今月の歌会では、かばんカフェということで、拙歌連作「ファイバーと虚数の世界」を1時間ほど扱っていただくことになった。以下当日のレポートを。(この連作についてはこちら)
自宅のある足立区から吉祥寺の武蔵野公会堂に向け、いざ出発! 昂る気持ちをおさえようと、ウォークマンでS.E.N.S.のベスト版をききながら、舎人ライナーに乗るが…いきなりバッテリーが点滅。とはいえ、30分くらいは再生できたので、まぁよしよしといったスタートだ。
山手線が遅れたものの予定通り吉祥寺着。若干時間があったので、ドトールでカフェラテを飲みながら、ぼ~っとする。…不安がよぎる。ぼこぼこに言われたらどうしよう(-.-;;
カフェラテに暖められて公会堂へ。歌会開始5分前に会議室に入ったら、あらら、僕と歌会係のオカザキさんだけしかいないじゃん(^^;; 時間が過ぎていくと少しずつ会員の方々が増えていき、結局1時半からかばんカフェスタートとなった。
さて、「ファイバー…」を読み込んでくると言っていた編集長の柳谷さんが僕の目の前に座っている(^^;;;
柳谷さん「本人が目の前にいると言いにくい。泣かせるかも。」 (…恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖!)
ところがはじまってみると、かばんの歌会らしく和やかな雰囲気で進む。
「実感のない実感を連作全体で表して、好感がもてる。」
「最後の10首で自分の身近にひきつけていてひっくりかえしている。連作のよさがある。」「井上陽水の『傘がない』のようなひっくりかえしかたみたいだ。」「ただ、最後の10首の前フリとしての20首は多くないか?」「逆に後半が10首以上だと、もたなくなるのではないか。」
誰かが発言し、それについて誰かが反論したり共感したりしてくれる。
「ラダックの歌(曼荼羅に描かれし夢 彼もまた忘れられゆくラダックの民)などはもっと前でもよかったのでは。」「もっと順番を工夫したほうがよかった。(書き損じハガキ回収ボックスにハガキを入れて心清まる)(リサイクルトレイ回収ボックスにトレイ落としてしずまる心)の2首は並べるべきではなかったか。」
基本的に評の最中に作者はしゃべらない…
「あ~~~しゃべりたい!!!!」
という気持ちをおさえつつ、手に汗をかきながら歌舞伎揚げを食べつつ、じっと聴いている。
「前半が平板すぎておもしろくないなぁ。テレビで見たまんま。(イマジンの想定しない世界からマッターホルン溶けだしてゆく)なんかはおもしろいなと思うんだけど…」「観点の全く異なる歌があったほうが引き締まったのではないか。例えば恋の歌とか。」
「(日比谷線六本木駅で降りる人乗る人みんななにかおかしい)の歌は、おかしいことをおかしいとしか表現されていなくて残念。」「みんなおかしいの『みんな』が、いろいろな良い面もバッサリと切り落としてしまっているようでもったいない。」
さまざまな意見をいただき、最後にそれぞれの方(10人の方)から、3首ずつ選歌していただいた。一番票の入った歌が次の歌。4人の方が選んでくれた。連作の一番最後においた歌。
●更新の止まったブログ(生きていますか)過ぎた明日を思いつづける そう
続いて3人の方が票を入れてくれた歌が以下3首。
●氷河湖はいまだ冷たい私には感知できない融点がある
●広がった砂漠はきっと砂時計戻らぬ時を落とし続ける
●ガラガラと砕けていった現実の欠片を拾う千手観音
短歌研究の年鑑に選んでいただいた3首と見事に重ならない。やっぱり短歌にはいろんな味わい方があるんだな~と思う。
さらに、自選3首をと言われ、次の歌をあげた。
●リサイクルトレイ回収ボックスにトレイ落としてしずまる心
●陸海空みんなまぼろし素晴らしきかなファイバーと虚数の世界
●更新の止まったブログ(生きていますか)過ぎた明日を思いつづける
