あんぺんの間

日常の隙間、ちょっとしたことを書いていく日記です。

観劇覚書:OZ

2005年04月13日 22時13分12秒 | 観劇覚書
*個人的感想です

STUDIO LIFE公演 「OZ(オズ)」原作:樹なつみ 脚本・演出:倉田淳

感想は、「長かった」。
まず一つ目。
原作が長いせいなのかな?とにかく話がぶつ切りで長かったように思う。
原作に振り回されない脚本づくりの大切さと難しさが分かった。
二つ目。
成人男性が女を演じるということ。
男が女を演じるメリット、魅力、必然性が感じられなかった。
成人男性が女装して、しな作って、声作って。
私は正直見ていられなかった。
男が女性を演じるなら、男が演じるが故の女の魅力をもっと大切に考えて欲しかった。

唯一、「素晴らしい!!」と感じたのは、1024役の姜さん。
女としての作りこみは全くなく、声も動作も自然体。
なのに、「男」ではない。そこにいた誰よりも女の魅力、色気を私は感じた。
それはたぶん、姜さんが自分の中の女の部分を引き出し、且つ男の視点で自分の演じる「女」を
しっかり見つめていたからではないだろうか。
しなを作ることは無い。けれど髪を耳にかける、といったちょっとした仕草は本当に繊細。
声を作ることは無い。けれど好きな人を前にすると声が甘くなる。
女性らしい格好でもない。けれど身のこなしや、男の背中に回す指先が、女の色気を放つ。
すごい役者さんだな、と思った。
周囲の真似をせず、自分をよく知っているんだなと。
男役では、ネイト役の高根さん、武藤役の山本さんが良かった。

いい役者さんに会えると、それだけで嬉しくて、得した気分になります!
ホントに勉強になった公演でした。
                  (4月5日 福岡市民会館にて)