わたしんちの医学革命と雑多な情報

「医学革命」とは薬からの解放への「個人の気づき」の事である。雑多な情報も「取捨選択」&「鵜呑み厳禁」はセルフサービスにて

精白児は卵が大好き?、食物と脳の働き(医学と生命)

2016年01月24日 | 医学と健康

私はタマゴが大好きです(汗

 精白児ならぬ、精白爺かな?

 

医学と生命 松本 英聖 医事論集 - 技術出版

より

 

ーーーーーーーーーー以下引用ーーーーーーー

 

93P
    ●精薄児はタマゴ好き

 最近アメリカの医学者達が、六百人の精神薄弱児の食事調査を行なったところ、その殆んどが「大の卵好き」であった。そして、料理やケーキに加えられた卵を含めて、一日に六個以上の卵を食べるグループでは、極度に知能程度が低いことも明らかになった。この点について、M・A・ボアス氏は卵白を白ネズミに食べさせる実験を試み、一つの仮説を提案した。それによると、卵白はアビディンという物質があり、これが腸内のビオチンと結合して、神経障害を起こすらしいと言うのだ。ともあれ、幼児に多量の卵を与えることは、未熟な子供の脳の健全な発育を阻害し、その働きを鈍らせる。また、同時にそれは、子供の下垂体に刺激的に作用して、性機能の発達を促すために、性的に早熟となる。昨今、頭はまるで子供だが、セックスだけは早々に一人前といったアンバランスな「大人もどき」が増加している背景には、こうした食生活の問題点が潜んでいるのだ。
 この他、母親が妊娠中に卵を食べ過ぎると、胎児の脳の発育に影響を与え、精薄児を作る有力な要因になると警告する学者もいる。


    ●宗教と戒律

 かって我が国は、神代の昔から、肉食を慎み穀菜食を旨として、惟神(かんながら)の道に精進してきた。また一般に世界の三大宗教が、押し並べて肉食を戒め、また肉食を認める宗教は厳しい戒律を定めている。この事実は、肉食の民がこの地球
上で平和に生存するためには、戒律を守ることが必要かつ不可欠な生活条件であるからであろう。
 仏教は本来菜食主義で魚食も禁じてきた。また遊牧民族のイスラム圏では、今なおラマダン(年に一ヶ月の断食行)を国民的行事として遵守し、また、羊・牛は食するが、豚肉は絶対タブー。ユダヤ教もそうだ。一方インド・ヒンドウ圏は羊・豚は許すが、牛は神聖視して一切口にしない。内容的には互いに矛盾する面(羊肉は両者に共通する)もあるが、少なくとも肉食にそれぞれの技がある点を重視したい。
 最近その形骸化が進行しているが、ここに現代肉食文明の奢りと陥穽があり、この状況を筆者は、お釈迦様の予言した法滅尽の時代と見る。
 数年前、バチカン当局はカトリック教徒が長年遵守してきた週一回の〝肉断ち日〟すら解禁した。これを宗教の民主化と見るか、神に背き衆俗に阿(おもね)る堕落と見るか---。
 かってマルクスは、「宗教は阿片」と厳しく批判したが、今こそ「肉食は阿片」と見抜くべきであろう。
 ともあれ、食の節度を弁えず、暖衣飽食にドップリと浸りながら、宗教を論じ、神の愛や仏の慈悲を説き、平和を云々する等…、その資格は全くない。また食の節操を弁えずに人生論を説く精神至上主義の道徳家も同じ。
 それにつけても、日本の現状はどうか。肉食礼賛医学と欲望増幅型の西洋物質文明を無批判に受け入れ、牛・豚・鶏・魚と、手当たり次第に飽食し、医薬を盲信する経済大国ニッポン。果たして、この栄耀栄華が何時まで続けられるか。そのツケ回しは早晩、心身共に荒廃し、個人も民族も滅び去る運命にある。
 神を捨てた肉食文明の末路に待つものは何かしそれは人間精神の死、即ち精神病である。人間、頭が狂えば終わり。その時、宗教も死に、神も死ぬ。まさに〝世の終り〟であり、仏無き〝法滅の時代〟の到来である。


