The Alan Smithy Band

The band is on a mission.

リコリス免疫療法

2012年07月07日 | ASB活動日誌
先日ブログで触れたスウェーデンのリコリス菓子の続きです。

これはやっぱり無理、といいながらローカルな食べ物を食べずにいるというのは、
それを語る資格も何もあったもんじゃないな、と思い始め、とにかくもう一度トライしてみようと思い立った。

「しょっぱくて辛いクランベリー」という表記のリコリスの入れ物を再度開けて、恐る恐る口に運ぶ。
しかしどうしても一気に行く気持ちになれない。一気に行けば、最初の数ストロークは行けても、たまらず出すしかないはずの匂いだ。
それは食べたとは言わない。

好きになれ、と言ってるわけではないのだ、とにかく食べるという具体的な体験によって異文化を理解しようとしてみよ、ということなのだ。

と自分に言い聞かせる。

以前シンガポールでドリアンを初めて食べたときも、周りのシンガポリアン達はそろそろとドリアンを口に運ぶ私に熱い視線を送ってきた。
ただドリアンに関しては名前がダミアンみたいで嫌だなというぐらいで、自分でも意外なほど普通に食べられた。
逆にげええという反応を待っていた彼らには悪いことをしてしまった。

その意味で目の前のリコリスは期待通りの拒否反応をマックスで表現できるのだが、今回別に誰かの目前で強要されているものではない。
あくまで、自分の中で一線を越えてみたいだけなのだ。「やめて!そんなことして一体どうなるっていうの?」と止めに入る人を制してでも行こうと今回は決めた。

リコリスがだめでした、というのは簡単だ。いつかリコリスの話で盛り上がったら、「え、俺結構いけるクチやわ」と言ってみたいのだ。。。外国人が日本に来て、納豆の匂いを嗅いだ瞬間に「ノーノー」とされるより、果敢にトライするとか、まして「あ、あれー・・・なにこの気持ち・・・好きかも」と赤面でもすれば ほう、この人面白いな。。。と君だってなるはずだ。。。

ということで一気食い作戦を避けた私ひで氏は、リスのようにカリカリと少しずつ食べていく作戦を採用した。
アレルギー物質を故意に少しずつ体に取り込むことでアレルギーそのものを克服する免疫療法と同じ考え方だ。

とにかく黒々した見た目と、ブツ切りの感じが余計不気味さを煽っているのだが、
そのサイズのバラツキ感が「機械化された製造過程を経ていない」感じを大いに醸し出す。童話に出てきそうな魔女がひとつひとつ手でちぎっているのではないか。。。と思ってしまう。

そして少しずつ、また少しずつ端っこからかじっていく。
すると、味の全体像がわかってきたような気がした。免疫療法が確実に働いているらしい。
外側の部分を超えると、中に核のような部分があり、そこがどうも「しょっぱくて辛いクランベリー」パートのようだ。
匂いを嗅いだり、舌先で触ってみるなどの最大級の警戒をしていたところに、背後から人が。

「あ、リコリス?これどうしたん~?」

現れた人はスウェーデン人のJ氏。
言うや否や4、5個のリコリスを手に取り次々と口の中に放り込んだ!


「ど、どう?」


と聞くと彼は

「うん、わるないね。」
口をあむあむさせながら言うJ氏。



か、神!







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