もうすぐ2月31日。
そこで、AmazonのKindleストアより販売中の歌集『2月31日の空』の無料キャンペーンを開始しました。
期間は本日2月27日より2月31日の日没頃までの5日間です。
前回の発売直後のキャンペーンは謹呈の意味合いが強かったのですが、今回はここ1年間のスマホやタブレットの普及に伴う短歌読者の拡大のための企画です。Kindleの電子書籍は、Kindle端末だけでなく、スマホやタブレットのKindleアプリ(無料)でも読むことができます。
電子書籍でしかできない試み。この機会にぜひお読みいただければと思います。また、お近くの方にもお伝えください。よろしくお願いいたします。
▼Kindleストア 『歌集 2月31日の空』はこちら
ロングボード(2月31日の空より抜粋) あまねそう
傷つきしロングボードは墓碑のようガレージ裏に野菊が咲けば
白色に濃さのあること思いつつ牛乳を飲む 雨の降る朝
開通を待つ海道の信号機目の黒きまま並んでおりぬ
人ひとり死んでくような風が吹く16号の地下くぐるたび
傷跡をさらして海に真向かえば友の腋の毛みな生えており
呼吸器をはずしたような静けさにときはなたれて海は金色
先週の大雪から一週間、また東京に大雪予報が出ています。ちょうど雪についての連作を、かばん2014年2月号に出詠しています。連作8首。【 】内はルビになります。
静寂の単位 あまねそう
新鮮な寒気にのった雪の香に鼻腔をひらき我白くなる
氷点下とは静寂の単位なり雪を踏む音だけが聞こえて
エンジンを止めて峠に息つけば「凍結注意」ただ光りおり
独りなら君を温める心配もせずに寒さはただ自分事
渓谷の夜に降り出した雪はまだiPhoneのほか光を知らぬ
ぬばたまの夜の液晶【Retina】に雪は落ち三原色で縁取られてく
ステレオは低音のみを車外へと伝えどどんど雪を降らせる
「電脳」が死語になりゆく 朝なのか夜かは問わず降るだけの雪