94P
    食物と脳の働き

 人間誰しも、満腹するとよく眠くなることはよく経験することである。
 では何故眠くなるのか?
 意外なことに、この当たり前のことがこれまで医学的には説明できなかった。この謎をネズミの動物実験で見事に解明したのは、マサチューセッツ大学のリチャード・ワートマンとジョン・ファーンストロームの両博士だ。
 博士等は、ラットに炭水化物(穀物)を与えると、一時間以内に血液中のトリプトファン(アミノ酸の一撃濃度が増加し、それに伴なって脳内の濃度も高まる。その結果、トリプトファンの代謝産物であるセロトニンが脳内で増えることを突き止めた。
 セロトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれる脳内神経ホルモンであり、この作用で眠くなるわけである。
 これに対して、蛋白質を与えると、脳内に入るアミノ酸比率は、常にチロジンが多くなる。つまり、穀類では脳内トリプトファンが増えるのに対して、蛋白質の場合はチロジン濃度が高まるわけ。
 チロジンは、脳内で代謝を受けてドーパミンという神経ホルモンに変わる。ドーパミンは覚醒ホルモンと呼ばれる神経ホルモンだ。
 従って、肉食をすると脳の覚醒レベルが高まる。肉を食べるとスタミナが付いたような気がするのはこのため。この点、穀類を食べるとセロトニン(睡眠ホルモン)が増えて眠くなるのとは凡そ正反対である。
 次に重要なことは、ドーパミンが人間の快感を引き起こす快楽ホルモン、つまり人間の煩悩を支配する極め付けの神経ホルモンであることだ。
 動物の脳に快感中枢があることを、特別な電気刺激装置を使った動物実験(ネズミ)で発見したのは、弱冠三十二歳の生物心理学者ジェームズ・オールズ(カナダ・マッギル大望だが、彼の弟子であるアリエ・ラウテンパーグ(カリフォルニア大望は、それがA川神経であることを突き止めた。一九七八年のことである。

 A10神経は脳の最深部にある視床下部のど真ん中を走っている神経で、ここには食欲、性欲の二大本能の中枢があり、本能の座と呼ばれている場所。ここを走る神経にはA・B・Cの三系列あって、このうちA系列(左右に十六対の神経核がある)の下から十番目の神経核がA10神経で、ドーパミンによって作動する。
A系列のうち、A8~A16神経はA10神経と同じくドーパミンで作動する神経であるが、A8とA9神経は喜怒哀楽の表情を作り、A12神経は愛情を感じる神経である。
 またA7神経以下の神経は、ドーパミンと同類のオキシドーパミン (別名ノルアドレナリン)で作動する神経。ノルアドレナリンは怒りの感情を作るホルモンだが、これがA6神経に作用すると夢を見せることも分かってきた。
 次にC系列の神経核(左右三対)は、ドーパミンの仲間であるメチルオキシドーパミン(別名アドレナリン)で作動し、恐れや驚きの感情を起こさせる。
 このように、ドーパミン系の神経ホルモン(別名カテコールアミン系ホルモン には三種類あって、それぞれが喜怒哀楽の感情を起こさせるわけである。なお、悪名高い覚醒剤(ヒロポン)や幻覚剤(LSD)などもドーパミン系ホルモンと同じ仲間の物質である。
 以上のドーパミン系神経(AおよびC系列神経) に対して、B系列の神経核(左右九対)は、セロトニン(睡眠ホルモン)で作動する神経だが、これについてはまだ十分に解明されていない。なお、セロトニンは、脳中枢では睡眠ホルモンとして作用するが、末梢においては血管を強く収縮させて血圧を上げたり、ヒスタミン等と共にアレルギー毒(起炎物質)として作用する等、脳と末梢では正反対の作用を現わす両刀使いの神経ホルモンである。

ーーーーーーーーーーーー引用終わりーーーーーーーーーー

 

なるほど、食事のあとで眠くなるわけ

肉食は興奮しちゃうんだな♪~~~(爺には必要ないって?)

