きりはりへりをり

あまねそうの短歌ブログ。歌人集団「かばん」所属(16年度副編集人)。歌集『2月31日の空』kindleストアにて販売中

桜橋(かばん2014年6月号)

2014年06月13日 | 短歌紹介

帰り道。ぎりぎり明るさが残っていた時間に、青色の光に照らされて白冷たく浮かび上がった雲を見つけました。実際には青色の光に照らされていた訳ではないのだろうけれど、そうとしか見えない光の返し方でした。いよいよ夏ですね。

さて、「かばん6月号」が出ましたので、出詠した歌をこちらに掲載します。少し季節は逆戻りです。


桜橋  あまねそう

一呼吸おいて鳴り出すオルガンのように歩めり京島の春

新東京タワーが此処に建つという遠近法でも君より高く

天水尊タンクに耳をあててみれば水のひいやり震えいる音

業平の名の残る町ラーメンののびることなきサンプル多し

震災も空襲も経た業平の地図に四角い区画が並ぶ

業平橋駅はとうきょうスカイツリー駅に 居酒屋うさぎはうさぎ

橋多き町を行き交う人の目の皆上を向く空ひらければ

橋のない理由は昔、橋のある理由も昔、ただ桜橋



ここしばらく(これからもしばらく)、かばん関西歌会のブログの更新を担当しています。歌会記を中心に、かばん関西有志で発行している歌集等の紹介もしていますので、ぜひご覧ください。今月はかばん関西歌会の進行役にもなっています。西へ西へと行きたい気分。
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