2004年8月23日、会社帰り、
チネチッタにて、19:20の回を鑑賞しました。
感想を一言で言うなら、
瞬間的な衝撃や刺激はなく、
じわっと心に染み込んでくる作品です。
決して言葉にしない子供達の心の動きを、
抽象的なモノや風景で表現することで、
観客が自分自身の想像で子供達の心を補うこととなるため、
ひとつひとつの場面が心に残り、引っ掛かり、
言葉で表現するよりも強い印象を与えます。
静かだけど生々しい、無機的だけれど有機的、
そんな語り口に、言葉がなくなってしまいます。
誰にも知られない子供達が、
子供達だけの力で健気に生き抜こうとする、
とても悲しく、淋しいお話なのですが、
子供達は子供らしい笑顔と無邪気さで、
それを切り抜けるので、気持ちは暗くならず、
陰惨な印象は受けません。
子供達だけで生活することは、
決して正しいとは言えないのですが、
子供達なりの世界が出来上がっていて、
大人が外の世界から声をかけられないような、
そんな世界観が出来上がっていました。
子供だけで構成された、
ひとつの小さな国を見ているようでした。
子供達の思うことだけが正しい、そんな国。
さてカンヌ映画祭主演男優賞受賞という肩書きから、
つい、主人公の演技に目が行きがちです。
最初は、演技をしているのかどうかわからない半笑いの言動を続け、
それが母親がいて余裕ある楽観的な少年像に感じられるのですが、
映画が進むにつれ、半笑いの言動はなくなり、
その半笑いの欠如が、母親がいなくなったことによる、
余裕のなさ、悲観、そして苛立ちのように感じられ、
けれども嬉しいことがあれば、子供らしい笑顔もなくさない、
そんな表情のひとつひとつが演技ではなく思え、
映画の中で流れる半年間が、映画の中のお話ではなく、
実際に子供達だけで生活してきた中を切り抜けた、
少年そのものかのような印象を受けました。
演技が上手い上手くないではなく、少年そのもの、なのです。
ほのかな恋心の表現なんかも、その頃の子供そのものでしたし。
こんなところが、主演男優賞の決め手だったのかな、とか思います。
というか、周囲の子供達も同じように、
そのもの、だったんですけどね。
出てくるもの全てが、そのもの、のように思えました。
この鑑賞後の感覚、映画と言えるのか、それとも。。。
やはりいい意味で、言葉に出来ません。
今気付きましたが、陰惨にならなかったのには、
もうひとつ理由があった気がします。
子供達が接することのないモノは、
全て無機質で冷たく、優しくないのですが、
カメラを通して監督が子供達を見つめる目だけは、
とても優しい、そんな作品でした。
チネチッタにて、19:20の回を鑑賞しました。
感想を一言で言うなら、
瞬間的な衝撃や刺激はなく、
じわっと心に染み込んでくる作品です。
決して言葉にしない子供達の心の動きを、
抽象的なモノや風景で表現することで、
観客が自分自身の想像で子供達の心を補うこととなるため、
ひとつひとつの場面が心に残り、引っ掛かり、
言葉で表現するよりも強い印象を与えます。
静かだけど生々しい、無機的だけれど有機的、
そんな語り口に、言葉がなくなってしまいます。
誰にも知られない子供達が、
子供達だけの力で健気に生き抜こうとする、
とても悲しく、淋しいお話なのですが、
子供達は子供らしい笑顔と無邪気さで、
それを切り抜けるので、気持ちは暗くならず、
陰惨な印象は受けません。
子供達だけで生活することは、
決して正しいとは言えないのですが、
子供達なりの世界が出来上がっていて、
大人が外の世界から声をかけられないような、
そんな世界観が出来上がっていました。
子供だけで構成された、
ひとつの小さな国を見ているようでした。
子供達の思うことだけが正しい、そんな国。
さてカンヌ映画祭主演男優賞受賞という肩書きから、
つい、主人公の演技に目が行きがちです。
最初は、演技をしているのかどうかわからない半笑いの言動を続け、
それが母親がいて余裕ある楽観的な少年像に感じられるのですが、
映画が進むにつれ、半笑いの言動はなくなり、
その半笑いの欠如が、母親がいなくなったことによる、
余裕のなさ、悲観、そして苛立ちのように感じられ、
けれども嬉しいことがあれば、子供らしい笑顔もなくさない、
そんな表情のひとつひとつが演技ではなく思え、
映画の中で流れる半年間が、映画の中のお話ではなく、
実際に子供達だけで生活してきた中を切り抜けた、
少年そのものかのような印象を受けました。
演技が上手い上手くないではなく、少年そのもの、なのです。
ほのかな恋心の表現なんかも、その頃の子供そのものでしたし。
こんなところが、主演男優賞の決め手だったのかな、とか思います。
というか、周囲の子供達も同じように、
そのもの、だったんですけどね。
出てくるもの全てが、そのもの、のように思えました。
この鑑賞後の感覚、映画と言えるのか、それとも。。。
やはりいい意味で、言葉に出来ません。
今気付きましたが、陰惨にならなかったのには、
もうひとつ理由があった気がします。
子供達が接することのないモノは、
全て無機質で冷たく、優しくないのですが、
カメラを通して監督が子供達を見つめる目だけは、
とても優しい、そんな作品でした。
トラックバックさせていただきました。
>カメラを通して監督が子供達を見つめる目だけは、とても優しい、
そう思いました。
とてつもなく優しい映画だと思いました。
作品全体に漂う優しさが忘れられず、
タテタカコさんの主題歌入アルバムを、
購入してしまいました。
つくづく優しい空気感が心に染みる作品ですよね。
とてもいい映画でした。
>演技が上手い上手くないではなく、少年そのもの、なのです。
そうですね。1年間(?)かけて撮影したそうで、
本当の子供の成長を見ているようでした。
とても優しい作品であることは間違いないですが、
僕には考えさせられることの方が多かったです。
リアルで話せる機会もあまりないので、これからもときどき顔だしますね^^
確かに考えさせられることは多かったです。
決して正しくはないんですけど、
彼らの中では正しいのかな、幸せなのかな、
って、ずっと考えていました。
ところでReloyさんは、私と、
リアルで知り合いの方なのでしょうか?