 

 

ちなみに、ボクちゃん肉も大好きなんです(汗

でも、出来るだけ少なくしています。  できるだけ魚にしますかな

 

 

 

 

 

93P
    ●精薄児はタマゴ好き

 最近アメリカの医学者達が、六百人の精神薄弱児の食事調査を行なったところ、その殆んどが「大の卵好き」であった。そして、料理やケーキに加えられた卵を含めて、一日に六個以上の卵を食べるグループでは、極度に知能程度が低いことも明らかになった。この点について、M・A・ボアス氏は卵白を白ネズミに食べさせる実験を試み、一つの仮説を提案した。それによると、卵白はアビディンという物質があり、これが腸内のビオチンと結合して、神経障害を起こすらしいと言うのだ。ともあれ、幼児に多量の卵を与えることは、未熟な子供の脳の健全な発育を阻害し、その働きを鈍らせる。また、同時にそれは、子供の下垂体に刺激的に作用して、性機能の発達を促すために、性的に早熟となる。昨今、頭はまるで子供だが、セックスだけは早々に一人前といったアンバランスな「大人もどき」が増加している背景には、こうした食生活の問題点が潜んでいるのだ。
 この他、母親が妊娠中に卵を食べ過ぎると、胎児の脳の発育に影響を与え、精薄児を作る有力な要因になると警告する学者もいる。


    ●宗教と戒律

 かって我が国は、神代の昔から、肉食を慎み穀菜食を旨として、惟神(かんながら)の道に精進してきた。また一般に世界の三大宗教が、押し並べて肉食を戒め、また肉食を認める宗教は厳しい戒律を定めている。この事実は、肉食の民がこの地球
上で平和に生存するためには、戒律を守ることが必要かつ不可欠な生活条件であるからであろう。
 仏教は本来菜食主義で魚食も禁じてきた。また遊牧民族のイスラム圏では、今なおラマダン(年に一ヶ月の断食行)を国民的行事として遵守し、また、羊・牛は食するが、豚肉は絶対タブー。ユダヤ教もそうだ。一方インド・ヒンドウ圏は羊・豚は許すが、牛は神聖視して一切口にしない。内容的には互いに矛盾する面(羊肉は両者に共通する)もあるが、少なくとも肉食にそれぞれの技がある点を重視したい。
 最近その形骸化が進行しているが、ここに現代肉食文明の奢りと陥穽があり、この状況を筆者は、お釈迦様の予言した法滅尽の時代と見る。
 数年前、バチカン当局はカトリック教徒が長年遵守してきた週一回の〝肉断ち日〟すら解禁した。これを宗教の民主化と見るか、神に背き衆俗に阿(おもね)る堕落と見るか---。
 かってマルクスは、「宗教は阿片」と厳しく批判したが、今こそ「肉食は阿片」と見抜くべきであろう。
 ともあれ、食の節度を弁えず、暖衣飽食にドップリと浸りながら、宗教を論じ、神の愛や仏の慈悲を説き、平和を云々する等…、その資格は全くない。また食の節操を弁えずに人生論を説く精神至上主義の道徳家も同じ。
 それにつけても、日本の現状はどうか。肉食礼賛医学と欲望増幅型の西洋物質文明を無批判に受け入れ、牛・豚・鶏・魚と、手当たり次第に飽食し、医薬を盲信する経済大国ニッポン。果たして、この栄耀栄華が何時まで続けられるか。そのツケ回しは早晩、心身共に荒廃し、個人も民族も滅び去る運命にある。
 神を捨てた肉食文明の末路に待つものは何かしそれは人間精神の死、即ち精神病である。人間、頭が狂えば終わり。その時、宗教も死に、神も死ぬ。まさに〝世の終り〟であり、仏無き〝法滅の時代〟の到来である。


