あんぺんの間

日常の隙間、ちょっとしたことを書いていく日記です。

ごにょごにょ言うなって

2006年09月11日 20時16分17秒 | Weblog
昨日テレビで維新派の「ナツノトビラ」を見た。
すごい迫力…
自然と拍を取ってしまうが、難しい。8拍子とかじゃなくて5とかでやっているのかな。以前よりはある程度動きを分解して見れた。小道具も凝ってて、影絵のよう。人の影も大きく出ている。音楽というより音やリズムに乗せて、声を出したり音を出したり言葉を発したりする。これがグルーブか…。ストーリーがあって、切ない夏のうだるような温度を感じる。少ない言葉群から色々想像してしまう。
ちゃんと皆自分がどのリズムで歩いて声出して…をきちっとやるとこういう独特の、複雑で一見感性でやっているような錯覚のものになるのか。逆説的というか、すごく計算して組み立てて、でもそう見えないものを目指すような。感情とか情緒的なものを排除して、そうして出来上がったものには感傷やらメッセージがくっきり浮かび上がっている。言葉を尽くすよりもっと雄弁な、およそ演劇ぽくはないのにすごく「芝居」を観た感があった。変な感じ…。

京都でbird's-eye viewの「girl girl boy girl boy」を観た時も思ったけど、どんどん境界が曖昧に融合していくのだろうな。映像とかだけじゃなくて、体の使い方も言葉の使い方も、ダンスや台詞としてじゃなくて、からだと音として単純化されて、自由度が高まるような。別に舞踏とか専門にやっているか否かより、根っこは違わないから区別より取り入れ方次第~で。舞台に立って体と言葉を使う、何か根本に立ち帰る形…。見失わなければ捉われず自由にやれるよねという。何度も同じ様なことを言っているな…単に自分がそういう方が好きなだけだ。何にせよ色々あるほうがいい。

「girl…」は台詞が英語だったり、マネキンと喋ったり、即興ゲームをしたり、ペットボトルで人形劇的なことをしたり。今まで自分が見たことない形で、お芝居感はなく自由で新鮮だった。コントを見てるみたいに笑いっぱなしで、でも薄ら寒くなるような、笑うせぇるすまん的な面白さの劇もあったりして。オムニバス形式。でも全体として共通している要素があり、全体がまとまって見える。「人対人の関係性」(特に男と女の関係、すれ違いや噛み合わなさ)というテーマ、だったり、笑い。システムというかルールが分かりやすい(誰に何が見えてて、何が見えてないとか。ハイタッチで人が交代とか)形にしてあって、短い時間でも世界に入っていけた。あと台詞が面白いのもそうだけど、それをちゃんとそれぞれ気負いなく喋っているのは全体のつくりと合っていた。

インターバルゆみこ、『もうトーキングはよそう…』、『私のなかにマチルダを感じるわ』、notたぬき、とかそれだけだと伝わらないけど。センス。
こういうのやれたら、こういうの面白いとひしひし思って、でももうやられちゃったからやらないぞ、という。珍しくメラメラっとなった瞬間、だったなぁ。思い出せ、思い出せ