Scarving 1979 : Always Look on the Bright Side of Life

1979年生な視点でちょっと明るく世の中を見てみようかと思います。

映画生感想『デビルマン』

2004年10月26日 15時39分53秒 | 映画
2004年10月24日、久しぶりのバイクでひとり、
MOVIX本牧にて、10時の回を観賞しました。

3年半前、就職のため、千葉の実家から横浜に来るとき、
本の類はかさ張るので、なにも持ってこないようにしようと思っていました。

しかし、この「デビルマン」と、あと「藤子F不二夫SF短編集」だけは、
どうしても必要だから持ってきてしまった、という過去があるくらい、
私にとって思い入れの深い作品だったりします。

その後、永井豪作品も代表作だけですけど何作か読み漁り、
短編も読んだりもしましたしね。

なので今回は、思い入れが深く重なり、
普段とはチョット違う毛色の感想になりそうです。

感想を一言で言うと、
ツッコミどころは多過ぎるものの、
80年代の邦画を観るような感覚で、
それなりに2時間、楽しめました。

物語を知り尽くしていて、脳内補完しているからこそ、
かもしれませんけどね。

ネット上だと、かなり批判を浴びてますけど、
そんなに批判するものでもない気がします。

最近は、邦画でも真面目にキャラモノをやったり、
テンポ良く面白い試みをする作品が増えてきていますが、
一昔前の邦画って、そもそもこんな味わいを持ったものだと思います。

だからこそ、邦画なんて…、って人が増えたわけですしね。

特に子供向けの特撮は、この傾向が多かった気がします。
子供心に期待しては、邦画だね、って思わされた部類の。

演技が棒読みだとか、役者がみんな華奢過ぎだとか、
演劇台詞と日常台詞の使い分けがオカシイだとか、
シレーヌとジンメンのお話が淡白過ぎて必要なさ過ぎだとか、
笑えない、笑わせようとするカメオ出演が気分を盛り下げるとか、
そもそも脚本が設定を下手に変えて繋がりがない上にテンポがないとか、
ご自慢のCGがプレステ2のムービーより劣ってるだとか。

批判する気になれば、その材料は盛り沢山の映画で、
とっても脇の甘さが目立つ作品になっています。

でも、特撮に限らず、私は80年代以降の作品しか知りませんけど、
いわゆる話題作っぽく、子供にも向けて宣伝された一昔前の邦画って、
ハリウッド映画ほどの緻密さはなく、脇が甘く、無駄が多く、テンポも悪く、
次から次へと忘れてもいいような場面が続くもののような気がします。

それで完全につまらないかといえば、そんなでもなく、
テレビ放送時、やっぱりドラマとはチョット趣の違う、
お茶の間映画として、それなりに観られますよね、っていう。

なので、もし私が制作者だとして、そんな一昔前の邦画と比べたとすれば、
この作品を観て、よく出来た作品だね、とすると思います。

この作品を観たとき、その物語、演技の箱庭さが微笑ましく感じられて、
一昔前を思い出し、とても懐かしい気持ちになりました。

そして私は終始、温かい気持ちで、飽きることも、呆れることもなく、
穏やかに観ることが出来ました。

さて、内容的に良いとこ探しをすれば、
「ススムちゃん大ショック」を取り入れたり、
虐げられた美少女が急に力を持って大人を殺しまくったり、
その辺は、とっても永井豪っぽかった気がします。

それに、デビルマンはそんなことないですけど、
少なくとも短編では、永井豪自身が邦画的な物語を描いている気がするので、
そもそも、こうした安っぽい邦画の枠に閉じこもってた方が、
実はとっても、永井豪っぽい作品になる気がします。

永井豪にしては、あまりにエロスがなさ過ぎでしたけど、
そもそも永井豪のエロスは必要あるかどうか不明ですしね。

そう考えると、下手にハリウッド制作になって、
永井豪とは全く別の味を持った作品になるよりは、
これはこれで答えだったんじゃないでしょうか。

ハリウッドならば、もっと大掛かりな答えになってたでしょうけど、
それだと永井豪の邦画っぽさが損なわれますからね。。。

その答えが正解とは決して言い切れませんけど、
それなりに楽しめる作品です。

デビルマンの大筋も、一応辿ってますしね。

でも誰もが楽しめる構成ではないと思うので、
80年代邦画特有の、元々デビルマンが好きだったり、出演者が好きだったり、
そういう、観たい人は観てください、な感じです。

あと、オモシロ描写やオモシロ台詞も満載なので、
その辺をナナメ観して楽しむ方にも大ウケだと思います。

…ということで、他の方の辛辣な批評を読みつつだったので、
なんだか感想というよりも作品擁護っぽくなりましたが、
私は、言うほどつまらなくないと思いました。

そもそも私は、野次や批判を受けたら、
放り投げてやりたくなくなる部類の人間なので、
他人の作品についても誉める以外したくないですしね。

それに、気持ち悪く微妙に感覚がズレてて酷い、
お金のかかったハリウッド映画もありますしね、
こう気持ち良く全てがズレている方がいいと思います。

とりあえず原作の力だけで、2時間楽しめます。

原作を知らない方は、この作品を通してぜひ原作に出会って、
あの、とてつもない世界に浸って欲しいところです。

たとえ映画を通さなくても、
この作品は、ぜひとも読んで欲しいものです。

いつも心の明るい部分を見続けるのも楽しいですが、
心の闇を照らされるのも、時には必要な気がします。

ので、原作をぜひ読んでみてください。

ハッピーバースデー、デビルマン。。。

悪魔はおまえら人間だ!

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