94P
    食物と脳の働き

 人間誰しも、満腹するとよく眠くなることはよく経験することである。
 では何故眠くなるのか?
 意外なことに、この当たり前のことがこれまで医学的には説明できなかった。この謎をネズミの動物実験で見事に解明したのは、マサチューセッツ大学のリチャード・ワートマンとジョン・ファーンストロームの両博士だ。
 博士等は、ラットに炭水化物(穀物)を与えると、一時間以内に血液中のトリプトファン(アミノ酸の一撃濃度が増加し、それに伴なって脳内の濃度も高まる。その結果、トリプトファンの代謝産物であるセロトニンが脳内で増えることを突き止めた。
 セロトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれる脳内神経ホルモンであり、この作用で眠くなるわけである。
 これに対して、蛋白質を与えると、脳内に入るアミノ酸比率は、常にチロジンが多くなる。つまり、穀類では脳内トリプトファンが増えるのに対して、蛋白質の場合はチロジン濃度が高まるわけ。
 チロジンは、脳内で代謝を受けてドーパミンという神経ホルモンに変わる。ドーパミンは覚醒ホルモンと呼ばれる神経ホルモンだ。
 従って、肉食をすると脳の覚醒レベルが高まる。肉を食べるとスタミナが付いたような気がするのはこのため。この点、穀類を食べるとセロトニン(睡眠ホルモン)が増えて眠くなるのとは凡そ正反対である。
 次に重要なことは、ドーパミンが人間の快感を引き起こす快楽ホルモン、つまり人間の煩悩を支配する極め付けの神経ホルモンであることだ。
 動物の脳に快感中枢があることを、特別な電気刺激装置を使った動物実験(ネズミ)で発見したのは、弱冠三十二歳の生物心理学者ジェームズ・オールズ(カナダ・マッギル大望だが、彼の弟子であるアリエ・ラウテンパーグ(カリフォルニア大望は、それがA川神経であることを突き止めた。一九七八年のことである。

 A10神経は脳の最深部にある視床下部のど真ん中を走っている神経で、ここには食欲、性欲の二大本能の中枢があり、本能の座と呼ばれている場所。ここを走る神経にはA・B・Cの三系列あって、このうちA系列(左右に十六対の神経核がある)の下から十番目の神経核がA10神経で、ドーパミンによって作動する。
A系列のうち、A8~A16神経はA10神経と同じくドーパミンで作動する神経であるが、A8とA9神経は喜怒哀楽の表情を作り、A12神経は愛情を感じる神経である。
 またA7神経以下の神経は、ドーパミンと同類のオキシドーパミン (別名ノルアドレナリン)で作動する神経。ノルアドレナリンは怒りの感情を作るホルモンだが、これがA6神経に作用すると夢を見せることも分かってきた。
 次にC系列の神経核(左右三対)は、ドーパミンの仲間であるメチルオキシドーパミン(別名アドレナリン)で作動し、恐れや驚きの感情を起こさせる。
 このように、ドーパミン系の神経ホルモン(別名カテコールアミン系ホルモン には三種類あって、それぞれが喜怒哀楽の感情を起こさせるわけである。なお、悪名高い覚醒剤(ヒロポン)や幻覚剤(LSD)などもドーパミン系ホルモンと同じ仲間の物質である。
 以上のドーパミン系神経(AおよびC系列神経) に対して、B系列の神経核(左右九対)は、セロトニン(睡眠ホルモン)で作動する神経だが、これについてはまだ十分に解明されていない。なお、セロトニンは、脳中枢では睡眠ホルモンとして作用するが、末梢においては血管を強く収縮させて血圧を上げたり、ヒスタミン等と共にアレルギー毒(起炎物質)として作用する等、脳と末梢では正反対の作用を現わす両刀使いの神経ホルモンである。


