Una voce poco fa・・・

日々のつぶやき、舞台の記録など。。

Teatro Comunale Mario Del Monaco di Treviso

2017年02月05日 | イタリアの劇場
イタリアで行った劇場シリーズ、その1
トレヴィーゾ市立マリオ・デル・モナコ劇場

第1弾からいきなり日本語で書かれた資料が何も無いですが・・・・
英語も見当たりませんが・・・・ 
だからなかなか書けなかったんですが・・・・
(と思ったら、現地で貰ってきた観光MAPにあったQRコードからアクセスすると辛うじて短い紹介文がありました

ヴェネツィアから電車で40分ほどの、トレヴィーゾという町にある、客席数680の劇場。
3、4年前、劇場のHPで写真を見た瞬間、ここに行ってみたい!と思っちゃったのよね~。
 劇場HPより

平土間の座席は14列(そのうち前3列はオケピットに)、1列が最大16席なのでとてもコンパクト。
オペラなら最後列でも11列目ということになります(!)
平土間の回りには4層のパルコ(ボックス席)、その上に桟敷席があり、立派な「劇場」の造りをしています。なかなか素敵でしょ

エントランス・ホール
 

 


劇場正面は隣の建物と続いていて、うっかりすると気が付かない感じ。表にはためいているイタリア国旗が目印、かな。(たぶん)改修後に入口部分が隣の建物に拡張されて、チケット売り場はそちらに張り出す形になっています。

  

1692年に最初の劇場が建てられ、2度の火災を経て1869年に建てられたのが今の劇場。
戦争で壊滅的被害を受けたトレヴィーゾ市が1945年に一度民間に売却してしまったものの、5年後に裁判所が売却の無効を言い渡してめでたく「Comunale」に戻った、とのこと。

2000年に入って改修されて椅子はフカフカだし内装も綺麗。「1998年に使用不可(inagibilita)のため閉鎖された」とあるから、かなり老朽化していたのでしょうか。改修工事は建物の様式や構造はそのままに、音響面は改善されているとのこと。

で、せっかく改修されたのにトイレの数がとっても少ないのが惜しい。イタリアの劇場では珍しいことではないけどここは特に少なかったねぇ。これ以上スペースが取れなかったから仕方ない、のかしら。。
他のフロアはどうかわからないけど、1階平土間席から行くトイレは男女それぞれ個室1つずつのみ(反対サイドにもあったかどうかは未確認)。それも女子トイレは身障者用も兼ねてるから大変!
ここでイタリアン・マダムの壮絶なバトルを見てしまった私・・・・・

楽屋口周りはモダンな造り


フェルッチョ・フルラネットがインタヴューで、若い頃ここで「ドン・カルロ」を見たと語っていました。
毎年声楽コンクールが開催されて、その入賞者をキャスティングしたオペラが上演されています。予め演目が発表されて、それぞれの役を目指してコンクールに臨む、というシステムのようです。
受賞者の中にもフルラネットの名前があるし、同じ年にアレッサンドロ・コルベッリも。ほかにマリエッラ・デヴィ―ア、イルデブランド・ダルカンジェロ、ブルーノ・デ・シモーネ、そしてもちろんロレンツォ・レガッツォも。日本人の名前もみられます。
ナターレ・デ・カロリスって、どっかで聞いたことが・・・と思ったら、野田秀樹の「フィガロの結婚」(2015年)で伯爵役だった人ですねぇ。

☆フルラレネットのインタヴュー
ジャパン・アーツ
WEBぶらあぼ

2011年から「マリオ・デル・モナコ劇場」と改名されたということで、トレヴィーゾとデル・モナコとどういう関係があったのか?プロフィールを見てもよくわからなかったのですが、
フィレンツェ生まれのデル・モナコがトレヴィーゾに移り住んだことから、彼に捧げられたということです。

私が泊まったB&Bの前の広場にデル・モナコの像が立っていました。


コメント (6)