夕暮れのフクロウ

―――すべての理論は灰色で、生命は緑なす樹。ヘーゲル概念論の研究のために―――(赤尾秀一の研究ブログ)

ヘーゲル『哲学入門』 中級 第二段 自己意識 第三十節 [同じ自己意識としての「私」と他者]

2024年03月05日 | ヘーゲル『哲学入門』

 

ヘーゲル『哲学入門』 中級 第二段 自意識 第三十節[同じ自己意識としての「私」と他者]

§30

Ein Selbstbewusstsein, das für ein anderes ist, ist nicht als bloßes Objekt für dasselbe, sondern als  sein anderes Selbst. Ich ist keine abstrakte Allgemeinheit, in der als solcher kein Unter­schied oder Bestimmung ist. Indem Ich also dem Ich Gegenstand ist, ist es ihm nach dieser Seite als dasselbe, was es ist. Es schauet im Andern sich selbst an.

第三十節[同じ自己意識としての「私」と他者]

他者に対して存在する一つの自己意識は、他者に対する単なる客体としての自己意識ではなくて、むしろ、自己意識の他のもう一人の自己として 存在している。「私」とは、その中にこうした何の区別も規定もない抽象的な普遍性ではない。「私」は「私」を対象としているのだから、「私」をこの側面から見れば、彼も「私」としてあるところと同じものとして存在している。「私」は他者のうちに自己自身を直観している。

 

※1
「私」も「他者」も、同じ自己意識であることには変わりはない。だから「私」は他者のうちに自己を見ることになる。

 

 

 


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