96P
    ●肉食はドーパミンを増やす
 今述べたように、人間に快感をもたらすA10神経(A系列神経)を初めとして、人間の感情(喜怒哀楽)を支配するのは、すべてドーパミン系の神経ホルモンである。
これに対して、睡眠(休養)を与えるB系列神経はセロトニン系ホルモンで作動する。つまりドーパミン(覚醒・快感ホルモン)とセロトニン(睡眠ホルモン)とは、まさに脳の中枢における陰・陽の関係にあり、その調和によって人間の情動が支配されるわけ。この陰・陽の調和が乱れると、例えばA10神経の活動が異常昂進すると精神分裂病、反対に極端に低下すると欝(うつ)病になることが明らかにされてきた。
 ところで、ドーパミン系ホルモンはアミノ酸チロジンから、またセロトニンはアミノ酸トリプトファンからそれぞれ脳内でこしらえられることを思い出して頂こう。そして前者は蛋白質(肉食)、後者は炭水化物(穀菜食)によって、それぞれの脳内濃度が高まることも述べた。
 そこで賢明な読者はもうお気付きだろうが、肉食の過剰は脳内ドーパミンの作用を高めて、恐れ・怒り・憎しみなどの感情を強めると共に、快感を求めて欲望に走りやすい性格を作る。これに対して、穀菜食の場合は、セロトニンの抑制作用によって、己れの分を弁え、足るを知って、自然の恵みに感謝し、辛抱強い性格を培うであろうことは容易に想像できる。事実このことを示唆する興味ある研究が報告されている。
 テンプル大学(フィラデルフィア)の研究チームは、慢性顔面痛の患者三十名を対象に、低蛋白・低脂肪の食事を一ヶ月間摂らせ、その間条件群にはトリプトファンを与え、コントロール群にはプラセボー(偽薬)を与えた。
その結果、トリプトファンを与えたグループは痛みが顕著に軽減し、またプラセボ一群でもこの食事だけでかなり痛みが弱まった。
 このように、穀菜食は痛みに対する感受性を弱める働きがあるわけで、実際、穀菜食を常食としている民族は、一般に辛抱強い。
 往年の日本の産婦や、今でも素食を常食としている途上国の産婦たちは比較的安産であり、お産の苦しみも少ないことが知られている。

 一方、高蛋白の美食・飽食を恣(ほしいまま)にする文明社会では、痛みや苦しみに対して極めて過敏に反応する。現に今、アメリカのお産は殆どが麻酔分娩であるが、日本でも次第にこの傾向が増加し始めたことは、この辺の事情を雄弁に物語っていると言えよう。
 ところで、A10神経にはもう一つ重要な側面がある。それはこの快感神経が、人間の二大本能(食欲と性欲)を支配する視床下部(本能の座)のど真ん中を走っていることで、詳しく説明すると、視床下部の後部に体温調節中枢、真ん中に食中枢、最前部に性中枢がある。
 食中枢はさらに摂食中枢(食欲を起こす中枢)と満腹中枢(摂食中枢の内側にある)とがあり、性中枢については大村裕教授(九州大学・生理学)によって、前面に「性欲を感じる中枢」、後部に「性行為の中枢」のあることが明らかにされている。

 ※ 図表略

これらの《食と性》の中枢は僅か数㍉の間に存在し、そこをA100神経が走っているが、その関係はまだよく分かっていない。しかし、食・性両本能の満足が無上の快感であることは誰しも認めることであるから、それを求めれていることはまず間違いないであろう。


