心のかけこみ寺

占い講師「庵 妃慧」の徒然日記

“墓前”にて

2006年08月20日 11時27分47秒 | Weblog
夏の太陽が照りつける下でのお墓参りだけれど、誰も日傘を必要としていない。
「暑いね!」と言う言葉も不必要である。
見渡すと墓地全体に人影がなく、私達一家だけである。

「子供の頃、少しでもお世話を掛けたと思う人、石碑を綺麗に拭いて下さい」
「分かっているよ、拭いてるよ」
息子が言った。
皆それなりに祖父母の恩恵を受けているが、自分が一番、助けて貰ったと感じているのだろう
「僕も、お墓参りに行きたい!」と、申し出た息子である。

気が付くと、皆でお墓を囲んで立っていた。
「この家紋は、珍しいのよ!“登り亀”と言ってね、滅多にみつからないものです」

{お父ちゃん、お母ちゃん、やっと来ました。こんなに多くの家族で。
貴方方の知らない女性は、姉の三男坊のお嫁さんですよ!
この場には、三人の孫と二人のお嫁さん、そして大きくなった岡山のひ孫と東京のaiです。

昔は何時も、実家に男の子の孫が集まると
「大人しくしなよ、ガサガサしないでよ、静かに座っていてよ!危ない場所に虫を探しに行かないで…」
お母ちゃん、その言葉を毎度孫に言い聞かせていたわね!しかし、その言葉を聞かされていたその孫達が三人揃って来てくれたのだよ!
もう一人の大人しい孫は、今回参加出来なかったのは、奥さんが身重で無理は出来ないからね、そうそう遅まきの結婚でね、赤ちゃんにも恵まれたのだよ、もう心配はいらないよ。

貴方方は、幸せだと思います。
可愛がって貰った有難さを忘れていない“孫とひ孫”に「感謝されてね!」
墓地の中から叫びなさい。
「みんな良く来てくれたね、ありがとう」って。

私も元気です。
この頃思い出しては、つくづくあの時の言葉に感謝しています。
当時の父と母の気持ちが良く分かります。

{病後の私の背中を撫ぜながら「お願いだから、親より先に死なないでね。長生きしてくれよ!」と懇願した、貴女のその時の苦しい胸の内がこの頃良く分かります。}
本当にありがとう、今は、大変幸せです。次は娘を連れて此処に会いにきます。

「さあ、皆でお参りしましょう」

墓石に、両親に挟まれて妹の戒名が刻まれていた。少し嫉妬を覚えた。


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