最後にひとこととのことで、「子どもに社会をいかにリアルなものとして伝えるかに悩んでいるが、結局回収ボックスという次元でしか実感がもてないことに無力感を感じる」など、歌の制作背景について語る(でも実は僕の歌には教員目線で詠んだ歌がほとんどないのだ)。
ここで、かばんカフェ終了~! めったにない機会にかなり充実感を感じたなぁ。パンプキンのカントリーマアムに気をとられながらやっぱり手が歌舞伎揚げに。
つづいて歌会に参加されている方々の11月号の作品評にうつる。11月号では前号評を担当したので、なるべくたくさんのコメントを言えるように心がける。でも作者を目の前にして評をするのはかなりのスリルだ。でもこのスリルが自分を鍛えるんだろうと腹をくくって(少し積極的に)しゃべってみた。途中ぐだぐだになりつつ、歌舞伎揚げ3枚目を食べつつ、なんとか終了(^^;
その後公会堂を出て、近くの喫茶店へ。コーヒーを飲みながらさまざまな雑談をする。
いろいろな人の話に耳をかたむける。作品上では知っている人なのにお会いしたのははじめてという方が多く、どんな話がでてくるのか興味津々でキョロキョロしていた。
・アラビア語は右から左に向けて書く。(少し賢くなった気がするぞ)
・天昵の昵の字の変換についてのサプライズ。(本日最大のショック…)
・Perfumeは案外深いらしい。(ちゃんと聴いたことないなぁ~)
喫茶店の店員さんが、かなり遠くから水を注いでくれる。あのおじさんはこの技を完成させるために一体何回お客のズボンを濡らしただろうか? なんてことを思いつつさらに話を聴く。
・「○○さんの別名は○○だったんだ!」(秘)
・「来月のクリスマス会どうしようか」(おぅっ、そんなのがあるのね)
などなど。基本的に人見知りするタイプなのだが、なんか独特な和みモードで すっと溶け込めた。やっぱりかばんは不思議だ。
お茶会まで参加し、ここから帰途についた。
会員のみなさんの歌の雰囲気と、実際にお会いした印象を重ね合わせて、ひとりで勝手に納得しながら帰る。ウォークマンの電源が切れていたので、ぼけ~っとしたり、今日の歌会資料を読み返したりしながら、中央線に揺られる。
途中で、「あっそうだ! ケータイかえたのでワンセグがあるぞ!」と気づいて、8時からケータイで「篤姫」を見はじめる。山手線西日暮里駅は電波の入りが悪いのだが、日暮里・舎人ライナーはかなり高いところを走っているので、はっきり見みることができた。ともあれすごい技術だ。
で、「無血開城」。泣けるね~。家定公が久しぶりに登場。大河ドラマのお約束というかなんというか、佳境に入ったところでユーレイがでてくる。でも堺さんの演技が抜群なのでOKOK。
そんな感じで、無事に帰ってきた。そうだ、もうすぐ12月号が届くぞ。来月の歌会のかばんカフェは穂村さんの連作を扱うとのこと。これもおもしろそうだな~。
ということで、歌会レポこのへんでm(_ _)m
自宅のある足立区から吉祥寺の武蔵野公会堂に向け、いざ出発! 昂る気持ちをおさえようと、ウォークマンでS.E.N.S.のベスト版をききながら、舎人ライナーに乗るが…いきなりバッテリーが点滅。とはいえ、30分くらいは再生できたので、まぁよしよしといったスタートだ。
山手線が遅れたものの予定通り吉祥寺着。若干時間があったので、ドトールでカフェラテを飲みながら、ぼ~っとする。…不安がよぎる。ぼこぼこに言われたらどうしよう(-.-;;
カフェラテに暖められて公会堂へ。歌会開始5分前に会議室に入ったら、あらら、僕と歌会係のオカザキさんだけしかいないじゃん(^^;; 時間が過ぎていくと少しずつ会員の方々が増えていき、結局1時半からかばんカフェスタートとなった。
さて、「ファイバー…」を読み込んでくると言っていた編集長の柳谷さんが僕の目の前に座っている(^^;;;
柳谷さん「本人が目の前にいると言いにくい。泣かせるかも。」 (…恐怖恐怖恐怖恐怖恐怖!)