99P
   ●美食・飽食はボケを招く

 最近、飽食に関連して興味深い報告が九州大学医学部第一生理学教室の大村裕教授(前出)によって発表(昭和六十三年一月三十一日)された。それによると、食事で満腹感を得る度に〝ボケ〟の一因と見られる物質(a-FGF)が、脳内で食事前より数万倍も増えると言うのだ。
 aーFGFは脳内にある酸性の繊維芽細胞成長因子のこと。繊維芽細胞とは細胞と細胞を結合しているコラーゲン繊維の網目構造(マトリックス)を作りだす細胞のことで、このコラーゲン代謝が狂うと、動脈が繊維化して動脈硬化などの老化現象を引き起こすことが以前から知られている。
 同教授はかねてから、空腹時には血液中に空腹物質(3-DPA)が増え、これが脳の摂食中枢を刺激して食欲を起こさせること。また食事後は血液中に満腹物質(2-DTA)が増え、これが満腹中枢を刺激して満腹感を得る等、食欲の仕組みを解明して世界的に評価されていた。この研究過程で「aーFGF」を発見し、これがネズミにエサを与えた直後に食前の数万倍に増え、食後はゆっくりと減少して四時間後に元に戻ることを突き止めた。
 こうした一連の研究から同教授は、飽食が続くと脳内のaーFGF濃度が異常に増加し、その結果コラーゲン代謝が狂ってボケや老化(動脈硬化)が始まるという新説を発表したのである。
 さて、高蛋白食(肉食)をすると、アミノ酸チロジンの脳内通過量が増え、脳内のドーパミン濃度が高まることは既に述べた。すると、どうなるか。当然、ドーパミンによってA10神経が賦活され、快感が増幅されることは容易に想像されるが、ここでもう一つ見逃せないことは、肉のエキス分に含まれるプリン体(核酸代謝産物)だ。プリン誘導体
はカフェインと同じ仲間で、興奮性を高め、かつ習慣性になることが考えられるので、こうしたことから、森下敬一博士は、肉食によるセックスへの影響(性的成熟)を強調されておられる。
 何れにせよ、高蛋白食を旨いと感じさせるのはドーパミンがもたらす快感作用であろうし、また核酸プリン体は人間を食欲と性欲の虜にし、美食とセックスへの誘惑に拍車を掛けることになろう。
 高蛋白食は、こうした一連のメカニズムを通して欲望を増幅させ、さらなる欲望を掻き立てるという悪循環を招く。まさに餓鬼道と畜生道の二重の無間地獄に陥れるわけだ。高蛋白食の怖さはここにある。行き着く先は心身ともに荒廃し、肉体的にはガンを初めとする慢性病で早老・早死するか、あるいは頭が狂って分裂病や欝病などで精神的に死ぬか、その何れかであろう。このように見て来ると、昨今の犯罪の多発特に幼女連続誘拐殺人に見られるような冷酷非道かつ計画的で絞滑な快楽犯罪が続発する社会的背景として、《美食飽食が脳内ドーパミン濃度を高め、それが、さらなる欲望を掻き立てるという具合にして欲望増幅型の西洋物質文明を自己拡大する》という恐るべき悪循環のメカニズムが潜んでいることを筆者は指摘したい。
 特に重要なことは、前著(松本英聖医事論集第一巻)で紹介した白砂糖型犯罪の場合は、低血糖症による発作的凶悪犯罪が多いのに対して、肉食型犯罪(ドーパミン型)は陰湿・冷酷かつ計画的で狡猾な快楽犯罪が多発することである。とすれば、白砂糖と肉食とが相乗する現代社会において、今後どのような犯罪が発生するか、想像を絶するものがあろう。
 そこで強調したいことは、今述べた肉食過剰によるドーパミン優位の精神構造に対して、これに拮抗し歯止めを掛け得る天賦の道は、ドーパミンの過剰を抑制することであり、そのためには美食飽食を慎み、素食・少食の自然の食生活に立ち返る以外にないということである。



。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。



101P

第2部  第三章  薬毒の果てーー精神病

   激増する精神異常者

  二十一世紀に予測される五大病の一つが精神病だ。
実頃昨今のノイローゼや精神異常者の激増ぶりは、どう見ても異常である。
はっきりした異常者の数が着実に増えている事実もさることながら、むしろ表面化していない潜在的異常者の増加の方が、遙かに無気味だ。
アメリカの公式統計では、精神病は十人に一人の割合だが、非公式統計ではその三唱 つまり三人に一人の割合と報告されている。
我が国の場Aq厚生省の公式発表によると精神障害者数は一二四万八百人に一人の割合だが、実際にはもっと多く、少なくとも三倍はあると推定されており、性格異常やノイローゼまで加えると、恐らくアメリカの半数位にはなると思われる。
 しかも、精神異常に対して有効な対策は皆無であるから問題は極めて深刻である。
 では何喝文明社会に精神異常者が激増するのであろうか。
この問題を考える前に、歴史的に有名な二、三の集団狂気について話をして置こう。

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