飛びまして、申し訳ありません)
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Cタイプ (AR8200)
2013-12-12 22:31:35
仙石CTCさん、こんにちは。

Cタイプ無線機は、未だに国鉄時代のものを使っているところがありますね。
懐かしの「JNR」のロゴが、ここだけ健在だったりします。
分割民営化からすでに26年が経過していますから、少なくともそれ以上前に製造されたものでしょう。
やはり、業務無線機はこのくらいの堅牢さがないといけませんねw
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丈夫で長持ち (仙石CTC)
2013-12-13 23:26:36
国鉄解体から四半世紀を過ぎ、段々と消えゆく国鉄の物々ですが、僅かながらもまだあのマークは残っております。

あの頃作られた無線機は、今でも使われている事に嬉しさを感じますね。

ただ、現場からすれば突発的な無線機の故障に対応するのはさぞ大変な事でしょう。

何分、古い無線機ですから。

何れ、国鉄型無線機も記憶の彼方に消えてしまうでしょう。

寂しいですね。
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ありがとうございます。 (三陸特でデジタル列車無線に出れるわけがない!!)
2014-03-17 04:32:50
主様、ご配慮大変感謝致します。
またご迷惑をお掛けしましたこと、お詫び申し上げます。


さて、前々からとても興味深くて面白い話題で興味を持ちつつも、書き込みを躊躇っていたら遅くなりましたこと、お許しください。

まずは私が勝手に推測して導入される可能性が高いだろうと踏んでいるD4chを使用した場合です。
ご存知かと思いますが、アナログ時代の情報(既報)でも東海道線(東京~来宮)は3つ、常磐線(上野~勝田)も3つのゾーン構成にて通話エリアが成り立っています。

しかしながら大元の中央装置が常磐と東海道に別れているので、今のままだとLCXで上野~東京を繋いだとしても、恐らくゾーン(常磐・東海道)の完全な分断点になるであろう秋葉原駅付近で完全に卓そのものが変わるのではないかと踏んでいます。

すなわち、もし常磐ゾーンで通話しながら列車が秋葉原駅付近のゾーン境界を越えた場合、一旦終話して再度東海道卓から呼び掛けるという形になってしまうのではないかとも思います。

それではかなり不便で面倒なので、もしかするとそれを補完する形でそれぞれの卓で最低限通話エリアを確保している可能性(東海道卓で常磐の秋葉原~取手/常磐卓で東海道の秋葉原~横浜・戸塚)やあえて上野と東京で切って横須賀/総武快速線みたいにするかもしれないですね。(←さすがに東京駅長は出てこないでしょうけど…)

いくつかやりそうなケースは思い付きますが、でもやはり御徒町駅~秋葉原駅間にある電留線を踏まえトータルに考えれば、D4chを持ってきて、秋葉原駅らへんで【周波数そのままでゾーン切替】が一番整合性があると思われます。
線路や架線柱、信号機や専用の出発時期表示機も付いたりしてますが、来年開業するにも関わらず昨日現在では、まだLCXなどが敷設される気配がありません。

いずれにせよ万が一、上野東京ライン用のチャンネルが設定された場合でも、あの辺りは近接する路線もいくつかあるが故に使えるチャンネル(1chor3ch)が限られ絞られてきますからおのずと推測ながらいくつか現実的なものが見えてきます。


また某帳に記載の常磐快速線のゾーンは間違いです。
だいぶ前から某月刊誌にも訂正情報を送ってますが、一向に掲載されない上、情報もまったく修正されもしないので、この場をお借りしてお知らせ致します。


常磐快速線/D4ch
①上野~取手・藤代(取手駅水戸方の引上げ線が終わってすぐ)/東鉄指令
②取手・藤代~羽鳥・岩間(カゴメ茨城工場付近)/東鉄指令
③羽鳥・岩間~勝田・佐和(勝田車両センターを過ぎてしばらく行った所)/水戸指令


長々と失礼しました。
個人的な持論などを踏まえておりますので、誤りなどございましたらご指摘いただけますと幸いです。
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情報提供ありがとうございます (AR8200)
2014-03-17 12:02:02
三陸特でデジタル列車無線に出れるわけがない!!さん、こんにちは。

常磐快速線のゾーン情報ありがとうございます。
可能性としてですが、上野―東京間だけLCXを敷設して、東海道卓、常磐卓両方が受け持つかもしれませんね。
ただ、現実問題として秋葉原で区切った方がいろいろ面倒ではなさそうです。
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ついに現実的に・・・ (三陸特でデジタル列車無線に出れるわけがない!!)
2014-08-04 01:51:26
AR8200さん

ご無沙汰しております。
上野東京ラインの一般公開もされ、LCXが使われていないのを確認しました。

そして上野と東京のホーム先端に【無線切替】の看板がつきました。


どうやらD4chは使われないようです。
というのも上野駅の標識に高崎支社同様【無線切替 常磐→東北】の表記があったからです。

ただ、宇都宮線は2chですから、中央快速線と秋葉原付近から混線してしまいますので不思議に思っています。

まさか近日中に宇都宮線が唯一空いている3chに変波したりして・・・なんて今までを覆す妄想をしたりしています。

実は先日、臨時になった「あけぼの」を見に行きました。
その時、機関車の進行逆エンド側(客車がある東京側)の無線機のチャンネル表示がデジタル3chになっていたのです。

たまたま自動追従されずにいたのかと思ったんですが、あの標識の件や東京での使用可能チャンネルを踏まえると3chに変波していてもおかしくない気がします。

実際に宇都宮線を走行するE231などの運転台を見たわけではないですし、赤羽や大宮での埼京線との絡みもありますので実際に3chが使われているとなると上野~東京間のみの区間限定なのかなとも思います。

いずれにせよ、情報や目撃したものをじっくり精査しなければいけないようですね。
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