ところがはじまってみると、かばんの歌会らしく和やかな雰囲気で進む。
「実感のない実感を連作全体で表して、好感がもてる。」
「最後の10首で自分の身近にひきつけていてひっくりかえしている。連作のよさがある。」「井上陽水の『傘がない』のようなひっくりかえしかたみたいだ。」「ただ、最後の10首の前フリとしての20首は多くないか?」「逆に後半が10首以上だと、もたなくなるのではないか。」
誰かが発言し、それについて誰かが反論したり共感したりしてくれる。
「ラダックの歌(曼荼羅に描かれし夢 彼もまた忘れられゆくラダックの民)などはもっと前でもよかったのでは。」「もっと順番を工夫したほうがよかった。(書き損じハガキ回収ボックスにハガキを入れて心清まる)(リサイクルトレイ回収ボックスにトレイ落としてしずまる心)の2首は並べるべきではなかったか。」
基本的に評の最中に作者はしゃべらない…
「あ~~~しゃべりたい!!!!」
という気持ちをおさえつつ、手に汗をかきながら歌舞伎揚げを食べつつ、じっと聴いている。
「前半が平板すぎておもしろくないなぁ。テレビで見たまんま。(イマジンの想定しない世界からマッターホルン溶けだしてゆく)なんかはおもしろいなと思うんだけど…」「観点の全く異なる歌があったほうが引き締まったのではないか。例えば恋の歌とか。」
「(日比谷線六本木駅で降りる人乗る人みんななにかおかしい)の歌は、おかしいことをおかしいとしか表現されていなくて残念。」「みんなおかしいの『みんな』が、いろいろな良い面もバッサリと切り落としてしまっているようでもったいない。」
さまざまな意見をいただき、最後にそれぞれの方(10人の方)から、3首ずつ選歌していただいた。一番票の入った歌が次の歌。4人の方が選んでくれた。連作の一番最後においた歌。
●更新の止まったブログ(生きていますか)過ぎた明日を思いつづける そう
続いて3人の方が票を入れてくれた歌が以下3首。
●氷河湖はいまだ冷たい私には感知できない融点がある
●広がった砂漠はきっと砂時計戻らぬ時を落とし続ける
●ガラガラと砕けていった現実の欠片を拾う千手観音
短歌研究の年鑑に選んでいただいた3首と見事に重ならない。やっぱり短歌にはいろんな味わい方があるんだな~と思う。
さらに、自選3首をと言われ、次の歌をあげた。
●リサイクルトレイ回収ボックスにトレイ落としてしずまる心
●陸海空みんなまぼろし素晴らしきかなファイバーと虚数の世界
●更新の止まったブログ(生きていますか)過ぎた明日を思いつづける
最後にひとこととのことで、「子どもに社会をいかにリアルなものとして伝えるかに悩んでいるが、結局回収ボックスという次元でしか実感がもてないことに無力感を感じる」など、歌の制作背景について語る(でも実は僕の歌には教員目線で詠んだ歌がほとんどないのだ)。
ここで、かばんカフェ終了~! めったにない機会にかなり充実感を感じたなぁ。パンプキンのカントリーマアムに気をとられながらやっぱり手が歌舞伎揚げに。
つづいて歌会に参加されている方々の11月号の作品評にうつる。11月号では前号評を担当したので、なるべくたくさんのコメントを言えるように心がける。でも作者を目の前にして評をするのはかなりのスリルだ。でもこのスリルが自分を鍛えるんだろうと腹をくくって(少し積極的に)しゃべってみた。途中ぐだぐだになりつつ、歌舞伎揚げ3枚目を食べつつ、なんとか終了(^^;
その後公会堂を出て、近くの喫茶店へ。コーヒーを飲みながらさまざまな雑談をする。
いろいろな人の話に耳をかたむける。作品上では知っている人なのにお会いしたのははじめてという方が多く、どんな話がでてくるのか興味津々でキョロキョロしていた。
・アラビア語は右から左に向けて書く。(少し賢くなった気がするぞ)
・天昵の昵の字の変換についてのサプライズ。(本日最大のショック…)
・Perfumeは案外深いらしい。(ちゃんと聴いたことないなぁ~)
喫茶店の店員さんが、かなり遠くから水を注いでくれる。あのおじさんはこの技を完成させるために一体何回お客のズボンを濡らしただろうか? なんてことを思いつつさらに話を聴く。
・「○○さんの別名は○○だったんだ!」(秘)
・「来月のクリスマス会どうしようか」(おぅっ、そんなのがあるのね)
などなど。基本的に人見知りするタイプなのだが、なんか独特な和みモードで すっと溶け込めた。やっぱりかばんは不思議だ。
お茶会まで参加し、ここから帰途についた。
会員のみなさんの歌の雰囲気と、実際にお会いした印象を重ね合わせて、ひとりで勝手に納得しながら帰る。ウォークマンの電源が切れていたので、ぼけ~っとしたり、今日の歌会資料を読み返したりしながら、中央線に揺られる。
途中で、「あっそうだ! ケータイかえたのでワンセグがあるぞ!」と気づいて、8時からケータイで「篤姫」を見はじめる。山手線西日暮里駅は電波の入りが悪いのだが、日暮里・舎人ライナーはかなり高いところを走っているので、はっきり見みることができた。ともあれすごい技術だ。
で、「無血開城」。泣けるね~。家定公が久しぶりに登場。大河ドラマのお約束というかなんというか、佳境に入ったところでユーレイがでてくる。でも堺さんの演技が抜群なのでOKOK。
そんな感じで、無事に帰ってきた。そうだ、もうすぐ12月号が届くぞ。来月の歌会のかばんカフェは穂村さんの連作を扱うとのこと。これもおもしろそうだな~。
ということで、歌会レポこのへんでm(_ _)m